シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学基礎演習(1) | 2024 | 通年 | 火3 | 文学部 | 佐藤 陽祐 | サトウ ヨウスケ | 1年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-PE1-J010
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
現代の哲学シーンでもホットな議論が交わされ、かつ伝統的な問題群でもある「心の哲学」の入門書を読み進めていきます。毎回、担当者がレジュメを発表し、履修者全員で解釈し、議論をします。
心とは何か、心と身体の関係とは、思考とは何か、意味とは何か、記号とは何かといった伝統的な問題からAIの問題に至るまで、「心の哲学」の扱う議論の射程は広いです。履修者の知的好奇心(ようするにワクワクですね)を掻き立てる本格の哲学問題を扱いつつ、正確に英語文献を読み解く力を養うという一石二鳥のおいしい授業です。毎週授業にご参加いただければ、もっともっと知りたくなること間違いなし。そうしたら初めて声をかけてあげましょう、「ようこそ、哲学の世界へ!」
科目目的
この基礎演習の目的は主として4つあります。
①英語文献を、文法にもとづき正確に読む力をつけること。
②哲学的に考え、議論ができるようになること。
③諸君がこれまでに行ってきた「勉強」とこれから行う学問の違いを知ること。
そして、学問がどれほどおもしろいものなのかを体感すること。
④現代においてもスリリングな研究が行われ、議論が活発な「心の哲学」の入門書を読むこと
によって、学問として専門的に哲学をすることの糸口をつかみ、諸君の興味範囲を拡大して
いくこと。
到達目標
哲学書を読むということの基礎を習得すること。心の哲学について基礎的な理解を得ること。
授業計画と内容
前期
1. 授業についてのガイダンス&心の哲学という分野について
2.メアリーの部屋(pp.1-2)
3.メアリーの部屋(pp.2-3)
4.心身問題(pp.3-4)
5.心身問題(pp.4-5)
6.古代の心身問題(pp.5-6)
7.古代の心身問題(pp.6-7)
8.デカルトの二元論(pp.8-9)
9.デカルトの二元論2(pp.9-10)
11. デカルトの二元論3(pp.11-12)
12. そもそもなぜ「二元」論なのか。
13. 哲学的ゾンビ
14. 前期に扱った内容についての総括・質疑
後期
1.想像可能性論法を問う(pp.15-16)
2.想像可能性論法を問う(pp.16-17)
3.ライルから始まる行動主義(pp.18-19)
4.ライルから始まる行動主義(pp.20-21)
5.さまざまな行動主義
6. 他者の心と因果性(pp.23-24)
7. 他者の心と因果性(pp.24-25)
8.パトナムのスーパースパルタン(pp.25-26)
9.パトナムのスーパースパルタン(pp.27-28)
10.傾向性
11.行動主義についての妥協案
12.物理主義(pp.33-34)
13.物理主義(pp.34-35)
14. 後期に扱った内容についての総括・質疑
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
担当者には事前にレジュメを作成してもらい、授業時に発表してもらいます。
担当者以外も必ずテキストを読み込んでくること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 40 | 前期末、後期末にテキストの内容について問う試験を行います。 |
期末試験(到達度確認) | 40 | 前期末、後期末にテキストの内容について問う試験を行います。 |
平常点 | 20 | 出欠を確認します。前期、後期の各々半期において3回以上の欠席は単位認定不可とします。出席の上、レジュメの作成や質疑への参加を平常点として評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
毎回、担当者(2~3人)を割り当て、テキストのレジュメを作成してもらい、授業内でテキストの内容について発表をしてもらいます。この発表に基づいて疑問点や内容について皆で議論を行い、そのうえで講師による解説を行います。
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
使用テキスト
Barbara Gail Montero, Philosophy of Mind A Very Short Introduction, Oxford University Press, 2022.
※ 初回にコピーを配布する。
参考図書:
ティム・クレイン、土屋 賢二訳、『心は機械で作れるか』勁草書房、2001年。
金杉武司『心の哲学入門』勁草書房、2007年
鈴木貴之『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう』勁草書房、2015年
信原幸弘『心の現代哲学』勁草書房、1999年
柴田正良『ロボットの心――7つの哲学物語』講談社現代新書、2001年
など
他にもたくさん参考文献はあります。学習が進み、興味が拡大したら
講師に遠慮なく尋ねること。
その他特記事項
テキストの英語のレベルは、(内容は別として)まったく難しくはない。しかし、昨今、高校までの基礎的な英文法についてすら知識が不足している者が散見されるため、受験のために学んだ英文法で十分なので、高校までの英文法を「徹底的に」復習しておくこと。辞書を引く労を厭わないこと。成績評価を非常に厳しく行うので、努力、根性、気合いを見せてほしい。学位を取得しようとするならば、大学で学問をする覚悟と気概を持つこと。
レジュメ作成の担当者だけでなく、履修者全員が授業の前に原文を読み込み、予習をしておくこと(予習をしてきたことを前提に授業を実施します)。何がわからないのかを明らかにし、授業に参加すること。
わからなければ、ありとあらゆる手段を用いて調べればよい。
調べ方がわからなければ、尋ねればよい。
とはいえ、自分で調べて、理解して、
学ぶこと、表現することの楽しさや苦しさや諦念や絶望を心から味わってほしい。
(おもしろいと思えれば、予習をしなければという義務感もなく、
自然と予習をし始めるし、おもしろくないのは、予習をしてい
なくて、講師やみんなの言っていることがわからなくなるからだ。
それとは別に、テキストは間違いなくおもしろい。)
講師への連絡がある場合には、manaba内の個別指導(コレクション)を用いること。