シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊研究1(法史学) | 2024 | 前期 | 水5 | 法学研究科博士課程後期課程 | 山口 亮介 | ヤマグチ リョウスケ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JG-OL6-104L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
東洋・西洋を問わず様々な法と制度の影響を受けて形成されてきた日本の法を考える上で、その歴史的前提に遡って検討を加えることは、現代法をより深く理解するうえで有益な営為であると考えられます。
本科目は、近代日本法の前提を支える裁判権や司法権の特質について、様々な法源や法概念のあり方を中心として学んでいきます。学習にあたっては、指定のテキストを出発点としつつも、西欧法制や明治期以降の日本の法や権利をめぐる諸問題との積極的な比較を行っていく予定です。
科目目的
本科目では、日本にとどまらず国内外の様々な法制度や法概念を歴史的な観点から比較・分析・評価する知的態度を涵養することを目的とします。
到達目標
1.法史学(法制史)の学習を通じて「法」というものが国家や社会において持つ意味とその多様性を認識・理解することができる。
2.各時代における「法」のあり方やその歴史的展開についての検討を通じ、そこに現代の日本法とどのような接続あるいは断絶が存在するかを学び取り、その知見を現代法諸科目の学習に活かすことができる。
授業計画と内容
第1回:ガイダンス
演習の概要や進行等についての解説を行ったうえで、参加者の報告分担の割り振りなどを行います。
第2回:明治太政官期法令の概念
テキスト第1章前半を基に、明治初年の法令のあり方について総論的な把握を行います。
第3回:明治太政官期法令の形式化
テキスト第1章後半を基に、太政官の法令の区分や効力等について検討します。
第4回:訓令を仰ぐ大審院
テキスト第2章前半を基に、大審院の活動一般に対する司法省の影響について検討します。
第5回:大審院判決の形成と司法省
テキスト第2章後半を基に、判決形成の場面における司法省の関与について検討します。
第6回:司法官の近代法適用と訓令
テキスト第3章前半を基に、明治15年前後の訓令システムについて概観します。
第7回:法例をめぐる疑義内容への対応
テキスト第3章後半を基に、法例適用場面における法改正と実務上の対応について検討します。
第8回:「不応為」条と近代法
テキスト第4章前半を基に、明治初年の罪刑法定をめぐる「不応為」条について概観します。
第9回:「不応為」条の廃止をめぐる諸問題
テキスト第4章後半を基に、「不応為」条の廃止をめぐる近代法の適用のあり方について検討を行います。
第10回:擬律をめぐる諸問題
テキスト第5章前半を基に、明治初年の法適用の手続上の問題について概観します。
第11回:刑事法の適用をめぐる旧刑法前後の諸問題
テキスト第5章前半を基に、明治13年刑法制定前後の法適用の変化をめぐる諸問題について検討します。
第12回:判決文の近代化
テキスト第6章を基に、裁判制度整備の過程で判決文の形式が前近代の形式とどのように変化したのかについて検討します。
第13回:「学識」判事の登場をめぐる状況
テキスト第7章を基に、近代法整備と並行して行われた法学教育・法曹養成を通じた司法官の任用のあり方について概観します。
第14回:演習全体の総括討論
演習全体を通じ、前近代と近代を通じた日本法あり方について討論を行います。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 以下の諸点を総合的に判断し、評価を行います(括弧内は評価の割合)。 1.議論への参加状況(50%) 2.報告の内容や形式(50%) |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト(教科書)
岩谷十郎『明治日本の法解釈と法律家』(慶應義塾大学出版会・2012)
このほか、進度に応じて適宜指定します。
参考書
浅古弘ほか編『日本法制史』(青林書院・2010年)
水林彪ほか編『法社会史』(山川出版社・2001年)
川口由彦『日本近代法制史[第2版]』(新世社・2014年)
高谷知佳・小石川裕介編著『日本法史から何がみえるか』(有斐閣・2018年)
出口雄一ほか編『概説 日本法制史〈第2版〉』(弘文堂・2023年)
伊藤孝夫『日本近代法史講義』(有斐閣・2023年)
※このほか、講義中に適宜紹介を行います。