シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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古文書学(2) | 2024 | 前期 | 月2 | 文学部 | 小林 一岳 | コバヤシ カズタケ | 2・3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PL2-F212
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
歴史を研究するためには、史料が必要であることはもちろんです。歴史史料には文字に書かれた文字史料や、考古史料や絵画史料などの非文字史料がありますが、文書は文字史料の中でも多くの情報を得ることができる重要なものになります。
しかし、文書を歴史史料として扱うためには、その様式や機能などの基礎的な知識が必要です。そのような、文書についての学問を古文書学といいます。この授業は、古文書の基礎的知識を習得するとともに、基本的な中世文書を読み解きながら、中世の古文書についての概要を把握するためのものです。文書の様式や機能を通じて、古文書の背景にある中世の国家や社会のあり方などについて学ぶことになります。
古文書学(2)では、朝廷や鎌倉幕府・室町幕府、戦国大名が出した発給文書を中心に、中世国家のあり方や、国家からみた中世社会のあり方について学ぶことにします。
なお、本講義は古文書の「くずし字」の読解については一部扱いますが、それを主な目的とするものではないので、その旨を了解してください。
科目目的
文学部の日本史関係科目の目的である、「日本の歴史に関する深い知識を身に付けることができる。及び様々な事柄に対する高い情報収集力・分析力を養うことができる。」ということに関連する科目です。
古文書から得られる情報をその内容だけではなく、様式や機能も含めて収集・分析し、深い歴史研究につなげていく能力を育成することを目的とします。
到達目標
古文書の様式や機能について基礎的な知識を獲得し、説明することができる。古文書の様式・機能についての学びを前提として中世の国家と社会の関係を理解して説明することができる。その際、鎌倉幕府と室町幕府の違いやその特質、戦国大名権力の特質について、古文書を通して説明できる。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス-歴史資料の中の古文書
第2回 古文書の基礎知識-変体漢文・くずし字・花押・料紙等
第3回 古文書の作成と伝来-案文と正文・発給と受給・伝来と偽文書
第4回 朝廷・貴族の文書-宣旨・官宣旨・下文
第5回 天皇・院の文書-綸旨・令旨・院宣
第6回 鎌倉幕府の文書① 下文・御教書
第7回 鎌倉幕府の文書② 奉書・下知状・裁許状
第8回 鎌倉幕府の文書③ 訴状・問状・陳状・召文
第9回 室町幕府の文書① 下文・下知状・御判御教書
第10回 室町幕府の文書② 戦争の文書(軍勢催促状・軍忠状・着到状・感状)
第11回 室町幕府の文書③ 奉書・遵行状
第12回 戦国大名の文書① 直状・書下・判物
第13回 戦国大名の文書② 書状・印判状
第14回 授業のまとめ・レポート
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業内容に関する簡単な課題・レポートを提出する
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 100 | 授業内容を理解した上で、説明できるかどうかを評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
参考文献
・佐藤進一『新版 古文書学入門』法政大学出版局2003年
・飯倉晴武『古文書入門ハンドブック』吉川弘文館2017年
・久留島典子・五味文彦『史料を読み解く1 中世文書の流れ』山川出版社2008年
・苅米一志『日本史を学ぶための 古文書・古記録訓読法』吉川弘文館2019年
・小島道裕『中世の古文書入門』河出書房新社2019年