シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 文学Ⅰ | 2026 | 前期 | 火4 | 経済学部 | 森岡 実穂 | モリオカ ミホ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
EC-IF1-171X
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
前期には、「戦争と文学/オペラ」というテーマで、文学・文化史上も重要な「トロイ戦争」を描いたギリシア・ラテン文学によるオペラ3本(モーツァルト《イドメネオ》、R・シュトラウス《エレクトラ》、ベルリオーズ《トロイ人》)、そして第二次世界大戦時にナチス・ドイツにより行われたホロコーストを題材にしたインゲ・ショル『改訳版 白バラは散らず: ドイツの良心 ショル兄妹』とゾフィア・ポスムイシ『パサジェルカ(女船客)』をもとに書かれたツィンマーマン《白いばら》、ヴァインベルク《パサジェルカ》、そして実際にテレージエンシュタット強制収容所で上演された子どもオペラ、ハンス・クラーサ《ブルンジバール》について学びます。オペラの内容、テーマを紹介したあと、現代のオペラハウスではどのような解釈が行われているのか、その実例を見ながら、作品のもつ、現代に通じる多様な政治性について考えます。
これらの作品を通じて得られる、ジェンダーと家父長制、オリエンタリズム、性と生殖に関する権利ほか、さまざまな批評的テーマを学びながら、文学作品や資料を読み、実際の上演映像を鑑賞します。作品の書かれた時代の思想状況・政治状況はどのように作品に影響を及ぼしているのか、「人種」「階級」「ジェンダー」に関する意識はどのように違うのかなどを知り、それが現代の演出にどのように反映しているかを分析します。
西洋人文科学の基礎中の基礎である西洋古典文学の素養を身に着けること、現代の世界を正しく把握するために必要な「人道に反する罪」であるホロコーストに関する基礎的な知識を学ぶこと自体もこの講義の大切な学習目的です。
複数の上演映像を比較しながら、再現芸術だからこそ持ちうる現代社会への批評的視点の読み取り方を学びます。オペラは、どんなに昔に書かれたものでも、遠い過去の芸術ではなく、上演を通して常に同時代の芸術であり得ているものなのだということを知ってください。
科目目的
名作オペラとその原作の文学作品について基本的知識を得ること。作品の背景にある文化的・歴史的・社会的基礎知識を身に着けること。舞台芸術の鑑賞方法を身につけ、オペラのもつ現代に通じる政治性を認識すること。
到達目標
戦争を題材とした名作オペラとその原作文学について、資料を読み、背景を理解しながら鑑賞し、基礎的な知識を得ること。各作品の提示する問題について的確な分析ができること。
授業計画と内容
1 イントロダクション 現代のオペラ上演の意義
【トロイ戦争とオペラ~ギリシア悲劇を原作に】
2 モーツァルト《イドメネオ》(1) 国家と家父長制
3 モーツァルト《イドメネオ》(2) 戦争とPTSD
4 R・シュトラウス《エレクトラ》(1) 戦争が犠牲にする「家族」~母クリテムネストラ
5 R・シュトラウス《エレクトラ》(2) 戦争が犠牲にする「家族」~姉エレクトラと妹クリソテミス
【トロイ戦争とオペラ~ヴェルギリウス『アエネーイース』を原作に】
6 ベルリオーズ《トロイ人》(1)第一部《トロイの包囲》
7 ベルリオーズ《トロイ人》(2)第二部《カルタゴのトロイ人》大国の犠牲となる小国
【ナチスによるホロコーストとオペラ】
8 ツィンマーマン《白いばら》 ~インゲ・ショル『改訳版 白バラは散らず: ドイツの良心 ショル兄妹』
9 ハンス・クラーサ《ブルンジバール》 テレージエンシュタット強制収容所で上演された子どもオペラ
10 ヴァインベルク《パサジェルカ》(1)原作ゾフィア・ポスムイシ『パサジェルカ(女船客)』
11 ヴァインベルク《パサジェルカ》(2)アンジェイ・ムンク監督による映画『パサジェルカ』
12 ヴァインベルク《パサジェルカ》(3)オペラ版の基本構造 デイヴィッド・パウントニー演出を通して
13 ヴァインベルク《パサジェルカ》(2)「現在」の視点を重ねて ナジャ・ロシュキー演出を通して
14 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
毎回の授業終了後の「リアクションペーパー」は必須です。また、課題作品について、授業時間内だけで全体を見るのは無理なので、時間外に指定した映像(有料の場合あり)を自習として観てもらいます。加えて、その週に配布した論文なども読んでもらうことになります。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 期末試験(到達度確認) | 60 | 最終回の授業で、授業内容の理解度を確認する筆記テストを実施します。 |
| 平常点 | 40 | 毎回manabaの「レポート」から、授業を通じて考えたことについて300~400字の「リアクションペーパー」を提出してもらいます。10回以上出席することを試験受験の必須条件とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業は対面で行います。映像はスクリーンで見せますが、資料配布や板書にあたるものは manabaを通して配布しますので、教室にいる人にもPCやタブレットなど資料を見られる媒体を持参してください。
毎回manabaの「レポート」から、授業を通じて考えたことについて300~400字の「リアクションペーパー」を提出してもらいます。10回以上出席することを試験受験の必須条件とします。その上で、最終回の授業で、授業内容の理解度を確認する筆記テストを実施します。試験60%、平常点(リアクションペーパー)40%とします。初回の授業で詳しく説明しますので、かならず受講してください。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
毎回のリアクションペーパーの内容について、授業の最初に紹介したり、寄せられた質問に答えたりしていきます。
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
資料配布や板書にあたるものは manabaを通して配布しますので、PCやタブレットなど資料を見られる媒体を持参してください。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
レジュメを manabaで配布します。参考論文なども manabaで配布しますので、これも必ず目を通してください。
また、課題作品映像について、有料オンデマンド配信を指定することもあります(価格未定)。
【参考文献】
丹下和彦 『ギリシア悲劇 人間の深奥を見る』(中公新書) Kindle版
インゲ・ショル (著), 内垣 啓一 (翻訳)『改訳版 白バラは散らず: ドイツの良心 ショル兄妹』(未来社)
對馬 達雄『ヒトラーに抵抗した人々 - 反ナチ市民の勇気とは何か 』(中公新書)
森岡実穂『オペラハウスから世界を見る』(中央大学出版部)
森岡実穂(編著)『劇場と表象―オペラ・演劇・映画と批評―』(中央大学出版部)
その他特記事項
●連絡が必要な場合は mmorioka001j@g.chuo-u.ac.jp まで連絡ください。
その際、「件名」に「火4文学 [あなたの氏名] + 用件」を明記して、誰からのメールかわかるようにしておいてください。本文でも自分の名前を名乗ること。