シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ドイツ語学Ⅱ(2)(4):演習 | 2024 | 後期 | 水3 | 文学部 | 林 明子 | ハヤシ アキコ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-LG2-C855,LE-LG2-C856
履修条件・関連科目等
⑴「独文基礎演習⑴」「ドイツ語学I⑴⑶:講義」「ドイツ語学I⑵⑷:演習」もしくは国語学、英語学を含む言語学分野の授業を履修済みで、言語学の基礎を十分身につけた学生は、後期のみの履修でも差し支えないが、本授業は、基本的に前期開設の「ドイツ語学II ⑴⑶:講義」が履修済みであることを前提としている。
⑵ 本授業に加えて「ドイツ語学I⑵⑷:演習」も合わせて受講することが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
言語学の魅力の一つとして、言語事実の観察・分析を通して、背景にある社会や文化に客観的に迫ることがあげられます。そのためには、専門用語や方法論を整理し、具体的な言語資料を分析して、その結果を意味づけるプロセスを体験することが有効です。授業では、実証的な先行研究の講読を通して、調査対象となる問題の発見、データ収集、データの分析方法を学びます。前期開設の「ドイツ語学Ⅱ⑴⑶:講義」に引き続き、今年度は語用論が中心にはなりますが、後期では、より幅広くドイツの社会・歴史・メディアとの関連の中でドイツ語の資料を観察・分析したさまざまな論文を取り上げます。担当論文を決め、その内容を発表・議論します。口頭発表を経て、学期末にミニ論文の形にまとめたレポートを提出します。
科目目的
具体的な言語資料の分析結果に基づいて、言語の構造や機能について考察する能力を養うことが目的です。将来、どの分野で卒業論文や卒業研究を執筆することになっても、言語事実を観察・分析することによって、背景にある社会や文化に客観的に迫れる力を身に付けることを目指しています。
到達目標
本授業では、前期に引き続き語用論分野に焦点を当てると同時に、社会言語学分野の先行研究も扱います。実証的な先行研究に倣いながら、ドイツ語で書かれたデータを実際に分析することを追体験することによって、生データを分析できる方法論を身に付けます。具体的な言語資料を、方法論に則って分析した客観的な結果に基づいて、言語運用や背景社会についても考察・議論する力を身に付けます。
授業計画と内容
* 担当する実証的な文献を決めて、グループで報告します。
* 取り上げる文献については、授業の中で履修者の希望を聞きながら最終的に決定します。それにより、以下に予定するテーマおよび文献の暫定的な順番は、大きく変わる可能性があります(履修者数も関係します)。
(1) オリエンテーション:言語学分野の実証的研究・分析対象資料について
(2) ジャーナリズムのテクスト
(3) 新聞記事のテクスト言語学的分析:言い換えに注目して
(4) 新聞記事の批判的談話分析:「移民」をテーマに
(5) 会話分析と語用論
(7) ドイツ語母語話者・非母語話者間の会話分析
(8) ドイツ語の表現:呼称・依頼・陳謝を中心に
(9) Politolinguistik
(10) 政治家の演説の分析:ヒトラー演説を例に
(11) 多言語併用の社会
(12) 多言語併用社会と教育:ルクセンブルク大公国の場合
(13) 多言語併用社会と言語継承:アルザス地方の場合
(14) 総括:期末レポート(ミニ論文)の執筆に向けて
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
* 授業中の発表には、必ずハンドアウト等の配布資料を用意してください。
* 発表に先立ち、ハンドアウトのたたき台を用意して事前に相談することを勧めます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 当該分野の基本的な概念や方法論を十分理解し、論文形式の文章の中で正確に用いることができるか、また基本的な概念や方法論を用いて、実際にデータを分析できるようになったかを評価の対象とします。正確な引用と出典表記も重視します。 |
平常点 | 40 | 発表準備および発表を通した課題への取り組み、授業への貢献度を評価します。ハンドアウト作成にあたっても、正確な引用と出典表記には十分注意を払ってください。「今日のひとこと」などを通した授業内の「小さな気づき」も重視します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
* 原則として、出席率が70%に満たない者、課題未提出の者はE判定となるので注意すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
* 課題等に対する授業中のコメント内容は、期末レポートやその後の学びに反映させてください。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaのアンケート機能を用いて、学生の反応や「気づき」を把握し、クラスで共有しながら授業を進めます。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
* 履修者の決定を見て、実際に授業で扱う論文名のリストを配布します。 以下は、関連する参考文献例です、
<参考文献>
岡本能里子・佐藤彰・竹野谷みゆき編(2008)『メディアとことば3 社会を構築することば』ひつじ書房
加藤重広・滝浦真人編(2016)『語用論研究法ガイドブック』ひつじ書房
木村護郎クリストフ、平高史也編(2017)『多言語主義社会に向けて』くろしお出版
高田博行(2014)『ヒトラー演説 -熱狂の真実-』中公新書
山下仁・渡辺学・高田博行編(2011)『言語意識と社会 −ドイツの視点・日本の視点−』三元社
渡辺学・山下仁編(2014)『講座ドイツ言語学 第3巻 ドイツ語の社会語用論』ひつじ書房
<辞典/事典類>
*専門の辞典類は、専門用語を中心に予・復習の役に立ちます。
亀井孝他編著(1996)『言語学大辞典 第6巻 術語編』三省堂
斎藤純男・田口善久・西村義樹編(2015)『明解言語学辞典』三省堂
ドイツ言語学辞典編集委員会編(編集主幹: 川島淳夫)(1994)『ドイツ言語学辞典』紀伊國屋書店
Bußmann H. (Hrsg.) (2008) Lexikon der Sprachwissenschaft. Stuttgart: Alfred Kröner Verlag.
Lewandowski, Th. (Hrsg.) (1990) Linguistisches Wörterbuch. 5., überarbeitete Aufl. Heidelberg, Wiesbaden: Quelle & Meyer
*その他の参考文献は、テーマに応じて授業中に紹介します。
その他特記事項
* どの回もドイツ語の具体例の詳細な分析を扱います。能動的かつ積極的な授業態度が求められ、「聞いているだけ」の時間はありません。
* 連絡方法:オフィスアワーを含め、まずはmanabaまたはメールでご連絡ください。メールアドレスは、授業開始後、履修者にお知らせします。