シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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English Seminar(4) | 2024 | 後期 | 金1 | 文学部 | 石原 直美 | イシハラ ナオミ | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-EX3-B110
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616年)の作品『ハムレット』を講読します。父王が亡くなり喪に服しているハムレットは、先王の亡霊が現れたと伝える友人ホレイショ―の言葉を信じ、父の姿をした亡霊と会って、現王である叔父が父王を暗殺したと語られます。復讐を誓うハムレットは暗殺の証拠をつかむべく狂気を演じつつ復讐の機会を待つ一方、人違いで恋人オフィーリアの父を殺害してしまい、彼女を真の狂気と死に追いやってしまいます。狂気を演じ続けながら復讐に向かうハムレットが語る言葉をどのように解釈しうるか、その解釈に幅があることがこの作品の面白さです。創作当時の文化や社会背景等についても本文の表現から読み解きます。さらに、その後の作品の上演史や映画化、翻案作品等について書かれた文章を読み、視聴可能な映像資料に触れ、演劇作品が役者の身体を通して具現化される状況において伝わるものについて考察します。
科目目的
この科目での学習を通して、シェイクスピアの活躍したエリザベス朝時代の英語と演劇文化について基礎的な知識を習得することを目的としています。また、作品を解釈するにあたり、先行資料を参照し、自分自身の解釈や追究した内容について論理的に説明できるようになることも目指しています。
到達目標
この科目では、以下を到達目標とします。
・辞書や資料を参照しながら、本文中のひとつひとつの言葉を大切に読み、何が読み取れるのかを考察し、自分の言葉で他者に説明できるようになること。
・上演・映画化される演劇作品それぞれに込められた演出家の解釈、意図、時代背景などについて多角的に捉え、理解しようとする意欲を持てるようになること。
・作品についての先行研究・資料を読み、他者の作品解釈に触れることで、自らの作品解釈を深められること。また、その資料の引用方法に慣れること。
授業計画と内容
第1回、第2回はエリザベス朝時代の劇場文化や劇作家シェイクスピアについて、またシェイクスピアの英語の特徴等について説明します。第3回目以降は事前に配布するワークシートに予習として各自で作品本文の抜粋箇所(30行から50行程度)の和訳と重要語句・表現の解釈、感想を書いてきてもらいます。授業時、そのワークシートを用いてグループごとに自分の解釈などについて発表し意見交換します。その後、上演・映画化作品の映像資料を視聴したうえで、それぞれの解釈について意見交換し、作品への理解を深めます。
さらに、テキストのイントロダクションに載っている作品に関連した文化背景や上演史の解説について、担当発表者を毎回二三名割り振り、要点を発表してもらいます。
第1回 イントロダクション(授業の進め方、エリザベス朝時代の劇場や役者について)
第2回 シェイクスピアの英語について、『ハムレット』創作背景について
第3回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第1幕前半
第4回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第1幕後半
第5回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第2幕前半
第6回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第2幕後半
第7回 第1幕と第2幕の総括と第3幕、第4幕、第5幕の概略について
第8回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第3幕前半
第9回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第3幕後半
第10回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第4幕前半
第11回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第4幕後半
第12回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第5幕前半
第13回 テクスト講読と受講生によるグループワークと発表 第5幕後半
第14回 作品全体の総括と批評について
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
該当する幕の本文を和訳とともに通読したうえで、教員が指定した抜粋箇所について自分で作成した和訳や言葉の意味などをワークシートに書き出し、グループワークでグループメンバーに発表できるように準備すること。ワークシートは授業終了時に回収します。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 授業で学んだことを踏まえ、最も関心のある側面から作品について論じ、客観的根拠として先行資料からの引用も用いて説明できるかどうかを評価します。 |
平常点 | 70 | 出席および授業時のグループワーク参加状況、担当箇所の発表、ワークシートの提出状況を総合して評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業時間内で講評・解説の時間を設けます。必要に応じてmanabaのコースニュースを利用します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
グループディスカッション、発表
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
William Shakespeare, Hamlet. The New Cambridge Shakespeare. Third edition. Edited by Philip Edwards, Cambridge, 2019 (version15, June 2023).
ISBN: 978-1-316-60673-5
※表紙の写真が青く、月と城壁が載っているのデザインのものを購入してください。シェイクスピアの作品はたくさんのエディションがあるのでご注意ください。
<参考文献>
福田恆存 訳『ハムレット』(新潮文庫、1967年)
小田島雄志 訳『ハムレット』(白水社、1983年)
松岡和子 訳『ハムレット』(ちくま文庫、1996年)
河合祥一郎 訳『新訳 ハムレット』(角川文庫、2003年)
その他、授業時に提示します。
その他特記事項
本文を読む際には、辞書や参考資料を必ず丁寧に確認してください。授業時に辞書を持参してください。オンラインの辞書だけでは対応しきれない言葉が多数あります。