シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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原典講読 | 2024 | 通年 | 月2 | 文学部 | 水上 雅晴 | ミズカミ マサハル | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
LE-PE2-J109
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
副題:司馬遷《史記》を読む。
《史記》は、中国で正史の筆頭に位置する歴史書であり、漢字文化圏に多大な影響を及ぼした/及ぼしている中国古代の文化・思想・学術・思想・制度を理解する上で欠かせない文献です。本授業では、文学作品としても優れている《史記》の文章をなるべく多く読み進めて行きます。
「講読」ではありますが、双方向性の確保と学習効果に鑑み、受講者には本文や注釈に関する解説を割り当てます。回数が進んだら、《史記》を自分なりに読んで考察した結果をレジュメを用いて発表してもらいます。
科目目的
・文言文の文法を理解した上で比較的長文の漢文を読解できるようになる。
・《史記》の読解を積み重ねることで、日本にも多大な影響を及ぼし続けている中国の伝統文化・学術に対する知見を深める。
・訓点の意味と機能を理解した上で、それに従って漢文を批判的に読むことができるようになる。
・複数の注釈や翻訳を参照し相互に比較することで、古典の文章には様々な解釈があり得ることを理解した上で、個々の解釈の問題点を説明できるようになる。
到達目標
到達目標
上記の科目目的を達成するために、以下の目標を設定します。
①訓点の歴史的背景とその機能を理解し、訓点に忠実に従って訓読ができるようになる。ここに言う「訓点」は、返り点と添え仮名(読み仮名・送り仮名)などを指す。
②白文に対して独力で訓点を施すことができるようになる。
③教材として指定する《史記》の文章を理解するのに必要な語彙・語法・歴史的背景に対する知識を習得する。
授業計画と内容
前期
(訓読文編)
第1回 司馬遷と《史記》
第2回 〈太史公自序〉「昔在顓頊」以下
第3回 〈太史公自序〉「易大伝」以下
第4回 〈太史公自序〉「夫儒者以六藝為法」以下
第5回 〈太史公自序〉「名家苛察繳繞」以下
第6回 〈殷本紀〉「殷契、母曰簡狄」以下
第7回 〈殷本紀〉「当是時、夏桀為虐政淫荒」以下
※到達度テスト①
(返り点のみ漢文編)
第8回 〈周本紀〉「周后稷」以下
第9回 〈周本紀〉「西伯蓋即位五十年」以下
第10回 〈伯夷列伝〉「夫学者載籍極博」以下
第11回 〈伯夷列伝〉「或曰、天道無親」以下
第12回 〈項羽本紀〉「項籍者」以下
第13回 〈項羽本紀〉「項王軍壁垓下」以下
第14回 〈呂太后本紀〉「呂太后者」以下
※到達度テスト②
後期
(白文編)
第15回 十〈表〉
第16回 〈高祖本紀〉「高祖、沛豊邑中陽裏人」以下
第17回 〈高祖本紀〉「秦始皇帝常曰」以下
第18回 〈高祖本紀〉「高祖置酒」以下
第19回 〈楽書〉と〈律書〉
第20回 〈平準書〉
第21回 〈孔子世家〉
※到達度テスト③
第22回 〈老子韓非列伝〉
第23回 〈孫子吳起列伝〉
第24回 〈仲尼弟子列伝〉
第25回 〈蘇秦列伝〉と〈張儀列伝〉
第26回 〈刺客列伝〉
第27回 〈呂不韋列伝〉
第28回 全体のまとめ
※到達度テスト④
*進行状況によって上記の内容が変更されることがあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
とにかく辞書を引きまくりましょう。使うのは電子辞書でも構いませんが、時には紙媒体の辞書、それも大型のものを引いてみましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 10 | 到達度テスト①と③ |
期末試験(到達度確認) | 20 | 到達度テスト②と④ |
平常点 | 40 | 授業への参加状況を評価します。授業内での質問や意見表明などの積極的な行動に対しては肯定的な評価が与えられます。小レポートの状況も平常点に加算されます。 |
その他 | 30 | 各自が割り当てられた範囲に関して、調査と考察を行い、その成果をレジュメにまとめて発表してもらいます。レジュメ、プレゼン、質疑応答の内容を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
以下の二つの条件をともに満たした場合に単位を認定します。
①前期後期それぞれ公欠以外の欠席は4回以内とし、毎回の小レポートの内容も一定の基準を満たしていること。
②自分の担当分の発表、もしくはレジュメ提出を行い、その内容も一定の基準を満たしていること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
・教材はプリントを配布します。参考文献については授業の中で随時紹介します。
・多種多様の訳本があり、できるだけ多くの訳本を参照することを推奨します。本授業を通して翻訳との付き合い方も学んでください。
その他特記事項
・授業中に受講生の間で意見交換をして、その結果を報告してもらうことがあります。色々な相手と対話してもらうために、座席指定をすることがあります。
・研究発表やレポート準備の際、訳本やネット上のデータを使うのは差し支えありませんが、鵜呑みにせず、批判的に吟味した上で用いましょう。使う場合には、典拠表示をきちんとしましょう。「剽窃」に対しては厳しく対応します。本授業は、辞書を含む既存の文献ネット上の情報の信頼性を考慮する必要性を再認識する機会になることと思います。