シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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【通教 通信授業】租税法 | 2024 | その他 | ー | 通信教育課程 | 澁谷 雅弘 | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JD-PU3-214L
履修条件・関連科目等
履修条件:通信教育課程の学生対象
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本国憲法は、国民に納税の義務があることを宣言する(同 30 条)と共に、そのような租税の負担は、あくまでも法律という手段によって、国民が同意をする必要があることを明確に述べています(同 84 条)。それでは、現在のわが国の法体系の下で、国民は国家に対してどのような同意を与えているのでしょうか。国民にとってはきわめて身近な存在でありながら、その内容についてはそれほど知らないままに過ぎてしまっている、というのが、多くの人にとっては現実の姿なのかもしれません。この授業では、実際の租税法規定の検討を通じて、租税負担について国民が与えた同意=租税法の具体的内容についての検討をし、考えていきます。いずれにしても、私たちが国民として税を負担する以上、そのような税が課される理由や必要性とともに、どんな約束(=法律の規定)の下で、私たちは租税を負担することになっているのかを知り、十分理解しておく必要があるのではないでしょうか。租税法では、租税法の基本原理や租税法の解釈適用原理などの基本的考察と併せて、所得税法・法人税法・相続税法・消費税法などの課税要件法(租税実体法)や、租税の徴収や課税をめぐる租税手続法や租税争訟法など、広い分野の問題をフォローしておく必要があります。また、租税法の研究・考察対象は、民法や会社法、行政法など市民生活に密着した法律関係科目だけでなく、財政学や会計学などの経済科目にも及びます。履修者諸君には、それらの科目に対しての幅広い関心・興味を持つと共に、この授業を通じて、広い視野を養って欲しいと思います。
租税法規は毎年改正されます。また、その時々の経済情勢や政治的状況に合わせて、租税に関する政策的な提言や制度改革が常に試みられています。その上、近時における租税法判決の展開は目覚ましい状況にあります。租税立法の動向や新しく出される判決については、常に注意を払う必要が生じますし、それだけ租税法は知識更新の努力が要求される分野であるといえましょう。
科目目的
授業の目的は、単に租税法に関する知識を増やすことや、税額の計算方法を身に着けることだけではなく、租税法への理解を深め、租税法上どのような問題が生じているのかを発見し、その対応策を考える機会を提供することにあります。
到達目標
①租税法の基本原則を理解し、それを個別の問題に応用する能力を身につけること、②法的な視点から税制を考える能力を身につけること、③今日の税法上の課題について、理論的、批判的に考える能力を身につけることを到達目標としています。
授業計画と内容
1 租税法の基本原則
2 租税法の効力
3 租税法の解釈と適用
4 租税手続法概説
5 所得税法の基礎
6 所得税の課税要件
7 所得金額の計算
8 各種の所得控除の制度と問題
9 所得税の税額の計算
10 所得税の申告・納付
11 消費税の概要
12 法人税の概要
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
予習や復習の便宜のため、教科書としては取りあえず『よくわかる税法入門』を指定します。この本では、身近な問題を取り上げて、それにどう対処したらいいのかを中心に、租税と租税法をめぐる問題を考察・解説しており、とても楽しい租税法への手引書となっています。まずは租税法では、どんな問題が生じているのかを気楽に学習してください。ただし、この本は、通常の租税法教科書とはスタイルや形式が違っていますので、租税法での議論の内容をもっとよく知り、学問的な知識を得ることに重点を置きたいならば、他に金子宏『租税法』(弘文堂)や谷口勢津夫『税法基本講義』(弘文堂)をはじめとする多くの一般的教科書を、併せて読まれることをお薦めします。実際の授業は、必ずしもこの本の内容にこだわらず、「分かりやすい租税法」、「皆さん自身で考える租税法」をモットーに実施していく予定です。面接授業への出席に際しては、必ず、主要租税法規定の掲載されている六法書あるいは中里他編租税法判例六法(有斐閣)を準備・携行するか、インターネットなどで租税法関連法規を適宜参照しうる環境を整えた上で、出席をしてください。日頃の予習・復習に際しても、常に租税法令の条文を参照しながら勉強を進めることを推奨いたします。
また、レポート課題は、個々の問題に対する答えや、税額の計算方法を知っているかどうかではなく、事例の中にある法的問題を発見し、その問題に取り組む際の基本的な考え方が身についているかどうかを判定するためのものです。そのため、結論そのものよりも、そこに至る理由付けがしっかりしているかどうかの方が重要です。結論だけを早急に求めるのではなく、租税法についての考え方が身につくように、時間をかけてじっくりと取り組んで下さい。また、レポート作成の際には、次のような点に注意して下さい。
・まず論点についてどのような結論がありうるかを考えてみて、次にそれらの選択肢の中でどれが最も妥当であるかを考える。
・事例から直ちに結論を導こうとするのでなく、まずその論点に取り組む際の考え方や判断基準を示した上で、そこに事例を当てはめて結論を導いてみる。
・複雑な事例に取り組む際には、まず事例を単純化して考え、それを元に、事実を加えて複雑にしていくとどうなるかを考えてみる。
・盗用・剽窃のあるレポートは不合格になります。他人の文章を引用するときは、必ず出典表示を適切に行って下さい。
また、レポートや答案の作成に関しては、白門850号から連載されている「道しるべ」を参照しましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 試験(科目試験またはスクーリング試験)により最終評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
通信教育課程 在学生サイト 教科書一覧を参照
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/tsukyo-current/textbook?authuser=0
その他特記事項
【通信教育課程はなし】