シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
西洋古代中世哲学特殊研究A | 2024 | 前期 | 木2 | 文学研究科博士課程後期課程 | 出村 和彦 | デムラ カズヒコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-WP6-101L
履修条件・関連科目等
博士前期課程において教父学の講義を受講済みであること。したがって、当然、古典ギリシア語とラテン語を修得済であること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ポワティエのヒラリウスは、315年頃にガリアのポワティエのキリスト教徒の富裕な家に生まれ、350年同地で司祭に叙階されて後、さらに司教として、聖書注解を著し、356年アリウス派の影響下のベジエの教会会議で、小アジア(フリギア)に追放され、同地から東方の諸々の教会会議に出席し、同時代のキリスト教教義論争の実情を見聞して、『教会会議についてde synodis』を著す。西方に帰任後も故郷やミラノで西方での正統キリスト教確立のために奮闘した。367年頃帰天したといわれる。主著『三位一体論de Trinitate』は西方で最初に組織的な三位一体教義書である。同署は、追放前に書かれた(とされる)第1巻から第3巻と東方での論争を反映した第4巻から第12巻から成る。この講義では同書の第1巻をを始めからラテン語で原典講読していく。
科目目的
ポワティエのヒラリウス『三位一体論』第1巻原典をラテン語で訳読しながら、その都度、ヒラリウスが依拠した重要な聖書箇所、同時代やアウグスティヌスなどその後の時代の主要な教父文献も参照しながら、ラテン教父における三一神論の出発点的な理解を得ることを目指す。
到達目標
ラテン語や古代ギリシア語で書かれた古典文献を、辞書や文法書、近代語訳などを補助として、まがりなりにも独力で訳読できるようになること。
授業計画と内容
古典語の原典訳読が中心となる授業なので、授業計画は、読解対象となるテクストの箇所を示すことによって、毎回の講読範囲を表示する以外にはあり得ません。ただし、訳読の進み具合によって計画通り進まないことは、当然ありえます。
第1回:イントロダクション
第2回:第1〜3章
第3回:第4〜6章
第4回:第7〜9章
第5回:第10章〜12章
第6回:第13〜15章
第7回:第16〜18章
第8回:第19〜21章
第9回:第22〜24章
第10回:第25〜27章
第11回:第28〜30章
第12回:第31〜33章
第13回:第34〜38章
第14回:前期の総まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講読予定のテキスト箇所については、必ず予習し、自分の訳文をノートに書き留めておき、不明点は質問できるよう準備しておく。演習後の復習は言うまでもないが、指示された参考文献などにもしっかり目を通しておくことが望ましい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
平常点 | 100 | 毎回の訳読の技量(50%)およびその都度の研究成果(50%)を総合し評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは、批判校訂版であるSancti Hilarii Pictaviensis Episcopi De Trinitate, CCSL LXII, 1979(=Sources Chretiennes 443所収)を使用(ただし、PDFファイルを配信するので購入するには及びません)。他の参考文献は随時授業中に指示します。