シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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乳幼児心理学 | 2025 | 後期 | 月5 | 文学部 | 野澤 光 | ノザワ ヒカル | 3・4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-DP3-P615
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この講義では、乳幼児期の子どもの発達を、知覚・認知を中心に概観します。乳幼児がどのように知覚認知能力と社会性を身につけるのか、またそれをどのような研究手法で明らかにするのか、最新の知見と実験手法を交えて解説します。子どもの初期発達に関する基礎知識を養うことが学習目標です。
科目目的
本講義を通して、子どもの初期発達に関する科学的知識を身につけること。
到達目標
赤ちゃんがさまざまな経験を通して知覚、認知、社会性を発達させていく過程を理解し、授業で学んだ研究例を挙げて、自分の言葉で説明できるようになることを目標とする。
授業計画と内容
第1回: ガイダンス 子どもを対象にした心理学のはじまり
第2回: 乳児の知覚世界を探る方法
・選好注視法 ・馴化 - 脱馴化法 ・脳活動計測
第3回: 乳児の視力の発達
・縞視力、コントラスト感度の発達 ・網膜、シナプス、ニューロンの発達
・視覚発達のモデル -抑制系の発達-
第4回: 色の知覚
・色を見る仕組み 網膜と脳 ・色の知覚の発達 ・色の恒常性
・色カテゴリーの獲得と言語
第5回: 動きの知覚
・方向性をもった運動、拡大・縮小運動の知覚 ・形の知覚 -動きの中で形が見える-
・動きから構造を知覚する
第6回: 空間の知覚と運動発達
・空間知覚の生得性 -視覚的断崖の実験- ・両眼立体視の成立、奥行き知覚の発達
・リーチング、ハイハイ、つかまり立ち、歩行の開始
第7回: 顔認知の発達
・生後0ヶ月 ~ 8ヶ月までの顔認知の発達 ・顔認知を支える脳機能の発達 ・表情の好みと区別
第8回: 音と声の知覚の発達
・聴覚の発達 ・母語の聴き取り、単語の切り出しの発達 ・語りかけの重要性
第9回: 言語獲得
・語彙の爆発 ・語彙獲得のパラドクス ・制約と社会的手がかり ・カテゴリー化
第10回: 社会性の発達①:視線と共同注視
・乳児の視線への感受性 ・共同注視 -二項関係から三項関係へ- ・「心の理論」の発達
第11回: 社会性の発達②:非認知スキル
・非認知能力とは何か ・社会性を支える実行機能と抑制機能
・実行機能の発達とその脳内基盤
第12回: 音楽認知の発達
・胎児から聴こえる音 ・音高、和音の知覚の発達 ・自発的なリズム同期とその脳内基盤
第13回: 発達と障害:自閉症
・自閉症と「心の理論」 ・他者の心を理解するのは、理論か、共感か?
・発達障害を正しく理解する
第14回: 総括
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 期末試験を課す。 |
平常点 | 40 | 出席点と授業内課題により評価する。授業内課題は期限内に提出した場合のみ採点する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業資料はオンデマンド形式で公開する。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
乳児の発達に関する研究に従事している教員が授業を行う。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
本授業では乳児の発達研究から得られた知見を扱う。必要に応じて最新の研究結果も紹介する。
テキスト・参考文献等
自学用に下記の参考図書をすすめる。
山口真美・金沢創:『乳幼児心理学〔改訂版〕』放送大学教育振興会 (2012).
山口真美・金沢創:『赤ちゃんの視覚と心の発達 補訂版』東京大学出版会 (2019).