シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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西洋史学基礎演習(2)A/西洋史学基礎演習(2)(前期) | 2024 | 前期 | 木1 | 文学部 | 渡辺 賢一郎 | ワタナベ ケンイチロウ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-WH2-H021
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業は西洋史の基本的な史料を集めた英文の史料集のなかから各自が史料を選択し、正確に日本語に訳すことを基本とします。
史料は、たとえばギルガメシュ叙事詩、「海の民」の碑文、陶片追放、アレクサンドロスとペルセポリス炎上、ネロ帝のキリスト教徒迫害、修道院の戒律、東西教会の相互破門、クレルモン公会議と十字軍、ジャンヌ・ダルク裁判、インカ帝国の記録、メアリ1世の結婚に関する布告、ガリレオ裁判、マリア・テレジアが書いたマリー・アントワネットへの手紙、イギリスの児童労働の実態、感染症の記録、ビスマルクの手紙、アメリカの移民委員会報告、ムッソリーニの演説、スターリン批判、ボクサーのモハメド・アリの自伝、ヨーロッパ・ピクニック計画とベルリンの壁崩壊、ブッシュ大統領の911の演説など300以上ありますので、みなさんが関心あるものを自由に選んでください。履修者の人数によりますが、一つまたは二つを選択してもらいます。
※月曜日1限と木曜日1限の授業内容は同じですが、双方で選択史料が重ならないように調整する場合があります。
次に仮の日本語訳を作成してもらいます。そして、その史料が何という史料で、誰によって書かれたのか、また史料の特性や時代背景を考察したうえで、最終的な日本語訳を作成します。
ほかにも、史料から問題点が何であるかをつかみ出すのに役立つ文献の調べ方や研究の進め方を学びます。文献の調べ方・扱い方については、図書館ならびに西洋史学専攻共同研究室(3号館7階)の活用法はもちろん、データベースやインターネットを使用する際の留意点なども指導します。
科目目的
この演習は、一年生時の「基礎演習」で学んだ歴史を学ぶ上での基礎的なスキルをさらに発展させ、必要な英語力および日本語力、文献の調べ方・扱い方等について、大学二年生として求められるレベルの習得を目的とします。
到達目標
・英語で書かれた史料を正しく日本語訳できる
・英文史料から必要な情報を読み解くことができる
・歴史の専門用語を理解することができる
・図書館やWEB上のアーカイブを研究目的のために利用することができる
・学術的な文章や註をルールにのっとって書くことができる
授業計画と内容
第1回 授業ガイダンス 配布する史料集から各自自由に史料を選択する。したがって初回授業を必ず受講し説明を受けること。
第2回 史料の選択・調整 文献の調べ方ガイダンス
第3回 史料訳報告 史料の訳し方を指導する
第4回 史料訳報告 史料から古代史の基礎を学ぶ
第5回 史料訳報告 古代史の用語や論点について
第6回 史料訳報告 史料から中世史の基礎を学ぶ
第7回 史料訳報告 中世史の用語や論点について
第8回 史料訳報告 史料から近世史の基礎を学ぶ
第9回 史料訳報告 近世史の用語や論点について
第10回 史料訳報告 史料から近代史の基礎を学ぶ
第11回 史料訳報告 近代史の用語や論点について
第12回 史料訳報告 史料から現代史の基礎を学ぶ
第13回 史料訳報告 現代史の用語や論点について
第14回 総括・まとめ 歴史学の方法論
※スケジュールは履修者の人数によって若干変更する場合がある。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
英文史料の訳文作成、選択史料に関連する学術書や論文のリストアップ、史料についての概略のまとめについて、半期を通じて計画的に学習をすすめること(1週間あたり4時間の学修を基本とします。)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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平常点 | 100 | 55% 日本語訳および史料についての概略の発表、選択史料に関連する学術書や論文のリストアップ提出 45% 授業への参加・貢献度、受講態度(積極的な意見や疑問の表明、他の学生と協調して学ぶ態度等)の状況を基準とします |
成績評価の方法・基準(備考)
※出席率が3分の2に満たない者、またすべての発表および課題提出がない者は評価対象外とする
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
史料集の訳については発表時に指導する。史料に関する概略のレジュメは、形式、内容、日本語表現などに赤を入れてフィードバックするので、修正・再修正を繰り返し、完成版を作成してもらう。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク/その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
選択した史料の原典をさがす。史料集にあるそれぞれの史料は、ある史料からの抜粋の英訳である。オリジナルは、英語、ドイツ語、フランス語、ラテン語…など様々な言語で書かれている。この史料集の英文(タイトル、年、本文など)を頼りに、もとの史料を探し当てること。たとえば、カエサル『ガリア戦記』であれば、その原文はラテン語で書かれている。その原文がすべて載っている文献を探し出し、どこが割り当てられた英文史料の箇所かを調べる(こうした古典的著作には、必ずラテン語と英語の対訳本が存在する。ラテン語はわからないとあきらめず、英語と自分の和訳を頼りに、ラテン語の「その場所」がどこか推理しよう!)。中央大学の図書館にない場合もあるので、日本各地の図書館や文書館、研究所、古本屋などを徹底的に調べ、探し当てること。
また報告に際しては、履修者どうしの活発な討論をとおして、問題点や発展的な課題の発見をめざす。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
Paul L. Hughes and Robert F. Fries, eds., European Civilization:Basic Historical Documents, Totowa, NJ :Littlefi eld, Adams & Co. 1965. ただしこの史料集は古代オリエントや古代ギリシア史、また1965年以降の現代史を扱っていません。このため、これに追加するかたちで史料集を用意しておきます。これらはコピーして配布します。
その他特記事項
みなさんはWEB上の情報を使いこなして当り前の世代です。そんな「横並び」の時代だからこそ、反対に「紙」の「本」を「図書館」という「場」できちんと使いこなすことで、「文学部」に進学した意義を各自見い出し、以てキャリア形成とすることを、大いに期待します。この授業はそのようなキャリア形成の手助けをします。