シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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西洋近代哲学特殊研究B | 2024 | 後期 | 金1 | 文学研究科博士課程後期課程 | 寺本 剛 | テラモト ツヨシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LG-WP6-106L
履修条件・関連科目等
ドイツ語の基本的文法をマスターしておくことが必要です。
授業で使用する言語
日本語/ドイツ語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業ではジョスラン・ブノワのVon der Phänomenologie zum Realismus: Die Grenzen des Sinnsを初めから読解していきます。受講者はそれぞれテキストの特定部分をあらかじめ担当しておき、その部分の読解をおこないます。そして、その読解にかんしてそれが適切であるか、その正確な意味はなにかをみんなで討論しあいます。
科目目的
思弁的実在論をはじめとして、現在の実在論的傾向は「すべてを意味に還元する」現象学的な見方に対して批判的です。この流れは現象学を出自とするジョスラン・ブノワの近著Von der Phänomenologie zum Realismus : die Grenzen des Sinnsにも現れています。ただし、ブノアの現象学批判は古典的な現象学の枠組みを十分に踏まえてなされており、一読に値する内容や視点を持っています。本書を読むことで、現象学の基本的な考え方やそれがどのように理解されてきたのかを学ぶとともに、哲学で長らく議論されてきた実在や現実の問題についてより専門的な見地から考え、論じる能力を養います。
到達目標
ドイツ語の哲学的テクストは、もともと抽象度の高いドイツ語の表現力を発揮して書かれたものが多く、翻訳によってはなかなか掴めない部分も多々現れます。そこで本講では、哲学のドイツ語の習熟に資することを基本的な目的とします。テクストの読解を通じて、哲学的思考を自ら展開する能力を身に着けることを目指します。その上で、専門的な文献について批判的に分析する能力と、自らの立場や考え方を適切な言葉で表現する能力を養うことが目標となります。
授業計画と内容
1. ブノアの議論の基本的性格の確認
2. Der Streit um den Sinn des Wirklichen (Metaphysik)の読解
3. Der Streit um den Sinn des Wirklichen (Metaphysik)の批判的検討
4. Aus den Augen, aus dem Sinn: ein deutsches Requiemの読解
5. Aus den Augen, aus dem Sinn: ein deutsches Requiemの批判的検討
6. Zur Vieldeutigkeit des Sinnesの読解
7. Zur Vieldeutigkeit des Sinnesの批判的検討
8. Nachklang: Der Klang der Wirklichkeitの読解
9. Nachklang: Der Klang der Wirklichkeitの批判的検討
10. Nachwort von Markus Gabrielの読解
11. Nachwort von Markus Gabrielの批判的検討
12. 実在性についてのプレゼンテーション
13. 現実性についてのプレゼンテーション
14. 本書全体についての総合討論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
一文ずつ訳読を進めます。次の回には、担当を決め、前回分の要約をしてもらうことになります。当然ながら、参加者全員がテクストを事前に語学的・内容的に検討する丁寧な下調べが不可欠です。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | そのつどおこなわれる読解の的確性(60%)、テキスト読解のための下準備の十分さ(20%)、討論参加の積極性(20%)にもとづいて成績を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト:Von der Phänomenologie zum Realismus: Die Grenzen des Sinns, Mohr Siebeck, 2022.
参考書については授業内でそのつど紹介する。
その他特記事項
受講性の関心に即して、研究や論文作成のサポートを積極的に行います。理論的な問題から応用的な問題まで、幅広く対応できると思いますので、気軽にご相談ください。