シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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NPO・NGO論Ⅰ | 2024 | 後期 | 金6 | 総合政策研究科博士課程前期課程 | 目加田 説子 | メカタ モトコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PG-ID5-301L
履修条件・関連科目等
国際政治の基本的知識及び日本社会の基礎的な知識を有すること、また英語の文献を読み解く語学力が求められます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
講義では、非営利組織(NPO)や非政府組織(NGO)、市民社会組織(CSO)、市民社会、第3セクター論等の概念整理を行った上で、世界と日本を分けて論じます。世界の状況では、「市民社会」の起源から現在までを俯瞰した上で、近年顕著になってきた国境を超えたシビルソサエティの連携について具体例を用いながら論じます。
国内的には、「市民社会論」の変遷を総括した上で、特定非営利活動促進法成立の背景、認定NPO法人を巡る議論と寄付文化、公益法人改革及びNPOに齎されている変化について学びます。また、行政や企業との協働関係の課題や財源の問題について考察します。
授業は、毎回指定されたリーディングリスト(論文やエッセイ等)の熟読、担当者による発表とディスカッションを中心に進行します。また、受講生は夫々の研究テーマを決定し、中間・期末発表を行った上で期末レポートを執筆していただきます(A4で10枚程度)。
科目目的
講義では、行政や企業からは独立した存在として「第3セクター」が注目されるようになった背景を理解し、多様な主体がどのような関係性を築くことによって社会的・政治的問題解決に寄与するのか考察することを目的とします。従って、NGO/NPOを様々な社会的サービスを供給する担い手という捉え方ではなく、政策論議に関わる主体として位置付けます。また、第3セクター全体を俯瞰することを目指すことから、単体としてのNGO/NPOの組織論や経営論には踏み込みません。
到達目標
講義では、行政や企業からは独立した存在として「第3セクター」が注目されるようになった背景を理解し、多様な主体がどのような関係性を築くことによって社会的・政治的問題解決に寄与するのか考察することを目的とします。従って、NGO/NPOを様々な社会的サービスを供給する担い手という捉え方ではなく、政策論議に関わる主体として位置付けます。また、第3セクター全体を俯瞰することを目指すことから、単体としてのNGO/NPOの組織論や経営論には踏み込みません。
授業計画と内容
受講生は毎回、下記の課題テキストを熟読した上で、担当者はレジュメを準備してディスカッションをリードすることが求められます(尚、下記の課題テキストは変更する可能性がありますので留意下さい)。
第1回 ガイダンス(講義の概要説明)
第2回 広義の「市民社会論」を巡る議論
第3回 国際機関におけるシビルソサエティの制度化
第4回 国際規範形成過程における主体間の協働関係
第5回 グローバル課題への取組み:環境
第6回 グローバル課題への取組み:人道と平和問題
第7回 グローバル課題への取組み:軍縮
第8回 受講生による中間発表
第9回 日本のおける特定非営利活動促進法の成立、施行の意義
第10回 「新しい公共」の概念と公益法人改革
第11回 税制と財源
第12回 政治的活動とアドボカシー
第13回 社会起業論と倫理的投資、SRI,ESG
第14回 受講生による最終発表
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
国内外における本講義の主要議題である第3セクター論は極めて多岐に渡り豊富な論文の読み込みが必要となりますので、課題論文は必ず精読し授業に臨むことが必至となります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 学生の関心事に即したテーマによる期末レポートを提出します。 |
その他 | 50 | 授業内における発言、ディスカッションへの貢献度、出席を総合的に判断します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
必要に応じ、授業外にオフィスアワーを活用して指導します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
引続きコロナ禍の状況次第で、オンラインによる授業を実施する可能性があります。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
1997年にNGOの創設に関わって以降、現在まで副代表や理事という立場で運営に携わっている他、全国的NPOネットワークや公益法人等、複数の団体の評議委員や役員を務めています。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
NGOやNPOの運営に携わっている経験から、国内外のNPO/NGO及びネットワークの経験を学生を共有しつつ、人脈を活かして学生の調査・ヒアリング等に貢献します。
テキスト・参考文献等
参考文献は下記の他、講義時に適宜指示します。
足立研幾『国際政治と規範――国際社会の発展と兵器使用をめぐる規範の変容』有信堂光文社、2015年
五百旗頭真、入江昭、大田弘子、山本正、吉田慎一、和田純『「官」から「民」へのパワーシフト――誰のための「公益」か』TBSブリタニカ、1999年
五十嵐元道『支配する人道主義』岩波書店、2016年今田忠『概説市民社会論』関西学院大学出版会、2014年
上村雄彦編『グローバル協力論入門』法律文化社、2014年
臼井久和・馬橋憲男編『新しい国連――冷戦から21世紀へ』有信堂光文社、2004年
マイケル・エドワーズ(堀内一史訳)『「市民社会」とは何か』麗澤大学出版会、2008年
太田宏「国際関係論と環境問題――気候変動問題に焦点を当てて――」『国際政治』166号、2011年、pp. 12-25.
岡本仁宏『市民社会セクターの可能性』関西学院大学出版会、2015年
柏木宏『NPOと政治――アドボカシーと社会変革の新たな担い手のために』明石書店、2008年
坂本治也編『市民社会論』法律文化社、2017年
辻中豊・坂本治也・山本英弘編『現代日本のNPO政治』木鐸社、2012年
土山實男・渡辺昭夫編『グローバル・ガヴァナンス』東京大学出版会、2001年
長坂寿久『NGO・NPOと「企業協働力――CSR経営論の本質』明石書店、2011年
星野昭吉『世界政治と地球公共財』同文舘出版、2008年
水口剛『責任ある投資――資金の流れで未来を変える』岩波書店、2014年
水口剛『ESG投資』日本経済新聞社、2017年
目加田説子『国境を超える市民ネットワーク』東洋経済新報社、2003年
目加田説子「「オタワ・オスロ」条約形成プロセスにおける動態的相互作用の考察」『国際安全保障』第37巻、2010年3月
山内直人・田中敬文・奥山尚子編『NPO白書2013』NPO研究情報センター、2013年
Mathews, Jessica. 1997. "Power Shift," Foreign Affairs, Vol. 76 (1): 50-66.