シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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東洋史学基礎演習(1)B | 2024 | 後期 | 月4 | 文学部 | 松本 隆志 | マツモト タカシ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-OH1-G012
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本授業では、指定した英文テキストを受講者全員で分担して読んでいきます。毎回の授業は以下のプロセスで進行していきます。
(1)担当者による担当内容の発表
担当者は、テキストの担当箇所をしっかりと読んで全訳し、その内容を踏まえて要旨を作成し、訳文に必要な注釈を入れてレジュメを作成し、さらに注釈作成に用いた典拠のコピーを資料として添付してもらいます。
発表後は下記の質疑に対する回答も担当してもらいます。きちんとテキストを読み込んで自分の理解を形成しておかないと、あるいは理解の及ばない点については注釈作成等の調査をしておかないと、質疑に対して何も回答できなくなります。
(2)受講者から担当者への質疑
担当者以外の受講者は、テキストを読んで質問を準備してきてもらいます。まず挙手による自由な質問を受け付けます。その上で質疑時間に余裕があれば講師が質問者を指名します。
担当一人の発表につき複数の学生に質問を求めていくので、学期中に全員が数回は質問をしてもらう予定です。
そのため、毎回事前に複数の質問を用意しておきましょう。そうしないと指名された時に質問できなくなります。
(3)講師による解説
担当者による発表内容や質疑への補足や修正、追加説明、文献紹介などを講師がおこないます。
(4)課題論述の作成・提出
授業時間後半の20-30分程度を使って200字程度の課題論述を作成・提出してもらいます。
書いてもらうことは主に、当日の発表範囲となったテキストの内容に関する理解と考察となる予定です。時に講師から特定のテーマを与えることもあり得ます。
担当者による発表も、その後の質疑も、この課題作成を念頭に置いておこなってもらうことになります。
提出された課題論述については、次回授業の冒頭でフィードバックをおこないます。提出された中から講師が任意に論述を選び出し、講評をおこなう予定です。
科目目的
英文テキストの読解を通じて、主に以下の3点を身につけることを目的とします。
(1)英語の学術文献の読解と翻訳における一連の作業を修得する
(2)テキストの読解に必要な周辺情報を調査する技術(図書データベースの利用、文献の収集)を修得する
(3)自分の問い・考察・回答からなるレポートの書き方を修得する
到達目標
上記の目的について習熟すること。
加えて、学生が自らの問い・考察・回答を提示できるようになること。
授業計画と内容
第01回 ガイダンス:授業の内容、目的、意義、注意事項
第02回 講師見本(1):予習の仕方、レジュメの作り方、発表の仕方
第03回 講師見本(2):質疑の仕方、ショートレポートへの取り組み方
第04回 発表 マフディーとハーディー
第05回 発表 ハールーン・ラシードと「黄金時代」の王朝
第06回 発表 神話の中のカリフ:イスラームとオリエンタリスト
第07回 発表 アッバース朝と対外政策
第08回 発表 ラシードの後継者選択
第09回 発表 アミーンとマアムーンによる後継争い
第10回 発表 再統合と転換の時代
第11回 発表 哲人カリフ
第12回 発表 マアムーン、ムウタズィラ学派、そしてミフナ
第13回 発表 カリフとイスラーム法学者たちの争い
第14回 総括・まとめ
以上の授業計画は状況によって変更となる可能性があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前にテキストを読んでくることは必須です。
また、テキスト内容を理解するためにはアッバース朝史の歴史情報が必要となるので、自分の担当個所以外でもある程度の調査が必要となります。
予習としてテキストを読みながら、自分なりの問いを何点か作成していきましょう。
この作業をしっかりと積み重ねることが、毎回の質疑や課題論述の作成、レポート作成の役に立ちます。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | レポートの作成要領にきちんと従っているかどうか、問い・考察・回答がきちんと示された論述になっているかどうか等を評価します。 |
平常点 | 50 | 毎回の課題論述の提出、発表担当時のレジュメ、非担当時の積極的な質問等を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
5回以上の欠席、期末レポート未提出は単位取得不可です。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
(1)テキスト(manabaでPDFファイルを配布予定)
Tayeb El-Hibri, The Abbasid Caliphate: a history, Cambridge U. P., 2021.
(Ch. 3, The Golden Age of Abbasid Caliphate (775-833) 部分)
(2)参考文献
小杉泰,『イスラーム帝国のジハード』(興亡の世界史06),講談社,2006年(講談社学術文庫版,2016年).
佐藤次高,『イスラーム世界の興隆』(世界の歴史8),中央公論新社,1997年(中公文庫版,2008年).
佐藤次高編,『アラブ』(世界各国史8;西アジア1),山川出版社,2002年.
嶋田襄平,『イスラムの国家と社会』(世界歴史叢書),岩波書店,1977年.
上記4冊のイスラーム史概説書のいずれかを、アッバース朝時代まで読んだうえでテキストの読解に取り組みましょう。
特に上から2冊は文庫本になっていて比較的安価なので、イスラーム史に興味のある人は購入しておいてもいいかもしれません。
(3)工具書
『新イスラム事典』,平凡社,2002年.
『岩波イスラーム辞典』,岩波書店,2002年.
以上の2点は予習の際に必ず参照しましょう。人名・地名についてはまずこの2点両方を調べることが必要です。
The Encyclopaedia of Islam, 2 ed., E. J. Brill, 1960-2002.
英語のイスラーム百科事典です。イスラーム史に関して最大級の情報量をもち、日本語では得られない情報(マイナーな人名、地名)についても調べることができます。上記の日本語の事辞典を調べても情報を得られなかったら、こちらを参照しましょう。
その他特記事項
テキストは前期中にPDFファイルで配布予定です。
夏季休業期間を使って予習しておきましょう。