シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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知的財産法/民事法(情報財産権法) | 2025 | 前期 | 木2 | 国際情報学部 | 小林 利明、澤田 将史 | コバヤシ トシアキ、サワダ マサシ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
GI-IP3-IL15
履修条件・関連科目等
特になし
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業で使用する資料は、日英文併記のものを含みます。若干の英文資料も講義で使用予定です。
授業の概要
この科目では、様々な種類の情報のうち、知的財産権に関する法律を学びます。
講義では著作権法を中心に扱いますが、技術を守る法(特許法)、ブランドを守る法(商標法・不正競争防止法)、ノウハウ・企業秘密を守る法(不正競争防止法)にも触れることで、知的財産法の全体像を俯瞰します。
また、学生にも身近なSNS、リンク、海賊版の問題や、生成AIの問題など、知的財産に関する情報と技術の交錯領域である問題や現代社会における最先端の話題にも触れます。
科目目的
この科目は、カリキュラム上の応用・発展科目として位置付けられており、この科目での学習を通じて、情報保護の目的・在り方についての認識を深め、基本的法律知識を習得することを目的としています。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・情報を保護する目的や情報の利用に関する知的財産法の全体像を理解し、特に著作権法に関する基本的知識を身に付け、現代的問題を検討するための思考力を養うこと。
授業計画と内容
第1回 ︓イントロダクション(知的財産権の内容と各法律の守備範囲)
第2回 ︓技術を守る(特許法)
第3回 ︓著作権法1(著作権は何に発⽣するか、法的権利のように⾒えて実はそうでないもの)
第4回:著作権法2(著作権の内容ー財産的権利と⼈格的権利、著作権の存続期間)
第5回 ︓著作権法3(著作権は誰のものか、ゴーストライター)
第6回:ブランドを守る(商標法、不正競争防止法)
第7回 ︓著作権法4(パクり・盗作とは何か︖、フリー素材の落とし⽳)
第8回 ︓著作権法5(パロディは違法か︖、無断で他⼈の著作物を使える場合)
第9回 ︓著作権法6(Creative Commons、著作隣接権、著作権侵害と救済⽅法)
第10回:ノウハウ・企業秘密を守る(不正競争防止法)
第11回:AI(生成AI、パブリシティ権、肖像権、声の保護)
第12回︓インターネットと著作権1(映像・⾳楽ビジネスと著作権、SNSと著作権、匿名の書き込みはバレないのか?)
第13回︓インターネットと著作権2(リンク、海賊版、模倣品)
第14回︓総括(情報はいかに守られるべきか、いかに⾃由に使われるべきか)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義中で触れたトピックや資料について自身でさらに理解を深めるべく検討するなどの復習を行うことが望ましいです。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 評価基準:著作権法の理解を中心とする情報に関する財産権の基本的理解を踏まえ、情報の発信・利用に関する法的問題点を理解できているかを評価します。 |
平常点 | 40 | 授業への参加・貢献度等の状況を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
特定のフィードバックは行っていないが、授業時間内に理解が進むよう工夫します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業中に、クリッカーやmanabaのアンケート機能を使い、即時に学生の反応を把握しながら授業を進めていく。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
授業中に、挙手、クリッカーやmanabaのアンケート機能を使い、即時に学生の反応を把握しながら授業を進めていきます。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当講師はいずれも弁護士として著作権を中心とする知的財産権法務に約10年以上携わる。小林は米国法律事務所において米国知的財産訴訟実務に従事した経験や、放送番組制作会社や音楽・映画・芸能・ゲーム事業等を手掛ける企業内の非常勤弁護士として8年以上の知的財産法務実務経験を有する。澤田は特許紛争実務の経験を豊富に有するほか、文化庁著作権課において著作権法改正作業に従事した経験や、生成AIに関する官庁作成のガイドラインの監修を行うほか、著作権法に関する文化庁の検討委員も務める。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
弁護士として当事者の目線で日々相談に乗り様々な問題に対応している経験も踏まえ、一般的な教科書には書かれていないが実際に世の中で問題となっている事例も織り交ぜながら講義を行う。また、学生生活においても無縁ではない著作権法上の問題点やインターネットを利用する際の注意点についても触れる一方で、多くの教科書ではまだあまり触れられていない生成AIなどの最先端の議論も紹介し、知的財産法の基本的考え方に留まらず、極めて速い技術の進歩を背景に、知識よりも自分自身で情報と知的財産に関する考え方を養うための視座を提供したい。
テキスト・参考文献等
講義資料:講師が作成・配布する資料を用いる。
なお、予習・復習用学習資料として、初回講義において市販の書籍等献等をいくつか紹介する。