シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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特殊研究Ⅰ(比較憲法研究) | 2024 | 通年 | 金4 | 総合政策研究科博士課程後期課程 | 宮下 紘 | ミヤシタ ヒロシ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
PG-IF6-001L
履修条件・関連科目等
英文読解能力が求められます。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
特殊研究I(比較憲法研究)は、ヨーロッパの憲法の中でも個人データ保護の権利に関する判決等を対象とします。 ヨーロッパや欧州連合(EU)の個人データ保護の権利は、人間の尊厳の思想に根付いた基本権として発展してきたと考えられます。2018年5月25日には、EU一般データ保護規則が適用開始となりました。本講義では、EUにおける個人データ保護法制を中心に研究を行い、ヨーロッパの個人データ保護に関する人権思想を明らかにしていきます。
科目目的
本講義では、EU基本権憲章における個人データ保護の権利とEU一般データ保護規則、また関連する二次法に関連するEU司法裁判所の判決や意見について読解を行い、体系的にEU個人データ保護法制について理解を深めることを狙いとしています。
特殊研究II(比較憲法研究)のアメリカ法との比較研究を行うことで効果的に研究することができます。
到達目標
本講義では、EU基本権憲章における個人データ保護の権利とEU一般データ保護規則、また関連する二次法に関連するEU司法裁判所の判決や意見について読解を行い、体系的にEU個人データ保護法制について理解を深めることを狙いとしています。
特殊研究II(比較憲法研究)のアメリカ法との比較研究を行うことで効果的に研究することができます。
授業計画と内容
第1回 イントロダクション(講義の目的について解説)
第2回 EU基本権憲章について(Manuel Kellerbauer, Marcus Klamert, and Jonathan Tomkin, The EU Treaties and the Charter of Fundamental Rights: A Commentary (2019)及びGloria González Fuster, Rosamunde Van Brakel and Paul De Hert, Research Handbook on Privacy and Data Protection Law: Values, Norms and Global Politics (2022)から抜粋)
第3回 EU一般データ保護規則の基本理念(逐条解説書としてChristopher Kuner, Lee A. Bygrave, and Christopher Docksey, Commentary on the EU General Data Protection Regulation (2019)およびIndra Spiecker gen. Döhmann, Vagelis Papakonstantinou, Gerrit Hornung, Paul De Hert, General Data Protection Regulation (2023)から抜粋)
第4回 保護の範囲:逐条解説
第5回 保護の範囲(C-582/14, Breyer, C‑212/13, Ryneš, C‑434/16, Nowak等)
第6回 基本原則・特別類型・未成年者の保護:逐条解説
第7回 基本原則・特別類型・未成年者の保護(Case C-175/20, Valsts ieņēmumu dienests, T-320/02 - Esch-Leonhardt, C-184/20, Vyriausioji tarnybinės etikos komisija等)
第8回 データ主体の権利①:逐条解説
第9回 データ主体の権利①(C‑131/12, Google Spain, C-507/17, Google France, C‑460/20, TU, RE v Google等)
第10回 データ主体の権利②:逐条解説
第11回 データ主体の権利②(C-40/17, Fashion ID/C-673/17, Planet49/ C-61/19, Orange Romania SA, C-634/21, SCHUFA Holding等)
第12回 管理者等の義務:逐条解説
第13回 管理者等の義務①(C-210/16, Wirtschaftsakademie Schleswig-Holstein等)
第14回 管理者等の義務②:逐条解説
第15回 管理者等の義務②(Joined cases C-468/10 and C-469/10, Asociación Nacional de Establecimientos Financieros de Crédito (ASNEF), C-534/20, Leistritz等)
第16回 データ移転①:逐条解説
第17回 データ移転①(C-362/14, Schrems I, C‑311/18, Schrems II等)
第18回 データ移転②:逐条解説
第19回 データ移転②(Opinion 1/15,EU-Canada PNR, C-817/19, Ligue des droits humains, joined cases C-37/20 & C-601/20, Luxembourg Business Registers等)
第20回 監督機関の独立性と権限・救済:逐条解説
第21回 監督機関の独立性と権限・救済(C-518/07, Commission v. Germany, C-614/10, Commission v. Austria, C-645/19 - Facebook Ireland and Others, C‑319/20, Meta Platforms等)
第22回 AI規則案:逐条解説 (Nikos Th. Nikolinakos, EU Policy and Legal Framework for Artificial Intelligence, Robotics and Related Technologies - The AI Act (2023)から抜粋)
第23回 AI規則案について(C-623/17 Privacy International, Case C-746/18
H. K. v Prokuratuur等)
第24回 刑事司法データ保護指令:逐条解説
第25回 刑事司法データ保護司令について(joined cases C-293/12 and C-594/12, the Digital Rights Ireland/ joined cases C-203/15 and C-698/15, Tele2 Sverige, C-658/19 - Commission v Spain等)
第26回 最新判例検討①(C-203/22, Dun & Bradstreet Austria, C-621/22, Koninklijke Nederlandse Lawn Tennisbond, C-634/21, SCHUFA Holding and Others等)
第27回 最新判例検討②(C-154/21, RW v Österreichische Post AG, C-280/22, Kinderrechtencoalitie Vlaanderen and Liga voor Mensenrechten, C-687/21, Saturn Electro等)
第28回 まとめ
受講者の興味に応じて、関心のあるテーマを選択してある程度集中的に検討することも可能です。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎週、講義の教材となるケースを読解して、疑問点を持ち寄るようにしてください。報告者は、対象の判決・意見と関連する文献・論文のレジュメを作成の上、報告の準備を行なってください。毎週講義の後には、対象の判決等を自分なりの言葉でまとめることができるように読み返してください。
学期中に海外からの専門家による講義を実施する場合があります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 判決・意見等の読解能力、関連する文献等の調査能力、論点の整理能力をもとに毎週の対象判決・意見等のプレゼンテーション(80%)および質疑応答(20%)に基づき総合的に評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
内閣府において個人情報保護の施策を担当していました。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
情報に関連する諸政策の動向について紹介し,各学生において検討していただきます。
テキスト・参考文献等
講義計画で示した判決、意見、文献のほか、関連する論文等を適宜紹介します。