シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ドイツ社会誌(2)(4) | 2024 | 後期 | 金3 | 文学部 | 磯部 裕幸 | イソベ ヒロユキ | 1~3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-DT1-C504,LE-DT1-C506
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業テーマ:「近代ドイツにおける『科学的』人種主義の歴史」
近代の医学や生物学の急速な発展は、人間の「カテゴリー」に関する認識にも大きな変化をもたらした。 そこでは「人種」という概念が、しばしば「科学的客観性」の名のもとに実体化され正当化された。これがどのような恐ろしい帰結をもたらすかは、「ホロコースト」の歴史を紐解けば明らかであろう。
それではこうした「人種主義」はいつ、どのようにして生まれ、また戦前ドイツのいかなる社会的状況下で「政策」として取り込まれていくのか。本講義ではドイツにおける「人種主義」イデオロギーを科学的に支えた諸学問(生物学や医学、さらには「人種衛生学」など)の成立過程や内在する論理、さらに政治権力との関わりなどを追いながら、この問題を考えていきたい。その知見は、偏狭な排外主義が横行しつつある現代においても有益な示唆を与えてくれるだろう。
科目目的
本講義では、科学的な「人種主義」とはどういうもので、それが前近代から続く「人種主義」とどのように異なるのかを理解し、あわせてそれがナチズムの主張とどのように重なり合うのかを考えることを目的とする。さらにはそうした「人種主義」の論理が、「ホロコースト」のような事象と直接結びつくのかどうか、という点に関しても考察を深めていきたい。
人文・社会科学の研究において、対象地域を歴史的に理解することは、どのような分野であれ必須である。従って本科目の履修は、将来卒業論文や卒業研究を執筆するにあたって有益な視座を与えてくれるだろう。
到達目標
本科目では、主にドイツ近現代史を学ぶことによって、人間社会に対する深い理解と広範な知識の修得を目指す。そして自ら問いを立て、他者との議論を通じて新たな知を創造することを最終的な到達目標とする。
授業計画と内容
授業予定
(変更の可能性あり)
第1回 導入「ダーウィン以前」の人種主義(1):宗教と人種
第2回 導入:「ダーウィン以前」の人種主義(2)啓蒙思想と人種主義
第3回 20世紀の人種主義(1):近代医学と人種衛生学の成立
第4回 20世紀の人種主義(2):人種論的反ユダヤ主義
第5回 戦争による「淘汰」? 第一次世界大戦と人種主義ヒトラーの人種論
第6回 人種主義とナチズム(1):ナチ「権力掌握」後の人種主義立法
第7回 人種主義とナチズム(2):人種衛生学・遺伝優生学研究の制度化
第8回 政策となった人種主義(1):ユダヤ人に対する迫害
第9回 政策となった人種主義(2):シンティ・ロマに対する迫害
第10回 人種主義の暴走(1):「遺伝的障害者」への迫害/「T4作戦」の開始と中止
第11回 人種主義の暴走(2):「絶滅収容所」と遺伝優生学
第12回 医学の責任:「ニュルンベルク裁判」における医師たち
第13回 「人種なき人種主義」? 今日におけるレイシズム言説について
第14回 まとめ・到達度確認
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 100 | 出席は取らない。期末試験(到達度確認)の成績のみで評価する |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは特に定めない。授業用プリントを配布する。適宜授業にて参考文献を紹介する。