シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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古典文学演習(1)B | 2024 | 後期 | 金4 | 文学部 | 井 真弓 | イノモト マユミ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL2-A802
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
受講者の発表による演習形式。
院政期に成立した『とりかへばや物語』は、「女性的な」若君と「男性的な」姫君の兄妹が男女の性を「とりかへ」たまま出仕したことで起こる様々な出来事を描いた荒唐無稽な物語です。後期は、巻三~巻四の要所を抜粋して精読します。以下のようなスケジュールを予定していますが、受講者の人数等によって変動があり得ます。
科目目的
・『源氏物語』以降の物語作品のあり方や作品を生み出した時代背景を理解すること。
・注釈書の比較・検討など、古典文学を読解のために必須の基礎力を身に付けること。
・分かりやすい発表資料の作成、口頭発表の方法など、演習に必要な基礎的な技術を身に付けること。
以上の3つを目的とします。
到達目標
・先行作品である『源氏物語』などの他作品との比較によって、物語相互の影響関係を把握し、物語がどのように変容したかを理解できる。
・物語の特徴を把握するとともに、作品の文学史的意義を理解できる。
・先行研究を読み、論点を整理することで自ら問題点を見つけ、論を構築できる。
・『とりかへばや物語』とはいかなる作品であるか、受講者自らのことばで説明できるようになる。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション(授業の概要、進め方などの具体的な説明、発表担当者の決定)
第2回 類話『有明の別れ』を読む(講義)
第3回 類話『新蔵人物語』を読む(講義)
第4回 受講者による発表・質疑応答(1)巻三 新全集[1][4][5]
第5回 受講者による発表・質疑応答(2)巻三 新全集[5]~[7][9]
第6回 受講者による発表・質疑応答(3)巻三 新全集[15][19][24][25]
第7回 受講者による発表・質疑応答(4)巻三 新全集[28][29][33][35]
第8回 受講者による発表・質疑応答(5)巻三 新全集[37][41][44][47][51]
第9回 受講者による発表・質疑応答(6)巻四 新全集[3][6][13]
第10回 受講者による発表・質疑応答(7)巻四 新全集[17]~[19]
第11回 受講者による発表・質疑応答(8) 巻四 新全集[23][26][27]
第12回 受講者による発表・質疑応答(9)巻四 新全集 [35][36][45]
第13回 受講者による発表・質疑応答(10)巻四 新全集 [48][52][55][57]
第14回 まとめ、『とりかへばや』の影印(変体仮名)を読む
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
【授業前】
・全員が次回の発表(講義)箇所の概略をつかんでおく。
・発表者は、発表資料を作成する。
数種類の注釈書等を使用しての語釈、現代語訳といった基礎的な作業の他、担当箇所の中で自分の関心のある事柄や問題点を取り上げて調査し、自分なりの見解をまとめ、資料に記載する。
・自らの発表の2日前13時までに資料(pdf形式推奨)をmanabaを通じて提出する。
発表者以外の受講者は、疑問点を質問できるように準備しておく。
【授業中】
・発表者は資料を使って発表を行う。
・発表者以外の受講者は疑問点を挙げ、全員で討議、内容理解を深める。
【授業後】
・発表者は追加の課題や補足すべき事項についてさらに調査する。必要に応じて、その内容を追加報告してもらう。
・受講者全員、授業中に紹介された参考文献などを中心に、授業に関わる文献を読み、さらに理解を深める。
・授業で扱った箇所を再読し、読み方・内容を理解する。不明箇所は次回に質問して解消するよう心がける。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 口頭発表において学んだことを復習し、そこでの反省点が改善改善されているか |
平常点 | 40 | 担当箇所に関する調査として必須の作業を行っているか、それを踏まえて自らの考えをまとめてあるか |
その他 | 20 | 授業への出席状況(10%)と討議において積極的に考えを述べ、疑問を解決するよう努めているか(10%) |
成績評価の方法・基準(備考)
出席率が70%に満たない者、課題を提出しない者については、E判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【使用テキスト】
授業中に発表に必要な箇所をプリントとしてmanabaにアップロードします。
各自でダウンロード、印刷をしてください。
鈴木裕子編『とりかへばや物語』 角川書店/角川ソフィア文庫/ビギナーズ・クラシックス ISBN:9784044072056 864円は、『とりかへばや』の全体を理解するのに簡便であるため、購入して読んでおいてください。
参考書については適宜授業内で紹介しますが、主なものは以下の通り。
【参考書】
・石埜敬子校注訳 『住吉物語 とりかへばや物語』 小学館/新編日本古典文学全集 4096580392 4814
・今井源衛他校注 『堤中納言物語 とりかへばや物語』 岩波書店/新日本古典文学大系 4002400263 5184
・友久武文・西本寮子校訂訳注 『とりかへばや』 笠間書院/中世王朝物語全集 4305400928 5292
・桑原博史 『とりかへばや物語1~4』 講談社/講談社学術文庫 9784061582934他