シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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教育学演習(3)/教育学演習(3)(9) | 2024 | 通年 | 月2 | 文学部 | 池田 賢市 | イケダ ケンイチ | 3・4年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-ED3-N803
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
「人権」をめぐる国内外の状況について学習し、人権教育のあり方を具体的に考えていく。そのために、まずは日本国憲法や国際人権規約等についての理解を深めると同時に、人権侵害の状況(=差別)を具体的に考えていく。そのうえで受講生各人が個別の「人権課題」を設定し、テキストから読み取った考え方などを活かして、差別の現実や人権教育の具体的なあり方などについて発表する。
科目目的
さまざまな人権課題について、社会構造的な観点から問題を指摘し、その差別状況を具体的に把握するとともに、それらの解決のひとつの方法として、「差別」の存在を指摘し、その解決のための教育的課題、人権教育のあり方などについて提言していけるようになることをめざす。
到達目標
・国内外の人権侵害の具体を(歴史的な観点も含めて)指摘できる。
・実際の差別事件のなかに社会構造的な課題を見出していける。
・学校教育のなかでの人権教育の課題を明確に指摘できる。
授業計画と内容
前期
1 イントロダクション
2 人権および差別の概念や定義について
3 日本国憲法および国際条約等に見る「人権」の考え方
4 日本における人権教育の歴史(部落差別問題を中心として)
5 日本における人権教育の現状と課題
6 人権教育に関する討論および国際人権という考え方について
7 アファーマティブアクションに関する基礎的理解
8 差別感情をめぐる具体的課題
9 国際社会における差別問題(人種差別など)
10 諸外国の人権教育
11 学校文化と差別問題
12 自己肯定感の問題
13 前期の課題整理(討論)
14 人権課題についてのまとめの討論
後期
1 後期の内容についてのイントロダクション
2 部落差別についての基礎的理解
3 土地に関する差別感情について
4 戸籍に関する日本国内の諸問題について
5 部落差別に関する基礎的討論
6 差別をめぐる意識調査の概要について
7 人権問題をめぐる裁判について
8 優生思想と学校文化との関連について
9 人権教育の具体的検討
10 自治体による人権教育施策について
11 人権教育をめぐる討論
12 差別の現実についての討論
13 総括討論に向けた課題整理
14 総括討論と全体のまとめ
受講生の課題設定や国内外の人権関連の事件等によって順番等を変える場合がある。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
マスコミ等で報道される差別事件等に着目しておくこと。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 40 | 自分が担当した人権をめぐる課題について、授業での議論を踏まえて、社会構造のあり方に着目しながら事例などを用いて詳しく解説しているかどうかを評価する。 |
平常点 | 60 | テキスト分担個所の発表内容、議論への積極的な参加、小課題への回答内容(授業中に提出することを基本とする)を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
授業は、受講生の発表形式で進めることを基本とするため、担当した報告の内容と授業での議論への積極的な参加を総合的に評価し評定する。なお、年間を通して、特別の理由なく出席回数が20回に至らない場合には、たとえ発表をしていても、評価の対象とはしない(単位は認定されない)。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaを通じて、報告へのコメントや受講生同士の意見交換などを行う。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト: 『差別する人の研究』(阿久澤麻理子著、旬報社、2023年刊、1700円+税)
参考文献: 『障害者殺しの思想』(増補新装版)(横田弘著、現代書館、2015年刊)/『被抑圧者の教育学』(フレイレ著、亜紀書房)、『沈黙する人権』(石埼他編、法律文化社)/『人権の精神』(高内寿夫著、成文堂)/『「当たり前」をひっくり返す』(竹端寛著、現代書館)/『学びの本質を解きほぐす』(池田賢市著、新泉社)