シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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インド仏教の教え/仏教概説A | 2024 | 前期 | 金5 | 文学部 | 米田 達也 | ヨネダ タツヤ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-EP1-T010
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
仏教は世界宗教の1つにあげられますが、一神教を背景とする西欧的な意味での「宗教」の枠内には収まり切れない独自の柔軟性を持っています。また、同じ「仏教」と言っても、初期仏教と大乗仏教とでは相反するほどに教説の内容が異なっており、それが仏教の多彩で豊饒な思想、文化の体系をアジア世界に形づくってきました。日本人の精神生活の全域にわたって、最も大きな影響を及ぼしたのが仏教であることは言うまでもありません。
授業では、このような仏教の起源と変容のメカニズムを見定めるために、インド仏教の主要な展開をいくつかのトピックに分けて探索します。手順としては、まずブッダからタントラ仏教(密教)に至る歴史的発展の過程に沿って、各時期に形成された画期的な思想を吟味した上で、つぎに大乗仏教を代表する『法華経』や『華厳経』などの経典を取り上げ、そこに刻まれた特徴的な思惟のあり方と信仰のかたちを検証していきます。こうした作業によって、仏教の「本質」とは何か、その内実を解き明かすつもりです。
科目目的
この科目は、総合教育科目群・共通科目に位置づけられています。
したがって、この授業での学習を通して、「幅広い教養」と「複眼的思考」を身につけることにより、現代社会における多様な問題や変化に、的確かつ柔軟に対応するための「しなやかで強い」知性を養うことを目的とします。
到達目標
➀ブッダを起源とする仏教の「本質」や「価値観」がわかるようになること。
➁インド仏教の主要な展開を、思想史的な観点に立脚して理解できること。
授業計画と内容
第1回 仏教とは何か ~ ゴータマから「ブッダ」へ
第2回 原始(初期)仏教➀ ~ 四聖諦の実践思想
第3回 原始(初期)仏教➁ ~ 縁起と無常の座標軸
第4回 部派(上座部)仏教 ~ 解脱とアビダルマの論理
第5回 大乗仏教① ~ 革新運動の眼目と菩薩の誕生
第6回 大乗仏教② ~ 般若の知恵と即非の論理
第7回 大乗仏教③ ~ 中観派の「空」の思想
第8回 大乗仏教④ ~ 瑜伽行派の「唯識」の思想
第9回 大乗仏教⑤ ~ 如来蔵(仏性)の思想
第10回 タントラ仏教 ~ 密教と「曼荼羅」の世界観
第11回 法華経 ~ 絶対平等主義と永遠の仏
第12回 華厳経 ~ 悟りの風光と善財童子の遍歴
第13回 無量寿経 ~ 阿弥陀仏の本願と極楽往生の思想
第14回 総括・まとめ ~ 知恵と慈悲
※ 上記の内容は、都合により変更する場合もあるので、予めご了承願います。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
➀授業前:manabaで、講義用プリントを予めダウンロードして事前に読み込み、講義の概要を理解するよう努めること。その際、各項目のキーワードを重点的に確認しながら、テーマの論点を整理しておくこと。
➁授業後:講義で指摘された重要事項やわからない語句の意味を必ずチェックするとともに、テーマの問題を自分の視点でとらえ直し、講義内容の理解度を深めるようにすること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | インド仏教に関する基本知識を理解できた上で、授業で取り上げた各種のテーマを独自の観点から整理して論じられるかどうかを評価します。 |
平常点 | 40 | 毎回、授業の内容に関する課題を200文字以上で作成し、授業時間内に提出してもらいます。評価のポイントは、授業で扱った重要事項が正しく理解できているかであり、この課題提出が、出席確認を兼ねることになります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績(単位)評価の前提条件:出席率が60%に満たない者(公欠届またはそれに準ずる書類の提出、あるいは正当な事由の申告があれば、出席扱いにする)、課題を4回以上提出しない者については、E判定とします。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
随時メール等にて、質問を受けつけ回答する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用しません。授業では、テーマごとに関連するレジュメ等を資料として配布します。
参考文献
木村清孝『教養としての仏教思想史』筑摩書房 2021年(ちくま新書)
ISBN:978‐4‐480‐07430‐0
中村元『原始仏典を読む』 岩波書店 2014年 (岩波現代文庫) ISBN:978‐4‐00‐6000317‐9
佐々木閑『大乗仏教』 NHK出版 2019年 (NHK出版新書) ISBN:978‐4‐14‐088572‐7
それ以外は必要があれば、授業で適宜、そのつど紹介・指示します。
その他特記事項
授業は一話完結ではなく、系統的につながりのある内容を関連づけて順次説き明かしていくので、前回の内容を踏まえたうえでの展開になります。したがって、できるだけ毎回継続して意欲的に出席しなければ、授業の理解や課題の作成に支障をきたすのは必至です。単位認定の選考(評価)基準は、例外なく厳格に適用するので、単位の取得は難しくなると考えて下さい。仏教に興味・関心を持つ方のみの受講を望みます。