シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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ドイツ社会誌演習(2)(4)/ドイツ社会誌演習(2) | 2024 | 後期 | 金2 | 文学部 | 磯部 裕幸 | イソベ ヒロユキ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-DT2-C864,LE-DT2-C866
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
授業テーマ:「フランクフルト学派とは何か?その思想と歴史」
本授業は、1923年に設立されたドイツの「社会研究所」、およびそこに集った思想家たちにより形成された「フランクフルト学派」の歴史を追いながら、ワイマール期から戦後期に至るまでの(西)ドイツにおける社会分析のあり方、およびそれを取り巻く政治・社会状況を考察するものである。当時ヘーゲルに代表される観念論的な歴史理解、社会理解に代わって「批判理論」と呼ばれる新しい立場を鮮明にした彼らは、その鋭い社会批判ゆえにナチズムから敵視され、多くの研究者がアメリカへの亡命を余儀なくされた。しかし戦後の西ドイツでは再び活動の場をヨーロッパに移し、「ポスト・ナチ」時代における民主主義のあり方をめぐり積極的に意見を発信していった。
授業では、彼らが着目した「社会」とは一体何だったのか、また彼らが目指す「民主主義」とはどういうものだったのか、またその思想の可能性と限界はどこにあるのかといったことについて、関連する文献を購読しながら考えてみたい。同時に、「文化」や「学問」の「歴史」(文化史)を考えることの意味についても検討していく予定である。
使用教科書
(文献A)各自で準備すること!
・細見和之『フランクフルト学派―ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』(中公新書・2014年)(ISBN-13:978-4-12-102288-2)
(文献B)授業担当者がコピーを準備する
・柴田育子「『公的な歴史認識』の基準をめぐって―ドイツ歴史家論争」『倫理学(筑波大学倫理学研究会)』14(1997)・75-95頁
(文献C)授業担当者がコピーを準備する
・白川耕一「ドイツ『過去の克服』と日本人大学生」『國學院大學教育開発推進機構紀要』5(2014)・11-21頁
科目目的
(1)ドイツ語圏の社会思想の歴史について、各時代の社会的文脈を踏まえた上で検討する
(2)ドイツ近現代史やヨーロッパ史、世界史に関する基本的な知識を獲得する
(3)「フランクフルト学派」の歴史から、「文化史」の可能性を探る
到達目標
(1)アドルノやホルクハイマー、ハーバーマスなどからドイツ語圏における「思想史」の一端を知る
(2)難解なテキストを、時間をかけてじっくり読みながら、その意味するところを把握できるようになる。
授業計画と内容
第1回 導入:戦後ドイツ史概観―「ナチ犯罪」をめぐる問題
第2回 社会研究所の創設と初期ホルクハイマー(その1)(文献A:1-12頁)
第3回 社会研究所の創設と初期ホルクハイマー(その2)(文献A:12-27頁)
第4回 「批判理論」の成立(文献A:27-56頁)
第5回 亡命の中で紡がれた思想(ベンヤミン)(文献A:57-90頁)
第6回 『啓蒙の弁証法』の世界(ホルクハイマーとアドルノ)(その1)(文献A:91-109頁)
第7回 『啓蒙の弁証法』の世界(ホルクハイマーとアドルノ)(その2)(文献A:110-130頁)
第8回 アドルノと戦後ドイツ(その1)(文献A:131-150頁)
第9回 アドルノと戦後ドイツ(その2)(文献A:150-170頁)
第10回 批判理論の新たな展開(ハーバーマス)(その1)(文献A:171-190頁)
第11回 批判理論の新たな展開(ハーバーマス)(その2)(文献A:190-207頁)
第12回 未知のフランクフルト学派を求めて(ほか)(文献A:209-231頁)
第13回 戦後ドイツにおける「過去の克服」(その1)―「歴史家論争」から考える(文献B)
第14回 戦後ドイツにおける「過去の克服」(その2)―ドイツと日本(文献C)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 70 | 授業への出席と積極的な参加が条件。また毎回担当者を決め、講読箇所の内容を端的にまとめたレジュメを提出してもらうので、その準備も忘れないこと。 |
その他 | 30 | 学期末課題(レポート)を課すので、必ずmanabaの情報をチェックし期限内に提出すること。 レポートの内容や体裁、提出方法等詳細は追って連絡する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
原則として4回以上無断欠席を繰り返した者、授業中私語等でで他人の学修環境を著しく悪化させた者に対しては単位が認められないので、充分注意すること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
【テキスト】
(文献A)各自で準備すること!
・細見和之『フランクフルト学派―ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ』(中公新書・2014年)(ISBN-13:978-4-12-102288-2)
(文献B)授業担当者がコピーを準備する
・柴田育子「『公的な歴史認識』の基準をめぐって―ドイツ歴史家論争」『倫理学(筑波大学倫理学研究会)』14(1997)・75-95頁
(文献C)授業担当者がコピーを準備する
・白川耕一「ドイツ『過去の克服』と日本人大学生」『國學院大學教育開発推進機構紀要』5(2014)・11-21頁