シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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日本人と仏教/仏教概説B | 2024 | 後期 | 金5 | 文学部 | 米田 達也 | ヨネダ タツヤ | 1~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE1-T011
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
日本人の精神生活や思想文化の全般にわたって決定的な影響を与えたのが、仏教であることは周知の事実です。仏教は6世紀に日本へ伝来しますが、その後、平安初期から鎌倉後期にかけて、インドや中国とは異なる独自の思想と習俗を形づくりました。
授業では、そうした日本の仏教を特徴づける主要な思想や信仰について、「悟り」と「救い」という観点に立脚しながら考察します。手順としては、最初に「神」と「仏」の相剋と習合をめぐる問題から始まり、日本仏教のエートスを確立した最澄と空海の思惟様式を経て、浄土教の発展(源信・法然・親鸞・一遍)や禅仏教の局面(道元・一休)を概観した上で、修験道や女人救済のテーマに至るという解説の方法をとるつもりです。併せて、上記の仏教諸派が生み出した信仰の「かたち」(図像)をいくつか選択し、そこに込められた日本人の「こころ」を探索したいと思います。
科目目的
この科目は、総合教育科目群・共通科目に位置づけられています。
したがって、この授業での学習を通して、「幅広い教養」と「複眼的思考」を身につけることにより、現代社会における多様な問題や変化に、的確かつ柔軟に対応するための「しなやかで強い」知性を養うことを目的とします。
到達目標
➀日本の仏教を代表する主要な思想(密教・浄土教・禅仏教)について理解できること。
➁日本人の死生観や自然観などの価値形成に及ぼした仏教の意義を理解できるようにすること。
➂日本人における仏教信仰の「かたち」と「こころ」を広く認識できるようになること。
授業計画と内容
第1回 仏教伝来 ~「神と仏」の相剋と受容の意義
第2回 神仏習合 ~ 苦しむ神から本地垂迹へ
第3回 仏性論争 ~ 最澄の「法華一乗」思想
第4回 即身成仏 ~ 空海の「曼荼羅」的世界観
第5回 密教美術のイコノロジー(両部曼荼羅・不動明王・変化観音)
第6回 極楽への憧憬 ~ 源信『往生要集』の世界
第7回 本願念仏の衝撃 ~ 法然の「専修」革新
第8回 絶対他力の諸相 ~ 親鸞の「廻向」と一遍の「踊念仏」
第9回 浄土教美術のイコノロジー(平等院鳳凰堂・来迎図)
第10回 身心脱落と洒脱 ~ 道元の「本証妙修」と一休の「風狂」
第11回 禅宗美術のイコノロジー(水墨画・頂相・墨跡)
第12回 修験道 ~ 密教と山岳信仰のアマルガム
第13回 女人救済 ~ 日本仏教のジェンダー論
第14回 総括・まとめ ~ 日本人と仏教の精神
※ 講義の内容や順序は、必要に応じて多少の変更もあるので、予めご了承下さい。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
➀授業前:manabaで、講義用プリントを予めダウンロードして事前に読み込み、講義の概要を理解するよう努めること。その際、各項目のキーワードを丁寧に確認しながら、テーマの論点を整理しておくこと。
➁授業後:講義で指摘された重要事項やわからない語句の意味を必ずチェックするとともに、テーマの問題を自分の視点でとらえ直し、講義内容の理解度を深めるようにすること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 60 | 日本仏教に関する基礎知識を、重要なキーワードに即して理解した上で、授業で取り上げた各種のテーマを独自の観点から整理して論じられるかどうかを評価します。 |
平常点 | 40 | 毎回、授業の内容に関する課題を200文字以上で作成し、授業時間内に提出してもらいます。評価のポイントは、授業で扱った重要事項が正しく理解できているかであり、この課題提出が、出席確認を兼ねることになります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
成績(単位)評価の前提条件:出席率が60%に満たない者(公欠届またはそれに準ずる書類の提出、あるいは正当な事由の申告があれば、出席扱いとする)、課題を4回以上提出しない者については、E判定にします。
課題や試験のフィードバック方法
その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
随時メール等にて、質問を受けつけ回答する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用しません。授業では各テーマごとに関連するレジュメ等を資料として配布します。
参考文献
末木文美士『日本仏教史』 新潮社 1996年 (新潮文庫) ISBN4-10-148911-4
木村清孝『教養としての仏教思想史』筑摩書房 2021年(ちくま新書)
ISBN978-4-480‐07430‐0
山折哲雄『仏教民俗学』講談社 1993年 (講談社学術文庫)ISBN:4-06-159085-5
それ以外は必要に応じて、授業でそのつど紹介・指示します。
その他特記事項
授業は一話完結ではなく、系統的につながりのある内容を関連づけて順次説き明かしていくので、前回の内容を踏まえたうえでの展開になります。したがって、できるだけ毎回継続して意欲的に出席しなければ、授業の理解や課題の作成に支障をきたすのは必至です。単位認定の選考(評価)基準は、例外なく厳格に適用するので、単位の取得は難しくなると考えて下さい。日本の仏教に興味・関心を持つ方のみの受講を望みます。