シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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【通教 夏期】刑事政策 | 2024 | その他 | 在学生サイトの各スクーリングのページをご確認ください。 | 通信教育課程 | 鮎田 実 | 3・4年次配当 |
科目ナンバー
JD-CR3-215L
履修条件・関連科目等
履修条件:通信教育課程の学生対象
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
スクーリングは限られた時間での講義となることから、刑事政策の検討対象全体を網羅することができない。そこで今回は、刑事政策の中でも重要な部分である「受刑者の処遇」を中心として、受講生の皆さんと刑事政策の諸問題について考えていくこととしたい。具体的には、犯罪の原因論から始めて、我が国の刑事司法手続を全体的に俯瞰し、受刑者処遇の中心となる施設内処遇と社会内処遇を概観することにする。その上で、各種犯罪を取り上げるとともに、犯罪被害者の支援について検討していく。
科目目的
「社会あるところに犯罪あり」と言われるが、現代社会において、日々メディアを通じて多種多様な犯罪を見聞きする。それを扱う学問分野が刑事法学であるが、この刑事政策は、その犯罪の原因を探求し、対策を批評したりまたは立案したりする学問である。その目的は、犯罪事象の正確な把握と犯罪者の処遇の現状を理解するところにある。
到達目標
現代社会において発生する多様な犯罪事象を的確に把握し、その原因等を考察・指摘できる能力を養うとともに、加害者・被害者に対する現行の実務・施策を理解して、多角的な視点から比較・検討することができるようになることを目標とする。
授業計画と内容
[第1日目]
① 9:00~10:40 刑事政策の基礎(刑事政策とは、統計資料と暗数など)
②10:55~12:35 犯罪原因論(素質説と環境説、生物学的・心理学的・社会学的原因論、修復的司法など)
③13:35~15:15 刑罰としての死刑(我が国の制度、アメリカにおける死刑など)
④15:30~17:10 我が国の刑事司法手続(各刑事司法機関と猶予制度)
[第2日目]
⑤ 9:00~10:40 施設内処遇(作業、改善指導、教科指導など)
⑥10:55~12:35 社会内処遇(保護観察、更生保護など)
⑦13:35~15:15 少年非行(少年非行の現状・原因、保護処分手続、少年法など)
⑧15:30~17:10 薬物犯罪(覚せい剤事犯、国際連携による薬物事犯対策、ドラッグ・コート、ハーム・リダクション、など)
[第3日目]
⑨ 9:00~10:40 精神障害者による犯罪(心神喪失者等医療観察法など)
⑩10:55~12:35 家庭内暴力(配偶者暴力を中心に)
⑪13:35~14:55 犯罪被害者の救済と支援(被害者学、犯罪被害者への給付金支給、多様な支援策など)
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
本科目を受講するためには、刑事法の科目である「刑法」「刑事訴訟法」を履修しておくことが望ましい。今回のスクーリングを開講するにあたり、受講希望者は、授業計画にある内容・項目について、犯罪白書のデータ等の記載や六法の条文を確認しつつ、教科書等を通読するという事前の学習を求めたい。とくに受刑者の処遇に関する現行制度を概観しておくと、講義の内容が分かりやすくなるはずである。それに加えて、受刑者をめぐる現行の諸制度が「社会復帰」「改善更生」を目標に実施されているので、刑罰の基本的な目的である「応報」との比較検討もしておくと良い。
また、日々のテレビや新聞等で報じられる犯罪については関心をもつことも大切である。こうした生きた教材に関心をもつことこそが、刑事政策学の実践となるからである。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | スクーリング試験または科目試験により最終評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
■スクーリングで使用する教材
レジュメを用いる予定である。併せて、裁判所・警察庁・法務省・厚生労働省などの多くの実務に関するデータ・資料を講義で共有することで、刑事政策の実態の理解を深めることができるようにしたい。
■推薦図書
藤本哲也『よくわかる刑事政策』(2011年)ミネルヴァ書房
その他特記事項
【通信教育課程はなし】