シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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中世文学B | 2024 | 後期 | 月3 | 文学部 | 吉野 朋美 | ヨシノ トモミ | 1・2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL1-A208
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
院政期から安土桃山時代まで(おおよそ12世紀後半から16世紀)の文学について取り扱います。中世は日本史上でも類のない、戦乱と災害に見舞われた時代でした。人々は常に死への自覚と恐れを意識しつつ生きていましたが、いっぽうで、今の私たちと変わらない、日常を生き、世を見つめる目も持っていました。
今期は、時代状況や社会的様相とかかわって展開していった文学の流れを確認しつつ、人間の営みにかかわるいくつかのテーマを通じて、中世の人々の考え方や信仰・心情をすくい取っていきたいと思います。関連する具体的な作品を取り上げ、絵や写真等も見ながら、多角的に掘り下げたいと考えています。
基本的には講義形式ですが、スマホを生かした授業中のクイズ形式のやりとりや授業後に提出されるコメントなどを通して、できる限り受講生の声を拾いあげ、それを取り込む形で進める予定です。
科目目的
中世は一般的には武士の時代とされていますが、一方で特に文化面では、朝廷や貴族、寺社といった既存の権力も強い力を持ちます。そうした多様な価値観がせめぎ合う中で多様な、そして活発な文学活動が行われ、多くの文学作品が残されました。いくつかのテーマから多角的に見ていくことで、深く広く中世文学についての知識を得ることを目的とします。また、各自の研究テーマの発見につながることもめざしたいと思います。
到達目標
・中世文学を知り、読むことの面白さを感じること。
・過去に生きた人々の思想や宗教観を学び、現在とのかかわりを考える目を養うこと。
・様々な考察を通して、現代に生きる我々が古典文学を学び、味わうことの意義を見つけること。
中世は多くの災害や戦乱に見舞われた激動の時代でしたが、その中でも人々はさまざまなかたちで語ることを手放しませんでした。中世文学を学ぶことで、混沌とした現代でわたしたちがどう生きていくのかというヒントが得られれば何よりです。
授業計画と内容
1、ガイダンス――〈中世〉という時代区分/思う・信じる・祈る①――信心が呼ぶ奇蹟
2、思う・信じる・祈る②――末法思想と信仰
3、思う・信じる・祈る③―― 仏教思想の展開
4、想像する・創造する①――死後の世界1
5、想像する・創造する②――死後の世界2
6、想像する・創造する③――跋扈する怨霊
7、想像する・創造する④――怨霊と鎮魂
8、想像する・創造する⑤――中世神話
9、生きる①――さまざまな職業・職人歌合
10、生きる②――プロの仕事
11、楽しむ①――お伽草子の世界1
12、楽しむ②――お伽草子の世界2
13、習熟度確認
14、補足・総括
ただし、受講生とのやりとり等によって変更することもあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 授業で扱ったことを理解しているかを確認します。ただし、出席が7割に満たない場合、試験の受験資格はありません。 |
平常点 | 40 | 毎授業時に書き終了後にmanabaに提出してもらうコメントの内容を評価します。各回の講義内容の理解度、それに対する自分なりの考察や、感想、または疑問点の提示などをポイントとして判断します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
Slidoを利用して受講生参加型の講義内容に関係するQ&Aを授業内に実施し、授業内ですぐに結果を提示することで、学習内容の定着や授業への興味を高めるようにします。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用せず、レジュメを配布する。
参考文献は適宜、授業時に紹介する。
その他特記事項
配布されるプリントをよく読み、自分なりに疑問点を明確にして授業に臨んでください。また授業では、作品のごく一部しかふれることができません。授業後は、作品とその背景への理解をより深めるために、自身でほかの部分を読んだり、関連作品や参考文献を読んだりするようにしてください。
なお、中世文学Aとあわせて受講することが望ましいです。また、時代を接する中古文学・近世文学や日本文学史の講義を受講すると、より理解が深まるでしょう。