シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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中古文学特殊研究B | 2024 | 後期 | 金5 | 文学研究科博士課程後期課程 | 中川 照将 | ナカガワ テルマサ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-JL6-104L
履修条件・関連科目等
平安文学・物語文学を専攻する人を対象としますが、研究上の必要がある場合は履修も可能です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
『源氏物語』の注釈書・梗概書・絵画資料などの享受資料を対象にして、鎌倉時代~江戸時代における『源氏』享受の実態について考えます。当時の『源氏』の享受者たちは、どのような『源氏』本文・参考書を見ながら『源氏』を学んだのか。彼らの『源氏』の解釈にどういった違いが認められるのか。そして、それらの解釈の違いは、現代の『源氏』享受にどういった影響を与えているのか。これらの問題について、各資料を調査し、そこから得られる情報を整理した上で、受講者全員で検討を加えていきます。
担当者ごとに検討する範囲を決め、順次発表・討議といった形で進めていきます。
科目目的
修士課程までの学びで得た日本文学史の専門的な知識と古文の実践的な読解力を活用しながら、平安~江戸時代に作られた『源氏物語』注釈書の成り立ちと、それらの歴史的位置づけについて考えます。その中で古典文学研究のテーマの1つである「享受史」を分析するための専門的な方法を身に付けるのはもちろんのこと、現代の研究成果だけでなく、それ以前の長きにわたる膨大かつ重要な研究成果に対しての知識を深め、自らの研究に活かすことができる汎用性のある能力を身につけることが、この科目の目的です。
到達目標
(1) 新編全集や新大系などの現代の『源氏物語』注釈書の本文と脚注を比較し、問題点を指摘することができるようになること。
(2) 『源氏物語』享受史について、その概要を系統的に説明することができるようになること。
(4) 調査した内容を、自分の専門分野の観点から整理し、独自の解釈をすることができるようになること。
(5) 他の発表の問題点を見つけ、発展的な討議をすることができるようになること。
授業計画と内容
1 発表と討議① ― 『弄花抄』を通して『源氏物語』を読む
2 発表と討議② ― 『細流抄』を通して『源氏物語』を読む
3 発表と討議③ ― 『休聞抄』を通して『源氏物語』を読む
4 発表と討議④ ― 『林逸抄』を通して『源氏物語』を読む
5 発表と討議⑤ ― 『孟津抄』を通して『源氏物語』を読む
6 発表と討議⑥ ― 『萬水一露』を通して『源氏物語』を読む
7 発表と討議⑦ ― 『岷江入楚』を通して『源氏物語』を読む
8 発表と討議⑧ ― 『湖月抄』を通して『源氏物語』を読む
9 発表と討議⑨ ― 『源氏物語玉の小櫛』を通して『源氏物語』を読む
10 発表と討議⑩ ― 平安散文・韻文に見える『源氏物語』享受の実態について
11 発表と討議⑪ ― 鎌倉散文・韻文に見える『源氏物語』享受の実態について
12 発表と討議⑫ ― 室町散文・韻文に見える『源氏物語』享受の実態について
13 発表と討議⑬ ― 江戸散文・韻文に見える『源氏物語』享受の実態について
14 まとめ ― 各回の発表と討議の結果についての講評
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
manabaにアップされている資料を、事前に各自ダウンロードして内容を熟読しておいてください。また、発表資料・発表内容に関する疑問点等に関してもmanaba上で回収します。各自でそれらをダウンロードし、内容を把握した上で討議します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 20 | 討議への参加状況(事前学習を含む) |
その他 | 80 | 発表 |
成績評価の方法・基準(備考)
発表の評価【80%】の内訳は、以下の通りです。
(1) くずし字(変体仮名)を正確に解読できているか。【10%】
(2)本作品の本文を正確に読み解くことができているか。【10%】
(3) 『源氏物語』享受史の概要を把握できているか。【20%】
(4)独自の見解を持ち、その内容を的確に言語化することができているか。【20%】
(5)発表資料の美しさ・発表の明快さ【20%】
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
演習資料はmanabaにアップします。各自でダウンロードしてください。参考文献は、以下の通りです。
▼池田亀鑑編『源氏物語事典』(東京堂出版,初版1960年,合本版1987年)
▼伊井春樹編『源氏物語注釈書・享受史事典』(東京堂出版,2001年)
▼源氏物語古注集成(おうふう)
▼源氏物語古註釈叢刊(武蔵野書院)
その他特記事項
中古文学特殊研究Aと合わせて受講することが望ましいです。