シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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臨床心理学特論Ⅰ | 2024 | 前期 | 火3 | 文学研究科博士課程前期課程 | 山科 満 | ヤマシナ ミツル | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-CY5-107L
履修条件・関連科目等
臨床心理学コースの学生のみ履修可能。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
毎回の授業で,断片的な臨床素材を提示することから始めます。その事例に対してどのような援助が可能であるのか,またそのために必要な理論と技法はどういったものであるのかについて,講義とディスカッションを繰り返しつつ理解を深めていきます。取り上げるものは狭義の臨床心理学に限定せず,医療など周辺領域にも広げていくことを意識します。
授業後には、manabaの小テスト機能を使って、授業後に浮かんだ感想や疑問について記述してもらいます。それを次回の授業の冒頭に取り上げ、ディスカッションの材料とします。
科目目的
心理臨床に進む人が「何を目指し、そのためには具体的にどういった能力を身につける必要があるのか」について理解することがこの授業の目的です。
到達目標
クライエントの心理状態や、その背景にあるクライエントを取り巻く家族や環境要因、さらには生物学的要因について、今後学ぶべき事や考え方の基本を身につけることが目標です。
授業計画と内容
①臨床心理学とは
②心理臨床で出会う人(1)不登校のこども
③心理臨床で出会う人(2)自分と向き合う若者
④心理臨床で出会う人(3)末期がんの人
⑤心理臨床で出会う人(4)地域で暮らす統合失調症者
⑥「症状」と「診断」の関係(1)症候学
⑦「症状」と「診断」の関係(2)診断学
⑧人のこころを理解するとは―アセスメント総論
⑨医学的診断を超えたアセスメント(1)ひきこもりを例に
⑩医学的診断を超えたアセスメント(2)頭部外傷の若者を例に
⑪問題を維持しているメカニズムを探る―パニック障害を例に
⑫初回面接で聞くこと
⑬事例性について
⑭治療構造論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前に予習課題を配布するので,それを熟読し,未知の専門用語は心理学辞典や精神医学事典などで調べておくとともに,内容について見解を述べられるように準備しておいてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 30 | 臨床心理学に関する基本的な諸概念を十分に理解し、生物学的・心理学的・社会的観点から適切にそれらを駆使できる。 |
平常点 | 70 | 積極的に授業に参加し、問題意識を持って取り組み、授業後の小レポートも適切に提出している。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業へのコミットメント70%,期末の小テスト30%。
<評価表示の水準>
A=積極的に授業に参加し,問題意識を持って取り組んでいる。授業で学んだことを十分理解し,それを手がかりとして主体的に探究を進めている。臨床心理学に関する基本的な諸概念を十分に理解し,現象の説明に際して適切にそれらを駆使できる。
B=授業に参加し,問題意識を持って取り組んでいる。授業で学んだことを基本的に理解し,それを手がかりとして探究を進めている。臨床心理学に関する基本的な諸概念を理解し,それらを現象の説明に際して駆使できる。
C=授業に概ね出席はしているが,問題意識が明確でない。授業で学んだことを十分に理解できていないし,それを手がかりとして自ら探究を進めようという姿勢も弱い。指示待ちの姿勢である。臨床心理学に関する基本的な諸概念をある程度は理解できるが,それらを現象の説明に際して適切に駆使できない。
D=授業への参加はおぼつかず,問題意識を持って取り組むという姿勢に欠けている。授業内容の理解度が低く,探究心にも乏しい。臨床心理学に関する基本的な諸概念の理解がままならず,したがって現象の説明もできない。
E=授業への参加ができずに,基本的な履修意欲を欠いている。授業内容の理解ができず,自ら探究を進めることができない。臨床心理学に関する基本的な諸概念を理解できない。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaの小テストやレポート機能を利用して感想や質問を受け付け、次回の授業におけるディスカッションの材料とする。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
精神科医として公立単科精神病院に6年、大学病院精神科に通算8年、市中クリニックに通算25年以上、保健所の精神保健相談に通算8年、社会福祉法人の嘱託医として通算17年、企業内健康管理センターの嘱託医として22年、東日本大震災被災地でのボランティア活動に12年、大学内診療所の精神科医として6年の実務経験があります。臨床心理士・公認心理師の資格も有しています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
上記の経験に基づき、現場で出会う事例について、精神科医・臨床心理士双方の視点から解説を加えるとともに、現場で必要とされる臨床心理士のスキルについても随時触れていきます。
テキスト・参考文献等
<参考書>
臨床心理学 いちばんはじめに読む心理学の本1 伊藤良子編著 ミネルヴァ書房
臨床心理アセスメント入門 下山晴彦著 金剛出版
予診・初診・初期治療 笠原嘉著 星和書店