シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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心の健康教育に関する理論と実践 | 2024 | 後期 | 月3 | 文学研究科博士課程前期課程 | 中村 菜々子 | ナカムラ ナナコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-CY5-122L
履修条件・関連科目等
履修は臨床心理学コースの学生に限定しませんが,学部において臨床心理学ないしは関連する授業を履修した経験があること,および授業と課題実施にしっかりとコミットすることを求めます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
心の健康教育は,公認心理師においては「心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供」,臨床心理士においては「臨床心理的地域援助」の1つに位置付けられる,重要な専門業務の1つです。
この授業ではまず,個人を対象とした健康教育から集団を対象とした健康教育までを扱い,基本的な理論を学びます。
つぎに,実際の心の健康教育を扱った実践研究を読み,様々な対象における心の健康教育の実際を知ります。
最後に,受講者自身が実際に心の健康教育プログラムを立案・実施する経験を通して,実際の現場での心の健康教育実施の基礎力をつけます。
科目目的
臨床心理士の業務である「地域支援」および公認心理師の業務である「心の健康教育」における基礎理論と実際の運用を学ぶことを目的とします。
1)健康教育における基礎理論を理解すること
2)心の健康教育を扱った実践研究を読み,具体的な実践内容について紹介・理解できること
3)実際に心の健康教育プログラムを立案・実施できること
到達目標
以下の3点を到達目標とします。
1)健康教育における基礎理論を理解し、自分の言葉で説明できるようになること。
2)自分が目的とする心の健康教育にあわせた、先行研究を探し、自分の言葉で説明できること。
3)実際に心の健康教育プログラムを立案・実施できること。
授業計画と内容
第01回 授業のオリエンテーション 健康行動とは?(健康教育・ヘルスプロモーションにおける心の健康の位置付け,健康教育を支える健康行動理論)
第02回 健康行動理論における基本用語の定義と解釈(健康行動概念・理論・モデルの系統図,個人レベルの概念・理論・モデル/個人間レベルの概念・理論・モデル/集団レベルの理論・モデル・フレームワーク)
第03回 個人レベルの理論・モデル1:KAPモデル ヘルスビリーフモデル 合理的行動理論・計画的行動理論・統合的行動モデル
第04回 個人レベルの理論・モデル2:トランスセオレティカルモデル 予防行動採用モデル
第05回 個人レベルの理論・モデルに関連する概念:自己効力感,ヘルスリテラシー,恐怖アピール,文化資本/ソーシャルクラス
第06回 個人間レベルの理論・モデル1:社会的認知理論,ストレスと健康への力に関する理論とその文脈
第07回 個人間レベルの理論・モデル2:社会関係に関する理論とその文脈,健康とコミュニケーションに関する理論とその文脈
第08回 集団レベルの理論・モデル1:コミュニティとは,多様なレベルのアプローチ,コミュニティオーガニゼーションとコミュニティビルディング
第09回 集団レベルの理論・モデル2:イノベーション普及理論,計画モデル,ヘルスコミュニケーション
第10回 心の健康教育に関する実践研究の紹介
第11回 心の健康教育の立案1
第12回 心の健康教育の立案2
第13回 心の健康教育の実施
第14回 心の健康教育の実施後の振り返り・授業のまとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業は受講者自身の発表によって進めるので,授業時間外に発表準備が必要です。
また,健康教育の実施に際しては,授業時間外に学内または学外での実施を考えています。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 評価基準1および2を満たすことが70%,発表内容が30%の配分とします。 <評価基準> 1. 各自の発表と心の健康教育立案・実施を全て行なうこと 2. 授業中のディスカッションで発言すること |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
社会情勢に鑑み、遠隔授業が求められる場合は遠隔授業を実施します。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
臨床心理士・公認心理師として、病院、クリニック、就労支援施設、大学附属相談室等で臨床業務に携わってきました。現在も医療領域で臨床業務を行っています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
担当教員が実際の臨床現場で実施した心の健康教育の経験を適宜紹介します。
テキスト・参考文献等
<テキスト>
久田 満・飯田敏晴(編著)「心の健康と教育(シリーズ:心理専門職のためのコミュニティ心理学1)」金子書房, 2021年
一般社団法人 日本健康教育学会 (著)『健康行動理論による研究と実践』医学書院, 2019年
その他特記事項
授業の進行は,受講人数によって変更する可能性があります。
授業の各回には,受講生によるディスカッションが含まれます。