シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本の思想の歴史/日本倫理思想史A | 2024 | 前期 | 月4 | 文学部 | 米田 達也 | ヨネダ タツヤ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE1-T008
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本の思想は、常に先進的な外来思想(前近代では主に中国思想、近代以降は西洋思想)を選択的に受け入れながら、それに一定の変容を施し修正することで形成されてきました。何が変容を惹き起こすコアな要因になるのか、さまざまな議論がありますが、いずれにしても、ある種の変容を受けて歴史的に根づいた思想にこそ、日本的な独自の「個性」が認められることは確かなようです。
授業では、そうした日本の「個性」を表現する豊かな思想のうち、私たちのものの見方や考え方に深く持続的な影響を及ぼしているものを、古代から明治近代までのスパンで取り上げてみようと思います。それらはみな、伝統的な価値観の基層に関わる思想であり、その考察を通して、日本人の思惟様式にみる「特殊」と「普遍」のかたちの一端が明らかになるはずです。
科目目的
この科目は、総合教育科目群・共通科目に位置づけられています。
したがって、この授業での学習を通して、「幅広い教養」と「複眼的思考」を身につけることにより、現代社会における多様な問題や変化に、的確かつ柔軟に対応するための「しなやかで強い」知性を養うことを目的とします。
到達目標
➀日本における基層的な価値観の系譜を見定め、日本人の思考と行動の特徴的な様式を理解すること。
➁現代における思想や倫理をめぐる諸問題に対処するための、伝統をふまえた俯瞰的な視座を養うこと。
授業計画と内容
第1回 はじめに:日本の思想の深みへ
第2回 日本神話のコンプレックス:スサノヲ神話を読む
第3回 「言霊」の圏域:『万葉集』から『古今集』仮名序へ
第4回 「無常」のかたち:西行と鴨長明にみる無常観の位相
第5回 越境するアニミズム:草木成仏論と「自然」について
第6回 語りえぬものを「語る」:空海と道元の言語論
第7回 武家社会における法の精神:北条泰時の「道理」と御成敗式目
第8回 顕冥あやなす歴史の文法:『愚管抄』の「道理」史観
第9回 演技する実存の自覚:夢幻能と世阿弥の能芸論
第10回 正統キリシタンの逆説:不干斎ハビアンの思想
第11回 消費される愛の臨界:近松門左衛門の「義理」と悲劇について
第12回 感性のファシズム:本居宣長の「もののあはれ」論
第13回 武士道の黄昏:近代国民道徳の誕生と『武士道』について
第14回 まとめ:日本の思想の「個性」とは何か
※ 上記の内容は、都合により変更する場合もあるので、予めご了承願います。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
➀授業前:manabaで、講義用プリントを予めダウンロードして事前に読み込み、講義の概要を理解するよう努めること。その際、各項目のキーワードを重点的に確認しながら、テーマの論点を整理しておくこと。
➁授業後:講義で指摘された重要事項やわからない語句の意味を必ずチェックするとともに、テーマの問題を自分の視点でとらえ直し、講義内容の理解度を深めるようにすること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 日本の思想に関する基本知識を理解できた上で、授業で取り上げた各種のテーマを独自の観点から整理して論じられるかどうかを評価します。 |
平常点 | 40 | 毎回、授業の内容に関する課題を200文字以上で作成し、授業終了後に提出してもらいます。評価のポイントは、授業で扱った重要事項が正しく理解できているかであり、この課題提出が、出席確認を兼ねることになります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績(単位)評価の前提条件:出席率が60%に満たない者(公欠届またはそれに準ずる書類の提出、あるいは正当な事由の申告があれば、出席扱いにする)、課題を4回以上提出しない者については、E判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
随時メール等にて質問を受け付け、解答する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用しません。授業では、テーマごとに関連するレジュメ等を資料として配布します。
参考文献
末木文美士『日本思想史』岩波書店 2020年(岩波新書)ISBN:978‐4‐00‐431821‐7
それ以外は必要があれば、授業で適宜、そのつど紹介・指示します。
その他特記事項
授業は一話完結ではなく、系統的につながりのある内容を関連づけて順次説き明かしていくので、前回の内容を踏まえたうえでの展開になります。
したがって、できるだけ毎回継続して意欲的に出席しなければ、授業の理解や課題の作成に支障をきたすのは必至です。単位認定の選考(評価)基準は、例外なく厳格に適用するので、単位の取得は難しくなると考えて下さい。