シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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専門演習(2)(8)/ゼミ演習(2)(8) | 2024 | 通年 | 月5 | 文学部 | 縄田 雄二 | ナワタ ユウジ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-DT3-C802,LE-DT4-C808
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<近世の挿絵本:『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』を中心に>
1510年代に、テクストを活字で、挿絵を木版で刷って刊行され、今日にいたるまで人気を保っている民衆本『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』をとりあげる。主人公ティル・オイレンシュピーゲルが活躍する滑稽譚である。各章の冒頭には章の筋を要約したセンテンスが置かれているが、それらのセンテンスをドイツ語原文で読解する(現代の正書法に合わせて綴りを書き直したものを添える)。また、原書の木版画を載せた日本語訳書(岩波文庫)で全篇を読みながら、テクストと挿絵の関係を議論する。(『ティル・オイレンシュピーゲル』には糞尿にかかわる笑いもところどころに仕込まれているのでおことわりしておく。)
ゼバスティアン・ブラント『阿呆船』(1494年)、嵯峨本『伊勢物語』(江戸時代初期)は、やはりテクストを活字で、挿絵を木版で印刷しており、『ティル・オイレンシュピーゲル』と時代も大きくは離れていない。時間があればこれらの一部も読み、『ティル・オイレンシュピーゲル』と比較したい。
科目目的
・このゼミは、ドイツ語圏の文化(文学を含む)のなかから、年度ごとに異なる対象を選んでいるが、視覚芸術をなるべく取り上げることを目指している。今年度は版画・挿絵の例を取り上げる。
・社会史家・阿部謹也の訳注で読むことにより、文学研究、美術史学に加え、歴史学や社会学の手法も読解に関わることになる。さまざまな学問の手法に触れることも目指す。
到達目標
・古い時代のドイツ語も、簡単なものならば、読めるようになる。
・視覚芸術(この場合は版画)を分析する力をつける。
・挿絵との関連において文学を読む力をつける。
・16世紀のドイツ社会の様相を知る。
授業計画と内容
毎回の授業は以下のように進行する予定である。
・該当の章(例えば第1-4話など)を予習。訳書を注釈も含めて読むほか、章冒頭のセンテンスのドイツ語原文も読む。
・授業ではドイツ語原文をまず読解する(ときどき小試験で理解を確認する)。次いで、訳本を予習していて分からなかったこと、挿絵と文章との関係について気づいたことにつき、パートナーとディスカッションする。そのあと全員でディスカッションする。
・それぞれの章における挿絵と文章の関係につき、担当者を決めて、授業後にレポートを作成してもらう。ディスカッションをまとめた議事録のようなものである。
・後期のしめくくりには、 『ティル・オイレンシュピーゲル』と、ゼバスティアン・ブラント『阿呆船』あるいは嵯峨本『伊勢物語』とを比較するレポートを書いていただく。
前期
1 導入(序文を読むなど)
2 第1-4話
3 第5-8話
4 第9-12話
5 第13-16話
6 第17-20話
7 第21-24話
8 第25-28話
9 第29-32話
10 第33-36話
11 第37-40話
12 第41-44話
13 第45-48話
14 第49-52話
後期
1 第53-56話
2 第57-60話
3 第61-64話
4 第65-68話
5 第69-72話
6 第73-76話
7 第77-80話
8 第81-84話
9 第85-88話
10 第89-92話
11 第93-96話
12 ゼバスティアン・ブラント『阿呆船』
13 嵯峨本『伊勢物語』
14 総括
以上、変更がありうる。
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
以下の予習を課す。
・『ティル・オイレンシュピーゲル』各章の冒頭に置かれた、話の概要を記したセンテンスを、ドイツ語原文で読む。
・『ティル・オイレンシュピーゲル』の該当章を岩波文庫本で注釈も含めて読む。
・文字で書かれた物語と版画との関連を考察する。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 出席、議論への参加、レポート(複数提出していただくので平常点に分類する)、小試験を総合し、評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
阿部謹也訳注『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(岩波文庫)を購入していただきたい。