シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国文学基礎演習(1)A | 2024 | 前期 | 月3 | 文学部 | 清水 由美子 | シミズ ユミコ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL1-A011
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
学生の発表による演習形式。3人程度のグループで一話を担当する予定。
鎌倉時代に成立した説話集である『十訓抄』の中のよく知られた話を一話選び、国文学研究資料館蔵鵜飼文庫本(影印)で読み、翻字した上で、他の異本との本文異同の有無、語釈、現代語訳、同話・類話との比較、その話に関わって各自が関心を持ったテーマ、などについて先行研究などもあわせて調べ、教員の指示に従ってレジュメを作成し、発表する。他の学生は配布された用紙に講評を記入しながら聞き、グループに分かれての検討を行う。その後、そこで出た質問や意見に基づいて全体で討議を行う。
また、それと並行して、随時、くずし字解読の問題を配布し、その練習や解説を組み込む。くずし字解読については、数回の小テストを予定している。
科目目的
くずし字を読解する力を養うとともに、説話の現代語訳をする力、言葉の意味やその説話の背景となる史実や歴史的状況を調べる力、同話や類話を調べて比較・検討する力、その説話についての先行研究を調査し、理解する力、さらにそれらを総合して考察し、自分なりの解釈を提示する力、わかりやすいレジュメにまとめた上で発表する力、などを身につけることが目的である。自ら調べて考察・研究する方法を身につけ、研究の面白さを感じられるようになることが最大の目的である。
また、他の学生の発表について、適格な質問や意見を発言できるようになることもめざす。
到達目標
・説話文学についての基本的な知識を得ること。
・散文の古典文学の研究の方法を体得すること。
・広く研究史に目を配り、様々な学説の展開やその背景への考察ができるようになること。
・わかりやすく説得力のあるレジュメが作成出来るようになること。
・他の学生の発表を聞き、その意図を的確に判断でき、それについてコメントが出来るようになること。
・くずし字について、なるべくテキストの『字典 かな』を見ないでも、読解できるようになること。
授業計画と内容
第1回 授業ガイダンス・グループ分け、発表順の決定
第2回 発表サンプルと調査の方法、先行研究などについての説明
第3回 説話について、『十訓抄』についての解説
第4回 くずし字について・各グループにわかれての発表凖備
第5回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第一「人に恵を施すべきこと」の話から
第6回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第二「驕慢を離るべきこと」の話から
第7回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第三「人倫を侮らざること」の話から
第8回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第四「人の上を誡むべきこと」の話から
第9回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第五「朋友を撰ぶべきこと」の話から
第10回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第六「忠直を存ずべきこと」の話から
第11回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第七「思慮を専らにすべきこと」の話から
第12回 学生の発表と質疑応答 『十訓抄』第八「諸事を堪忍すべきこと」の話から
第13回 各グループによるフォロー発表①
第14回 各グループによるフォロー発表②
* 担当話については受講者と相談の上決定する。ただし、受講生の人数によって変更することもある。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業で配布するくずし字解読の練習プリント、および発表で扱われる説話の影印のくずし字は、事前に解読しておいてください。また、発表担当者は、よい発表ができるように事前準備をしっかりし、わかりやすく効果的に内容を伝えられる資料作成をこころがけてください。発表に対して質問・感想・意見を活発に交換することによってこそ、作品に対する理解は深まります。発表者以外の受講生は発表を楽しみつつ、意欲的に演習に参加してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | (平常点100%) このうち、学期内の発表(フォローを含む)、授業への参加姿勢(他の学生の発表についてのコメントの内容・話し合いへの参加、くずし字課題の提出状況等の平常点)75%、数回おこなう変体仮名(くずし字)解読の習熟度確認の試験25%で評価する。なお、出席率が70%に満たない者はE判定とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト: 『字典かな ―出典明記― 改訂版 』(笠間書院)
その他、配付資料を使用する。
参考文献: 『くずし字解読辞典 普及版』(児玉幸多編、東京堂出版)
『楷行草 筆順・字体字典』(江守賢治編・三省堂)
その他特記事項
くずし字の解読に時間のかかることが予想されますので、早めに準備に取りかかってください。また、グループでの発表では、平等な負担、密な連絡、担当内容をもちよっての検討や考察についての議論が必要になると思います。一人一人が責任を持って取り組んでください。