シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特殊研究2(商法) | 2024 | 後期 | 木3 | 法学研究科博士課程後期課程 | 尾関 幸美 | オゼキ ユキミ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-OL6-105L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
指定する論文・テキストを、所定の順序に沿って輪読する。報告者は、対象論文を要約するだけではなく、そこで扱われているテーマについての学説・判例の状況を(引用された文献などを参考に)調べて、自分なりの考察をまとめて報告してもらう。
科目目的
コーポレートガバナンス改革の実効性を高めるためには、投資家と企業の対話の質の向上が必要であるほか、議決権行使助言会社や年金運用コンサルタントなどによる機関投資家への助言やサポートがインベストメント・チェーン全体の機能向上に資するものとなるよう促すことが重要であるとされ、スチュワードシップ・コードの更なる改訂なされた。この講義では、スチュワードシップコードの改訂内容とその前提となるアメリカの金融機関におけるフィデューシャリー法について、学界・実務界における議論を整理・検討し、日本法への示唆を得ることを目的とする。
到達目標
会社法分野について、学界・実務界で行われている最新の議論を整理・検討することで、基礎的な知識がどのように現代的な問題に応用されているのかを把握し、履修者の調査・研究の参考としてもらう。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス
第2回 「スチュワードシップ・コード再改訂版とガバナンスをめぐる昨今のグローバルな動向」
第3回 第1章 フィデューシャリー・デューティーから見る米国金融機関の歴史
第4回 第2章 フィデューシャリー・デューティー、利益相反に係る米国金融機関を取り巻く環境
第5回 第3章 米国金融機関に対する司法判断
第6回 第4章 信託兼営銀行の利益相反管理の考え方
第7回 第5章 法人における事実認識の有無に関する法的判断の構造
第8回 第6章 米国における投資商品の販売とフィデューシャリー・デューティー
第10回 第7章 試算雲業者のフィデューシャリー・デューティーとスチュワードシップ責任
第11回 AFTRA Retirement Fund v. JPMorgan Chase Bank 806 F. Supp. 2d 662(S.D.N.Y 2011).
第12回 RBC Capital Markets, LLC. v. Jervis 129 A. 3d 816 (Del. 2015).
第13回 Braden v. Wal-Mart Stores, Inc. 588 F. 3d 585(8th Cir.2009).
第14回 総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 100 | レジュメ・報告の内容(70%)、授業への取組み態度(30%) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
田中亘「日本版スチュワードシップ・コードの改訂」資料版商事法務398号6-12頁(2017年)
神作裕之「スチュワードシップ・コード再改訂版とガバナンスをめぐる昨今のグローバルな動向 (第六〇回東京大学比較法政シンポジウム 上場会社を取り巻くガバナンス法制等の最新動向と先端実務 : 日本企業の国際競争力強化に向けて)」商事法務2232号5-17頁(2020年)
神作裕之編『フィデューシャリー・デューティーと利益相反』(2019年、岩波書店)ISBN978-4-00-061350-7
<参考文献>
神作裕之「日本版スチュワードシップ・コードの規範性について」黒沼悦郎・藤田友敬編『企業法の進路』1005-1044頁(2017年、有斐閣)
金融商品取引法研究会編「スチュワードシップコードの目的とその多様性」(金融商品取引法研究会研究記録〈第72号〉)(日本証券経済研究所、2020年)