シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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【通教 通信授業】英 語(A) | 2024 | その他 | ー | 通信教育課程 | 中村 文紀 | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
JD-EN1-601L
履修条件・関連科目等
履修条件:通信教育課程の学生対象
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本授業では、英文法と語彙の知識を使って正確に読むための練習を行います。そのためにはまず、単文と短い文章をスラッシュや下線部を引きながら読んでみましょう。分からないところには自分で印を付けておくと、修正すべき点も見えてきます。
また、読解では、何となく単語の意味をつなぎ合わせて感覚で読むのではなく、英文法と単語の知識に従って読むという態度も重要になってきます。このように意識的に読んでいくことで、英語についての正しい直感の涵養にも繋がっていきます。
科目目的
本科目の目的は、精読のための意識的な読みに必要な知識と態度を身につけることです。教科書の文章を読む時には、英文法や表現の知識を用いて、できるだけ合理的にかつ、整合的に読もうとする必要があります。
近年、翻訳技術の発達によって、英文を入力してクリックすれば自然な日本語に一瞬でかつ簡単に翻訳できるようになってきています。この技術自体は、多言語翻訳による情報アクセス等多くの利点があり、歓迎されるべきものです。ただ一つ問題となるのは、機械翻訳を使う場合、「日本語として自然ではあるが明らかな誤訳」が起こる可能性が常にある点です。そして、提示された訳が「本当に正しいのか」を確かめるためには、やはり英文法や語彙を知っている必要があります。これは、日本語を英訳する時にも全く同じことが言えます。この意味において、精読する技術は、形を変えて今後ますます重要な知識となるでしょう。このように、読解においては、その読解過程、言いかえれば「どうしてその訳や理解にたどり着いたのか」についても意識を向ける必要があるのです。
到達目標
この授業では以下のことが到達目標になります。
・ある文を見たときに、それを文中の役割(e.g. 主語(部)、動詞、目的語、補語、副詞句)などに分けることができ、それに基づいて文意を正確に読み取ることができる。
・英語の理解を元に、日本語として自然な訳を生み出すことができる。
・わからないところを自分で特定することができ、それを解説や参考書を確認しながら修正することができる。
授業計画と内容
ここでは、教科書とその使い方を説明します。
教科書の章立て
1. Literacy and Education (主語と述語動詞を見つける)
2. Sustainable City(目的語と補語を認識する)
3. Friendly Robots(主節と従属節を見分ける)
4. Understanding Your Personality(等位接続詞の役割を理解する)
5. Amazing Hotels(不定詞を理解する)
6. Culture and Religion(関係代名詞の違いを理解する)
7. The Ideal Workplace(時制の違いを理解する)
8. Future Food(つなぎ言葉を理解する)
9. The Ideal Wedding(分詞構文になれる)
10. How to Stay Young and Healthy(助動詞を理解する)
11. Space Age(比較表現を理解する)
12. The Future of Medical Science(仮定法過去を理解する)
13. Uncontacted Tribes(受動態を認識する)
14. Future Computers(挿入句に惑わされない)
学習の順序
通信教育部は、定期的に授業があるわけではなく自習が基本となるので、順序は各自に任せられています。ここでは、僕でおすすめする順序を提示します。
まず、Unit 1,2,3を学んで欲しいと思います。理由は、これはほとんどの文を読む時に文全体を把握する共通のプロセスになるからです。文法書で補うときには、5文型や単に文型というところを読んで復習してから入るとより分かりやすいと思います。また省略記号として用いられる(S= subject 主語(部)、V = verb 動詞(句)(たまにP = predicate 述語(部)も用いられる), O = object 目的語、C = complement 補語、M = Modifier 修飾語(句、部、節))なども復習すると良いでしょう。
次に、Unit 7, 10, 13がおすすめです。これらは、動詞周りの知識を拡充させる役割があります。時制・助動詞はどの文に何かしらの形で関与しますし、受動態は助動詞be+過去分詞と動詞を変えることで「〜られる」という意味を表します。受動態は特に能動態にある目的語を主語位置に繰り上げる効果があり、その意味で目的語が不要となるという特性があります。
次に、Unit 5, 6, 9を学びましょう。これらは本来の品詞を別の品詞に転換する方法を学びます。例えば、大まかに言えば、不定詞は、動詞(句)を状況に応じて名詞・形容詞・副詞相当に変換します。同様に、関係代名詞は、文を形容詞相当に変換します。分詞構文は、動詞(句)を形容詞・副詞相当に変換します。これにより本来の品詞とは異なる文中の役割を担えるようになります。
次に、Unit 4, 8, 14を学ぶと良いと思います。必ずしも必須ではないものの、知らないと構造について読みづらくなってしまうものです。等位接続詞はandやbutですが、何と何が結びついているかわからないと、文の構造を読み違えてしまいます。そして挿入句は文中に別要素として挿入されているものですが、これがわからないと、例えば主語と述語の関係が読み違えてしまいます。
最後に、Unit 11, 12を学びましょう。比較や仮定法はは一見簡単ですが、非常に広がりのある項目です。これら2つに共通するのは、話し手の心情が表れる点です。これらを深く理解することで、英文をより深く理解できるようになるでしょう。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
1. 授業で意識すること
この授業では、読解のための英文法の知識を獲得することを目指します。英文法には、品詞に基づく分類と文中の役割に基づく分類の2つの分類体系があります。
・品詞に基づく分類(名詞、動詞、関係代名詞、不定詞など)
・文中の役割に基づく分類(主語、(主)動詞、目的語、修飾語など)
英文法として一般的に想像されるのは前者ですが、読解に必要なのは主に後者の知識です。この二つは別のものではなく、お互いに補完する知識です。例えば、「主語になる典型的な品詞は名詞である」あるいは「形容詞や動詞はそのままでは主語にならない」という知識があれば、実際に文を読む時に主語を探すことがより容易になるでしょう。本科目では、品詞の知識を前提として、それを実際の読解に活かすために文要素としての英文法知識を学ぶことで読解力を高める練習を行っていきます。
2. 基本的な学習方法
ここではおすすめの勉強方法を書きますが、自分のやり方が確立している人はそのやり方で続けても構いません。まず、できるだけ本文に書き込みをしましょう。スラッシュ、下線部、波線、要素を囲む丸、四角など、さまざまな記号に役割を与えて、文中の役割に印を付けましょう。調べた意味はまず教科書の本文に書きましょう。分からない部分、間違った問題には赤や目立つ色で印を付け、決して間違えたものを恥ずかしくても消さないようにしましょう。僕は、分からないときに、「ここがわからない」のようなコメントを書き込むこともあります。これは全て思考過程を明示化することに繋がります。答え(結果)だけあっていても、答えを出す過程でどのような間違いをしていたかが思い出せなければ、同じ間違いをまたしてしまうでしょう。個人的な経験を言えば、復習時に「ここは初め見たとき○○という風に考えて間違えたけど、実は□□っていうのが正しい」という風に自分の履歴を思い出せる問題は再度間違えることは少ないです。また書き込みがびっしり入ったボロボロの教科書というのは自分の努力を示す何よりのものとなります。
書き込む場所は、教科書でもノートでも良いのですが、1箇所にまとめましょう。これは復習のしやすさを考慮したものです。答えは教科書、解説はノート、語彙は単語帳のようにすると、復習するときに複数の場所を探して、参照しなくてはならなくなるので時間が掛かります。
3. 和訳への姿勢
この授業では読解の一過程として和訳も行います。和訳は一見するとただことばを置き換えるだけの古い学習法に見えるかもしれません。しかし、和訳、広く言えば翻訳、は、単純作業では全くなく、それぞれの言語形式のあり方、文化や思考における好みを違いを考慮しながら新しいことばを紡ぐ創造的な行為です。学習においては、日本語と英語の異同に意識的になる良い機会となります。
4. 参考書の選び方と使い方
英語を読む際には、辞書を文法書が不可欠です。辞書は、学習用英和辞典を持っておくと良いでしょう。学習用辞典は語義や使用が詳しく説明されており、学習者のための情報が豊富に載っています。今すでに持っていれば新しく買う必要はありませんが、もし持っていない場合には『ジーニアス英和辞典』(大修館)、『オーレックス英和辞典』(旺文社)、『ウィズダム英和辞典』(三省堂)『コンパスローズ英和辞典』(研究社)をお勧めします。どれも良い辞書ですが相性があるので、書店で引き比べて自分に合った物を選べば良いでしょう。収録語数の多い辞書が良い辞書であると思いがちですが、それらは説明が簡潔である程度の英語力を前提として編纂されているので、学習者には向かない側面があります。もし電子辞書を使いたい場合にはそれでも良いと思います。また、今は『Logovista』(Windows, Mac)や『物書堂』(Mac)のようにパソコンでも購入することができますので、それも引きやすさという面では選択肢に入るでしょう。同じ辞書でも紙かソフトかで違いはあるのですが、まずは個人がストレスを感じない方にすることが肝要です。
辞書は、意味(という名の日本語対応語)を引くだけの道具ではありません。ここではその一例を挙げます。動詞lookを引いてみましょう。そうすると書く意味の横にその語の取り得る文型が書かれているはずです。例えば、ジーニアス英和辞典の第6版では、SV at Oでは「<人が>O<人・物>を見る」という意味が当てられ、SV (to be) Cでは「〈人・物が〉(外見が)Cに見える」という意味が当てられていると思います。つまり異なる文型では異なる意味が生じることを示しており、意味と形式の対応を学ぶことになります。これを読解に当てはめるとlookがあった場合、後ろにはatやCが来ることが予想され、それぞれで意味が違うことがわかるので意味の読解について後ろの要素に注意が向けられることになります。これによってlookを単に「見る」と訳すことが避けられ、一つ深い理解が進みます。
文法書は、文法についての辞書と考えましょう。わからない用語を調べ、用例を探す時、あるいはより詳しい解説が欲しい時に使います。定番では『ロイヤル英文法』(旺文社)、『表現のための実践ロイヤル英文法』(旺文社)、『Evergreen』(いいずな書店)、『英文法詳解』(学研プラス)などが挙げられます。これらも実際に手に取って、読みやすいものを選べば良いでしょう。文法書は分厚いので、驚いてしまうかもしれませんが、全部を一度に読み通す必要はありません。この点は辞書と同じです。まずは教科書で用語の基礎的な理解に努め、わからない時に該当箇所を読んで理解を深めると良いでしょう。
5. 英語Aとその他の科目の関係について
英語Aは、英文法の中でも主語や目的語と言った文を分析するための知識を扱います。分析する時には、実際の分析を行うためには名詞、動詞、関係代名詞、不定詞などの品詞の知識が必要です。もし品詞の知識が曖昧な場合は、先に「英語B」に取り組むと良いでしょう。逆に、一定程度品詞と文法役割の知識があり、実際の英文を読みながら学習したいのであれば、「英語C」や「英語D」に取り組みながら、「英語A」で知識を再確認するという形をとると良いでしょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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その他 | 100 | 試験(科目試験またはスクーリング試験)により最終評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
【通信教育課程はなし】
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
通信教育課程 在学生サイト 教科書一覧を参照
https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/tsukyo-current/textbook?authuser=0
この科目は、教科書とは別に学習の補助教材として「英語科目履修の手引き」があります。
Cloud Campusの公開教材「教科書付属教材」にて閲覧することができます。
その他特記事項
【通信教育課程はなし】