シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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【通教 通信授業】地理学 | 2024 | その他 | ー | 通信教育課程 | 山﨑 朗 | 1~4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
JD-GG1-506L
履修条件・関連科目等
履修条件:通信教育課程の学生対象
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
講義は、テキスト第1章「地域システム変動のメカニズム」から開始されます。ここでは、空間の広がりが人間の生活・経済活動にどのように作用してきたのかを空間障壁、空間克服という観点から学びます。短い章ですが、多様な内容が含まれていますので、何回も読んでみてください。とくに、イノベーションと空間との関係については、みなさんのビジネス、業務、生活とも深くかかわっていますので、深く読み込んで、自分でもイノベーションと空間について考えてみてください。
次にテキストの第2章「産業立地」を手掛かりとしながら、工業統計表をもとに、工場の地理的配置の変動について解説します。工業配置の変動については、夏期スクーリングで取り扱いますが、まずはテキストの第2章を読んでおいてください。
第3章「都市システム」では、都市の形成原理と都市の階層性、都市の世界都市化について学習します。都市の形成、都市の発展や衰退、都市間関係についてはみなさんの関心も高いと思います。地理学の分野の都市地理学においてどのような研究が行われているかを知ることができます。
第4章「人口移動と地域」、第5章「情報システムと地域システム」については、近年のテレワーク、ワーケーション、二地域居住、本社機能移転といった新しい動向と関連づけながら論じています。これらのテーマもみなさんの関心の高いテーマだと思いますので、楽しみながらテキストを読んでみてください。
地域政策の考えか方と地域政策の上位計画である国土計画については、第6章「地域政策の論理」、第7章「国土計画」で取り上げています。夏期スクーリングでも講義のテーマとします。
第14章の「地域のグローバル化」は、かつてはあまり地理学では取り上げられませんでしたが、経済活動のグローバル化の進展、インバウンドの増加、農林水産物の輸出の増加など、グローバルな観点の重要性が高まっていますので、一度テキストを読んでみてください。このテーマも夏期スクーリングで取り上げます。興味を持った方は、山﨑朗・久保隆行『東京飛ばしの地方創生』時事通信社を読んでみてください。
このテキストでの学習範囲は以上となりますが、履修者のみなさんは、テキストの他の章を自ら学習したり、テキストの参考文献、統計書を利用して、レポートを作成してください。自分で考えてみることが一番大切です。ネット上にある情報を「答え」だと思わないようにしてください。地理的状況は刻々と変化します。最新のニュースにも関心を持って、新しい地理的変動について学んでください。
科目目的
本講義で取り上げる地理学は、人文地理学、経済地理学とよばれる人文社会系の科学です。自然科学としての自然地理学ないし地球科学、地学のような理科的領域の分野は含まれていません。したがって、ここでの学習の目的は、他の社会科学・人文科学と同様、現実社会、経済活動、文化を科学的に認識し、理解することを目指しており、社会や経済を地理という観点から体系的に認識・理解する視点を確立することを目的としています。
ただし、海、川、山のような自然地理的条件は、人間活動の制約条件ですし、また、ワイン用ブドウの生産において、土壌や気候の特質がワインの個性を左右するように、自然地理的要因は、人間活動において軽視できません(重要な役割を果たします)ので、単純に人文地理と自然地理を分離することはできません。
災害危険地域からの撤退や都市のコンパクト化、農地の集約化による生産性向上など、土地利用のあり方はビジネスだけにとどまらず、生活にも関連していますし、農業の再生は、農村の再生とともに自給率の向上をもたらします。近年、国際的紛争時における食糧確保の課題が提起されるようになっており、地域における農業生産の引き上げや、安全なグローバルサプライチェーンの確保などの問題も、地理学の課題となっています。
到達目標
地理学の観点から地域、都市、立地、物流、交流、移動などを捉えることができるようになることが、本講義の到達目標です。どこに、あるいはどこからどこまで、どことどごか、といった地点、地域、地域間関係は、技術革新、経済発展、経済活動、生活、国際交流において重要な視点です。地域や空間という観点が、いかに重要であるかについて理解することは、履修者のこれからのビジネス、業務や生活において役に立ちます。
授業計画と内容
テキストの『地域政策 改訂版』は、初学者向けのテキストで読みやすくなっています。独学できるスタイルに編集されていますので、通信教育のテキストとして最適だと考えました。自然地理の領域は、網羅されていませんが、人文地理、経済地理の分野における課題や政策テーマはコンパクトにまとめられていす。
自然地理と災害との関連については、https://disaportal.gsi.go.jp/のサイトで確認してみてください。河川流域や沿岸部での水害や高潮、津波の想定被害の大きさを理解できます。
参考文献一覧や考えるヒントも載っていますので、楽しみながらテキストの自学自習をやってみてください。必ず新しい発見があると思います。
夏期スクーリングでは、主に私が執筆した章と国土計画についての領域です。工場の配置については、テキストでは取り扱っていませんが、立地論の重要テーマですので、講義では取り上げます。また、2022年に執筆した関連した評論があります。それらは講義中に配布しますのでぜみ読んでみてください。
執筆者(著者)の話を直接聞き、質問できる機会となりますので、質問や意見についても、それぞれの授業日の最後に受付ますので、遠慮なく質問をしてください。
限られた時間になりますが、みなさんとお会いできることを楽しみにしています。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
高校までの地理学のイメージ(暗記科目)を払拭して、大学での一般教育を深める科目として新鮮な気持ちで学習に取り組んで欲しいと思います。地理的視点から新聞記事をを読むこともお勧めします。
まずはテキストを読んでください。テキストには参考文献や資料が多数掲載されています。関心のある文献や資料にも目を通してみてください。
レポートについては、インターネットの記事などの安易な貼り付けが目立っています。できるだけ、自分で考えてレポートを作成するようにしてください。レポート作成に当たっては「比較」の視点が重要になります。都市と農村、交通と通信、港湾と空港、ハブ空港と地方空港などの区分を意識してみてください。問題を構造化することが大切です。また、引用した箇所は、必ず明記するようにしてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 試験(科目試験またはスクーリング試験)により最終評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
通信教育課程 在学生サイト 教科書一覧を参照
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/tsukyo-current/textbook?authuser=0
その他特記事項
【通信教育課程はなし】