シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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フランス文学史A | 2024 | 前期 | 水3 | 文学部 | 田口 卓臣 | タグチ タクミ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-FS1-D201
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
フランスの地理に始まり、フランス語圏文学の背景となった歴史を大まかに把握します。また、それぞれの時代を代表する作品を少しずつ取り上げ、作家たちの抜粋文を一緒に味わうとともに、そこから現代につながるどのようなテーマに応用できるかを、皆さんと一緒に考えていきます。
前期の授業で扱うのは、主に、ルネサンスから19世紀初めまでの文学です。したがって、これらの文学は、いわゆる「古典」に当たります。
ところで、皆さんにとって、「古典」とは、古臭くて退屈なもの、と感じられるかもしれません。しかし、「古典」とは、そもそも数百年の時代を超えても、いまだに読み継がれているという点で、命の長い作品ばかりです。「古典」とは、何よりも、現代的な諸問題をリアルに考えるために必要不可欠なベースに当たるのです。
このような観点に立って、私たちが「古臭い」と決めつけている作品や作家が、実はどれほど深く、どれほど強く、現代的な考え方に影響しており、いまだに全く古びていないかということを、洗い出していきたいと思います。
注1=いわゆる「概説」スタイルで「この文学者はこうである」という決めつけの講義は行いません。様々な画像や引用文を提示し、皆さんがどう感じるかを重視します。そのため、授業内部では、教室で直接皆さんにマイクを向け、感じたことを発話していただきます。
注2=文学史の授業ですが、映画、音楽、アニメ、マンガなどにもそのつど言及する予定です。それらのジャンルが「文学」の影響を大きく受けていることを体感してもらうためです。
科目目的
膨大な作品と作家を有するフランス文学の各時代の特徴を把握し、フランス文学の底流を成す歴史的文化的背景をまとめながら、フランス文学に現れた強烈な個性を取り上げていきます。
到達目標
受講生は、フランス文学史についての初歩的な知識を得るとともに、単なる感想とは異なる作品の読み方を学んでいきます。
授業計画と内容
1 オリエンテーションーー「古典」とは何か?
2 ルネサンス概説、カルヴァンーー「批判的に考える」とはどういうことか?
3 ラブレーとマルグリット・ド・ナヴァール――「笑い」とは何か?
4 ラ・ボエシとモンテーニューーなぜ人は自発的に「隷従」するのか? 思考と感情の自己訓練
5 「絶対王政」概説、ラ・ロシュフコーーー「不寛容」とはどういう態度のことか? 人間の「仮面」を暴く箴言集
6 デカルトとパスカル――「自伝」の傑作『方法序説』、「過去と未来」のために「現在」と取り逃がす人間
7 モリエールとラシーヌ――「ヴェルサイユ宮廷文化」と「古典主義演劇」の関係
8 ペロー、ラフォンテーヌ、ラ・ファイエット夫人ーー「童話」の魅力と残酷、「恋愛ゲーム」に勝つとはどういうことか?
9 18世紀フランス概説、モンテスキュー――実は「大災厄」が多かった時代、経済不安の中で生き延びる文学
10 ディドロとダランベールーー『百科全書』の編集知、「真の知識」とはどういうものか? 文系と理系をつなぐ感性、文学と美術批評の横断
11 ヴォルテールとルソーーーリスボン大震災と「文明災」の視点、世界初の「冤罪事件」としてのカラス事件から、「死刑」をどのように捉えるか?
12 ルソーとベルナルダン・ド・サンピエールーー「自分語り」の先駆者、ルソーの「迫害妄想」、『ポールとヴィルジニー』における「ロマン主義」
13 「女性」の視点ーー18世紀フランス文学における「悪女」の系譜、人権宣言における「西洋白人=男性中心主義」を批判するフェミニストの先駆者
14 全体のまとめ
*受講生の理解度を重視して進めます。そのため、各回の内容や順序は変更することがあります。欠席回の内容については、きちんと確認してください。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・学期中3回に分けて、小レポートを提出していただきます。授業内容の基本的な理解度を判定します。
・学期中に示した参考文献リストをもとに、日本語訳で構いませんから、フランス文学の作品を少しでも読んでみてください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 学期中3回に分けて、小レポートの提出をしていただきます。授業内容の基本的な理解度を判定します。 |
平常点 | 40 | 授業への積極的な参加姿勢をもとに判断します。毎回の授業後のコメント提出も判定材料となります。授業コメントは、manabaの「小テスト」機能を用います。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
・manabaを通して、事前に読み込むテクストを提示する場合があります。
・manabaを通して、双方向的な個人指導を行うことがあります。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
・テキスト
授業でプリントを配布します。
・参考書
横山安由美・朝比奈美智子編著『はじめて学ぶフランス文学史』ミネルヴァ書房、2002年。
永井敦子・畠山達・黒岩卓編著『フランス文学の楽しみかた ウェルギリウスからル・クレジオまで』ミネルヴァ書房、2021年。
その他特記事項
・出席は、毎回の授業コメントの提出を通して、確認します。
・manabaを通して、双方向的な個人指導を行うことがあります。
参考URL
この授業は、仏文専攻・語文コース系の教員が担当しています。
特にブログには、専任教員のゼミの模様が詳しく紹介されているので、コース選択やゼミ選択のために参考にしてください。
語文コースHP https://sites.google.com/g.chuo-u.ac.jp/futsubun-gobun/
語文コースブログ https://chuo-bun-futsubun-gobun.blogspot.com/