シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊講義Ⅰ(数理政治学) | 2024 | 前期 | 木4 | 総合政策研究科博士課程前期課程 | 籠谷 公司 | カゴタニ コウジ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
PG-IF5-605L
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
数理政治学(Formal Political Theory)では、複数の主体が意思決定を行う状況を分析するための道具としてゲーム理論の基礎を学びます。ゲーム理論は政治的アクターたちの意思決定をモデル化し、演繹的に仮説を導く道具として、政治学の中で用いられてきました。トップジャーナルに掲載される論文の中でも一定数を占めるため、基本を理解していないと論文を読めないという問題に直面します。その問題を克服するために、数理政治学の授業ではゲーム理論の基礎的な考え方を学び、モデルを解けるように訓練します。
基本的には、講義形式で授業を進めていきます。
科目目的
「ゲーム」と聞くと、囲碁、将棋、チェス、オセロ、トランプ、テレビゲームなどを思い浮かべるかもしれません。しかしながら、男女の恋愛、企業の競争、政党間の駆け引き、国家間の外交交渉といった社会で起こる状況の多くも、これらのゲームと本質的に同じ構造を持っています。「ゲーム」に共通する構造とは、相手の出方を踏まえて自分にとって最適な行動は何かと考えながら、複数の主体が自身の目的を達成するために意思決定を行うことを意味します。つまり、ゲーム理論は、こうした相互に依存した意思決定を分析する数学的道具です。この授業は、ゲーム理論の基本的な考え方を学び、政治学における学術論文を理解するのに必要な数学表現を身につけることを目的とします。
到達目標
到達目標は、(1)ゲーム理論の基本的な概念を理解すること、(2)政治学における学術論文を理解するのに必要な数学表現を身につけること、(3)政治問題へ応用可能な基本的なモデルを理解することにあります。
授業計画と内容
01. イントロダクション
02. 効用理論(1)
03. 効用理論(2)
04. 展開型ゲームと戦略型ゲーム
05. 古典的ゲーム理論(1):合理化可能性
06. 古典的ゲーム理論(2):純粋戦略ナッシュ均衡
07. 古典的ゲーム理論(3):混合戦略ナッシュ均衡
08. 古典的ゲーム理論(4):モデル分析
09. 展開型ゲームの解法(1):後ろ向き推論と部分ゲーム完全均衡
10. 展開型ゲームの解法(2):モデル分析
11. 不完備情報ゲーム(1):信念と完全ベイジアン均衡
12. 不完備情報ゲーム(1):モデル分析
13. 繰り返しゲーム
14. 授業中試験
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
ゲーム理論の作法を勉強するので、毎回の授業出席は必須です。積み重ねで授業が進みますので、いったん遅れると取り返しがつきません。授業前に、教科書の該当箇所を読んで新しい概念を学習してください。授業後に、宿題をやることによって新しい概念を理解してください。分からないときは、その都度に質問してください。最後に、数学の能力には個人差がありますので、必要に応じて自身で学習することにしてください。高校までの数学が理解できれば、不自由しないと思います。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 期末試験を行い、実際にモデルを解けているかどうかで成績を判断します。 |
その他 | 50 | 授業後に出された課題の出来具合で判断します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書:ジェームズ・モロー. 2016.『政治学のためのゲーム理論』勁草書房.
参考書:ロバート・ギボンズ. 1995.『経済学のためのゲーム理論入門』創文社.