シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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管理会計論 | 2024 | 前期複数 | 火4,金2 | 経済学部 | 庵谷 治男、庵谷 治男 | オオタニ ハルオ、オオタニ ハルオ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-AU2-32XX
履修条件・関連科目等
Web登録科目です。
本講義を履修するにあたり、「簿記論」(MA101)を履修していることが望ましい。「経営学」(MA201)から関連した知識を得られるため、履修することを推奨する。また、本講義で学習する原価計算は財務会計目的でも利用されるため「財務会計論」(MA231)の履修も推奨する。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
財務会計が組織の外部報告を目的としているのに対し、管理会計は組織の内部管理を目的とした会計技法です。また、主に製品原価に関する会計技法を原価計算といい、財務会計目的および管理会計目的のどちらにも用いられます。本講義は主に管理会計領域に焦点を当てます。トップやミドルの責任者が意思決定を行う場合あるいは集団(もしくは個人)の業績評価を行う場合に、その手段として管理会計が用いられます。その際、原価情報が極めて重要な役割を果たすことから、管理会計の理解には原価計算の知識が不可欠です。
そこで本講義では、大きくⅠ原価計算の学習、Ⅱ管理会計の学習に区分して講義を進めます。原価計算は前半で個別原価計算、後半で総合原価計算および標準原価計算を学習し、計算技法とその意義を理解します。つづいて、原価計算の知識をベースに意思決定および業績評価を学習し管理会計の理解を深めていきます。
管理会計の役割を理解するためには、意思決定や業績評価で用いられる会計情報が組織構成員(人)の行動にどのような影響を与えるのか、という点を考えることが重要です。本講義では、責任者がどのような意図で管理会計を設計・利用しているのかという点にまで掘り下げ、学習していきます。ただし、管理会計は万能薬ではないことから、その限界についても検討します。
科目目的
本講義の目的は、組織の内部管理に役立つために、原価計算の基礎的な知識を身につけた上で、いかなる管理会計が設計・利用されているのかを意思決定と業績評価の視点から体系的に学習し、理解することです。
到達目標
原価情報の計算技法および管理について理解することができる。
企業の財務分析および利益管理について理解することができる。
意思決定および業績評価に役立つ管理会計の技法および理論を理解することができる。
管理会計が人の行動にどのような影響を与えるのかを考察し議論することができる。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス:管理会計および原価計算の意義と目的
Ⅰ 原価計算の学習
第2回 原価計算の概要:個別原価計算と総合原価計算
第3回 材料費の計算:材料購入原価の計算、材料消費量・消費単価の計算、棚卸減耗費の処理
第4回 労務費の計算:直接工賃金、間接工賃金およびその他の労務費の計算
第5回 経費の計算・製造間接費の配賦:総括配賦法の計算
第6回 製造間接費の配賦:実際配賦と予定配賦、製造間接費配賦差異の計算
第7回 部門別原価計算:部門別原価計算の概要、第一次集計
第8回 部門別原価計算:第二次集計、第三次集計、製品原価の計算
第9回 第2~8回のまとめと理解確認テスト
第10回 総合原価計算における月末仕掛品の評価:平均法、先入先出法
第11回 総合原価計算における月末仕掛品の評価:直接材料費の完成品換算量
第12回 工程別総合原価計算:累加法の計算
第13回 仕損・減損の処理:度外視法の計算
第14回 その他の総合原価計算:組別総合原価計算、等級別総合原価計算、副産物の処理
第15回 標準原価計算と原価管理:直接材料費差異、直接労務費差異
第16回 標準原価計算と原価管理:製造間接費配賦差異
第17回 第10~16回のまとめと理解確認テスト
Ⅱ 管理会計の学習
第18回 財務分析:収益性の分析
第19回 財務分析:安全性の分析
第20回 短期利益計画:CVP分析
第21回 短期利益計画:直接原価計算
第22回 予算管理:予算管理の体系
第23回 予算統制:予実差異分析
第24回 差額原価・収益分析:差額原価と埋没原価
第25回 業務的意思決定/セールス・ミックスの計算:制約条件に基づく意思決定
第26回 事業部の業績評価:責任センター、直接原価計算と全部原価計算
第27回 日本企業で生成された管理会計:原価企画、アメーバ経営
第28回 第18~27回のまとめと理解確認テスト
※都合により変更する場合もありますので予めご了解願います。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
原価計算および管理会計は概念の理解だけでなく、計算技法の学習内容が多いため、繰り返し演習問題を解くことが重要です。授業では、時間の関係上、基礎的な内容の説明と基本的な問題演習を中心に進めます。習熟度を高めるために、各自で参考書などを用いて復習、問題演習をしっかり行い、ひとつひとつ確実に理解できるようにすることが心がけてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 40 | 授業後の課題(manabaの小テスト)の取り組み |
その他 | 60 | 3回の理解度チェックテスト ①個別原価計算の基礎が理解できたか ②総合原価計算および標準原価計算の基礎が理解できたか ③意思決定および業績評価の基礎が理解できたか |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
「講義資料」はmanabaを通じて配付する予定ですので、各自で確認をお願いします。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
〔テキスト〕
清水孝・長谷川惠一・奥村雅史(2004年)『入門原価計算 第2版』中央経済社.
清水孝・庵谷治男(2019年)『基礎管理会計』中央経済社.
〔参考書〕
岡本清(2000)『原価計算 6訂版』国元書房.
清水孝(2014)『現場で使える原価計算』中央経済社.
廣本敏郎・挽文子(2015)『原価計算論(第3版)』中央経済社.
加登豊・吉田栄介・新井康平編(2022)『実務に活かす管理会計のエビデンス』中央経済社.
その他特記事項
・授業中にテキストの計算問題を解くことがあるので、各自でテキストおよび電卓(10桁以上が望ましい)を準備し持参すること。
・授業では私語等で他の受講生へ迷惑をかけることは厳に慎むこと。