シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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哲学講義(6)(16) | 2024 | 後期 | 木1 | 文学部 | 水上 雅晴 | ミズカミ マサハル | 3年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-PE3-J306,LE-PE4-J316
履修条件・関連科目等
・授業の中では、白文の漢文、現代中国語や口語調の文章(たとえば「夫神爺火華所造田野各獸,其蛇為尤狡,且邪神變為蛇魔對該女人曰:“爾必不可食園內知惡樹之果。這一句話,實是神爺火華所言乎?”」)を教材として用います。これらの文章をある程度読めることを前提として授業を進めていきます。
・予習段階で、複数の辞書や参考書を丹念に参照することが求められます。受講に必要な資質は、語学力、論理的思考力、好奇心、そして根気です。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
副題:太平天国の乱と中国近世の思想交流
本授業では、キリスト教団を形成して、短期間の間に宗教国家にまで発展させた洪秀全の活動遍歴をたどりながら、その時々における洪の思想状況について、さまざまな文献を参照して、解明を進めていきます。
本授業に関連するキーワードを挙げると、以下のようになります。
・東西思想の融合と分離、中国伝統思想、キリスト教、言語、曾国藩、ジェンダー
科目目的
(1)異文化の受け入れに付随する困難について、具体的な歴史的事例にもとづいて実体的に理解する。
(2)東西の思想・文化に対する理解を深める。
(3)中国語の文言文と口語文、そして英文の読解能力を高める。
到達目標
(1)清代後期における一大宗教運動・社会運動が発生、発展、失敗した状況とその理由について、自分なりに理解して、それを説明する。
(2)思想・歴史文献の読解法を向上させ、新たに習得した知識と技法を教材以外の文章に応用する。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス+洪秀全とは?
第2回 科挙に苦しんだ洪秀全が見た夢
第3回 中国人宣教師梁発と《勧世良言》
第4回 拝上帝教とその教義
第5回 西洋人宣教師との関係
第6回 拝上帝会の設立、発展
第7回 教団組織の変質 ※到達度テスト①
第8回 太平天国の建国と清朝との対立
第9回 同時代人が見た太平天国
第10回 曾国藩と李鴻章の登場
第11回 天京攻防戦と太平天国の滅亡
第12回 太平天国における女性の地位
第13回 太平天国の乱の意義と後代への影響
第14回 全体のまとめと補足 ※到達度テスト②
(注意)進行状況によって上記の内容が変更されることがあります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
教材中の語句、事項や文法については、事前に調べておき、質問されたら答えられるようにしておきましょう。予習をして来ない者は出席の資格が無いものと心得ましょう。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 20 | 到達度テスト①。ここまでの授業に対する理解度と文献の読解力を査定します。 |
期末試験(到達度確認) | 30 | 到達度テスト②。授業全体に関わる理解度と文献の読解力を査定します。 |
平常点 | 50 | 授業参加と研究発表の状況。質問や意見表明などの積極性を評価します。到達度テストを実施しない回には基本的に毎回小レポートを提出してもらい、それも評価の対象になります。 |
成績評価の方法・基準(備考)
・公欠以外の欠席は4回以内とし、毎回の小レポートの内容も一定の基準を満たしていること。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/プレゼンテーション/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
・教材はプリントを用意します。全体の参考書として、小島晋治『洪秀全と太平天国』(岩波現代文庫、2001年)を挙げておきます。
・その他の参考書については、授業の中で随時紹介します。
その他特記事項
研究発表やレポート準備の際、訳本やネット上のデータを使うのはかまいませんが、鵜呑みにせず、批判的に吟味した上で用いましょう。使う場合には、典拠表示をきちんとしましょう。「剽窃」に対しては厳しく対応します。本授業は、辞書を含む既存の文献ネット上の情報の信頼性を考慮する必要性を再認識する機会になることと思います。