シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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イスラーム経済・経営論 | 2024 | 後期 | 水3 | 総合政策研究科博士課程前期課程 | 櫻井 秀子 | サクライ ヒデコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PG-EG5-202L
履修条件・関連科目等
特になし。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
イスラーム経済の市場は、最近20年間においてめざましく成長・拡大し、その市場規模の大きさと将来性に照らして、この経済システムについて理解し、それに適した企業経営やビジネスを展開することは、きわめて重要である。イスラーム経済市場は、東南アジア諸国、湾岸諸国を軸として発展しており、日本や韓国、中国にとっても重要な市場となっている。そこで理解しなければならないのは、シャリーアといわれるイスラーム法であり、イスラーム経営におけるコンプライアンスは、このシャリーアの遵守(シャリーア・コンプライアンス)を指すことから、シャリーアに関する理解は不可欠である。
したがって本講義では、イスラーム投資市場やハラール市場、ヒジャーブ市場からなるイスラーム市場の現状の把握、シャリーア・コンプライアンスの基本、イスラーム経済の史的展開、ビジネスと喜捨・寄進との関係を明らかにしながら、その独自性について明らかにする。
科目目的
本講義は新興のイスラーム市場の現状と将来性、シャリーア・コンプライアンスの基本を理解し、イスラーム経済市場への参入の要件を明らかにすることを目的とする。異文化経営の観点はもちろんのこと、近代経営とは異なるが成長著しい新興市場について理解を深め、実学的知識を得ることを到達目標とする。
到達目標
まず、近代経済の論理とシステムとは異なるイスラーム経済の論理とシステムの具体的構成を学び、それが有する経済合理性と社会合理性の関係を理解する。最終的には、現在のグローバル経済システムとその限界を客観的に理解し、オルタナティブについて考察できる知識と分析力を習得する。
授業計画と内容
(1)オリエンテーション-イスラーム経済・経営を学ぶ意義
(2)イスラーム経済市場の現状(投資、ハラール、ヒジャーブ)
(3)イスラーム経済市場の拡大と成長(湾岸諸国、トルコ、インドネシア、マレーシアなど)
(4)イスラーム経営倫理
(5)イスラームにおける所有権
(6)シャリーア・コンプライアンス① 財の獲得の方法
(7)シャリーア・コンプライアンス② 財の増殖の方法
(8)シャリーア・コンプライアンス③ 財の使用・処分の方法
(9)シャリーア・コンプライアンス④ イスラームの契約形態
(10)シャリーア・コンプライアンス⑸ 法人格
(11)イスラーム諸国の営利・非営利のハイブリッド経営
(12)イスラーム経済・経営の経済合理性と社会合理性
(13)イスラーム経済・経営がもたらすイノベーション
(14)総括とレポートのテーマに関する討議
各回ともに近代経済・経営とイスラーム経済・経営の比較を行いながらディスカッションを行う。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 出題されたレポート課題について論述する。レポートにおいては、講義の内容の理解度、テーマの展開力、論述力、参考文献の充実度を評価する。 |
平常点 | 50 | 指示された参考文献のレジュメの提出とその内容、プレゼンテーション力、ディスカッション力を評価の対象とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
櫻井秀子『イスラーム金融:贈与と交換、その共存のシステムを解く』新評論、2008年。
【参考図書】
Çizakça, Murat(2014) Islam and the Challenges of Western Capitalism. Edward Elgar.
ムハンマド・バーキルッ=サドル (1993)『イスラーム経済論』未知谷。
同 (1994)『無利子銀行論』未知谷。
他、適宜、参考のテキストを配布する