シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習(1)(7)/ゼミ演習(1)(7) | 2024 | 通年 | 金3 | 文学部 | 林 明子 | ハヤシ アキコ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-DT3-C801,LE-DT4-C806
履修条件・関連科目等
言語学分野の授業(ドイツ語学はもちろん、英語学、国語学分野の授業のほか、「言語学」「社会言語学」など)、関連する授業を合わせて履修することを強く勧める。また、「ドイツ語学I:演習」「ドイツ語学II:講義」および「ドイツ語学II:演習」では、前年度とは異なる題材を扱うので、繰り返し積極的に履修してほしい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
理論言語学・応用言語学分野の基礎概念や専門用語、方法論に関する知識を深めるとともに、学術ドイツ語の技能を磨く。
前期は、文献講読など全体の活動が中心になる。ゼミ論で生かせるように理論や方法論を身に付ける。文献講読を通して、各自の研究テーマの先行研究となる文献の探し方、読み方、そこにあげられたデータ例と分析手法の検証の仕方を学ぶ。夏休み中に、ゼミ論文のテーマを考える。
後期は、執筆に向けた個々の作業に取りかかる。各自が自分のテーマの関連文献の内容を紹介したり、自分がゼミ論で扱うデータと分析結果の一部を披露したりして、それをもとにゼミ全体で討議する。4年生は、前年度のゼミ論文で扱ったテーマを発展、修正しながら、先行研究のリサーチ・概念規定・データ分析・考察を進める。3年生はゼミ論文で扱いたいデータ探しと、その分析に必要な文献リサーチを行う。両学年とも、各自が段階ごとに進捗状況を報告・発表して、その成果を共有し、討議を通じて次に取り組む課題を明らかにする。
科目目的
実証研究の文献講読を通して、各自の研究テーマの先行研究となる文献の探し方、読み方、そこにあげられたデータ例と分析手法の検証の仕方を学ぶ。本授業の学びの成果として執筆するゼミ論文は、4年生にとっては4年間の学びの集大成として、3年生にとっては、次年度、言語学分野(ドイツ語学)で卒業論文・卒業研究を執筆するための準備の一環として位置付けられる。
到達目標
授業では、言語学の各分野の基本的な概念・専門用語に関する知識を確認するとともに、実証的なゼミ論文を執筆することを念頭に、その方法論を学ぶ。研究目的の立て方、先行研究のリサーチおよびその批判的な読み方、具体的なデータ収集と分析・考察などの作業を、自ら計画を立てて実践する力を身に付ける。また、履修生および教員の前で、リサーチの進捗状況や結果を報告するプレゼンテーション能力も養う。言語学分野の論文執筆にあたってのルール、発表形式を習得し、最後にゼミ論文を執筆する。
授業計画と内容
ドイツ語と日本語の対照に対する関心が高いため、2024年度前期は、最初に認知言語学の基礎的な方法論に基づく言語の捉え方について、日本語・ドイツ語それぞれを対象とした入門文献(籾山2009・岡本2001)から取り上げる予定である。
以下のように授業を進めることを提案するが、授業履修者の興味・関心に応じて柔軟に対応する。必要に応じて大幅な変更も視野に入れる。
【前期】
<日本語とドイツ語を分析対象とした入門文献の講読>
(1) オリエンテーション
(2) 認知能力と認知言語学的視点
(3) 比喩
(4) 推論と予測
(5) 視点と焦点
(6) 評価
(7) 婉曲表現
(8) 時間と空間
(9) 移動のスキーマと状態変化
(10) 場所表現の日独比較
(11) ドイツ語の不変化詞動詞と空間的意味
(12) 認知言語学の基礎知識・方法論についてのまとめ
<ゼミ論文の仮テーマ設定に向けて>
(13) ゼミ論文の仮テーマ設定に向けて⑴:ブレンストーミング
(14) ゼミ論文の仮テーマ設定に向けて⑵:文献リサーチの方法とテーマの探し方
【後期】
<ゼミ論文のテーマ設定と構想>
(1) オリエンテーション、ゼミ論文の仮テーマの報告
(2) 文献リサーチの進捗状況報告(4年生)
(3) 文献リサーチの進捗状況報告(3年生)
(4) 概念規定
(5) 先行研究の紹介⑴:理論研究
(6) 先行研究の紹介⑵:実証研究
(7) 分析対象となるデータの検討
(8) 分析項目の整理
(9) 作業手順と分析方法の検討
<テーマ、方法論ごとの発表とディスカッション>
以下は2023年度から継続して履修する学生の研究テーマに基づく。変更の可能性も含む。
(10) 文章・談話の分析を用いる研究テーマ
(11) 認知言語学を用いる研究テーマ
(12) 翻訳理論を用いる研究テーマ
(13) 関連性理論を用いる研究テーマ
(14) 総括:ゼミ論文執筆に当たっての約束事
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 80 | ゼミ論文の中で、該当する分野の基本的な概念や方法論を十分理解し、正確に用いることができたか、また基本的な概念や方法論を用いて、実際にデータを分析し、考察できたかを評価の対象とする。 |
平常点 | 20 | 口頭発表等を通してみる課題への取り組み方、ハンドアウト、他の履修者の発表に対する質問やコメントなどによる授業への貢献度を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
* 原則として、出席率が70%に満たない者、課題未提出の者はE判定となるので注意すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
授業中の発表には、必ずハンドアウトを用意すること。口頭もしくはハンドアウト返却によって伝えられたコメントは、次の発表および期末のレポート、ゼミ論文に必ず反映させること。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaを用いて、学生の反応や「気づき」を把握し、クラスで共有しながら授業を進める。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
岡本順治(2001)「認知言語論 -ドイツ語における空間認識と移動-」吉田光演・保坂靖人・岡本順治・野村泰幸・小川暁夫『現代ドイツ言語学入門 -生成・認知・類型のアプローチから-』pp.95-130.
籾山洋介(2009)『日本語表現で学ぶ入門からの認知言語学』研究社.
<参考文献:入門書を中心に>
カンミンギョン・時田伊津子・藤縄康弘編(2023)『ドイツ語学への視点・ドイツ語学からの視座』同学社.
三瓶裕文・成田節編(2008)『ドイツ語を考える -ことばについての小論集-』三修社.
三宅和子・野田尚史・生越直樹編(2012)『「配慮」はどのように示されるか』ひつじ書房.
橋内武(1999)『ディスコース 談話の織りなす世界』くろしお出版.
ライス、K.・フェアメーア、H. J.著、藤浪文子監訳(2019)『スコポス理論とテクストタイプ別翻訳理論 -一般翻訳理論の基礎-』晁洋書房.
* その他、テーマごとに授業の中で紹介する。
その他特記事項
(1) 発表に先立ち、ハンドアウトのたたき台を用意して事前に相談することを勧めます。
(2) 自分の担当箇所・テーマだけでなく、すべての学生の担当箇所・テーマに該当する文献を、毎回、必ず読んでから授業に出席してください。
(3) ゼミは参加者全員で作り上げるものなので、他の学生に迷惑をかけないよう、十分な準備をして臨んでください。また、発表当日に欠席・遅刻することのないよう、健康管理も怠らないようにしてください。
*連絡方法:オフィスアワーを含め、まずはmanabaまたはメールでご連絡ください。メールアドレスは、ゼミ準備コースで履修予定者にお知らせした通りです。