シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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現代社会研究/現代社会研究(1) | 2024 | 前期 | 水1 | 文学部 | 門林 道子 | カドバヤシ ミチコ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-SC2-K321
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
本授業では、前半においては社会調査によって資料やデータを収集し、分析可能なかたちに整理していく具体的な方法を解説する。調査目的、調査方法の決め方、調査企画や設計、対象者の選定におけるサンプリング等の方法、調査票や質問肢等の作成、インタビューの仕方など調査の実施方法、コーディング等の調査データの整理について学習する。
さらに後半においては、社会調査(とくに質的調査)における研究倫理について、調査者と調査(研究)協力者(対象者)とのラポールの形成や、個人情報保護の観点から対象者保護について、倫理審査や学会等で設けられている倫理規程、アウトプット方法における葛藤等、参考事例とともに授業担当者自身が行ってきた「がん闘病記の社会学的研究」や終末期医療に関する調査等で生じた倫理的問題についてともに考えていく機会としたい。
必ずしも下記の授業計画通りに進行するとは限らず、順が前後することもありうる。
科目目的
本授業は、社会調査によって資料やデータを収集し、分析可能な形に整理していく具体的な方法を解説することを目的とする。具体的には、調査の目的と実施環境に応じた適切な調査方法、調査の企画や対象設定、調査項目の具体化や、調査の実施、調査データの整理、分析等各段階における社会調査の一連の過程、方法等を学び、理解する調査の過程で生じる倫理的な問題をも理解することを目指す。
到達目標
1.(量的・質t的)社会調査の基本的な考え方を理解できる
2.社会調査の方法を理解できる
3.社会調査の基本的な技法を修得する
4.社会調査の研究倫理について、調査者等の基本的な考え方や責務を理解し説明できること
授業計画と内容
1 授業の進め方について:社会調査法について
2 社会調査のl倫理と問題意識
3 質的研究の方法と手順
4 エスノグラフィーの誕生と発展の歴史、フィールドワーク
5 調査目的・調査方法と調査方法の決め方
6 社会調査の流れ、テーマの決定と仮説の構成
7 標本調査とサンプリング
8 調査票の作成と実施(質問文の作り方、インタビューの仕方など)
9 調査データの整理(ワーディング、エディティング、データクリーニングなど)
10 データ分析(コーディングなど)
11 質的調査:ライフストーリー研究について
12 質的調査における研究倫理(1)ラポール、同意と説明、参与観察と距離、倫理的ジレンマ
13 質的調査における研究倫理(2)研究の透明性・公開性と対象者保護の葛藤
14 まとめ―複眼的視点からの社会調査
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
事前学修:授業前に提示された課題や、文献などの配布物があればそれを考えたり読んでくること(週1時間)
事後学修:授業後に学習した社会調査法に関する重要な用語等を復習する。自宅課題であるレポート等に取り組み提出できるよう、完成させてくること(週2時間)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 30 | 授業で学習した社会調査法に関する内容や用語等を理解しているかどうかの確認のために、事前に知らせたうえで確認小テストを1回以上授業中に行う。 |
レポート | 40 | 期末試験に代わるレポートの提出:研究課題を選んで社会調査を実施する際の調査方法や対象者選択、分析方法等について論述する(予定)。これについて、課題達成度、概念理解度、文章構成の3点から評価する。 |
平常点 | 30 | 授業中、あるいは自宅課題として提出を求めるリアクションペーパーや小レポートについて理解度等を評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
《テキスト》特定のテキストなどは使用せず、毎回レジュメを作成、時には資料を準備しmanaba
にアップする。授業においてこれらを配布することも考えている。
《参考文献》
大谷信介・木下栄二・後藤範章・小松洋 『新・社会調査へのアプローチ―論理と方法』ミネルヴァ書房 2013 ISBN:9784623066544
佐藤郁哉 『フィールドワークの技法―問いを育てる、仮説をきたえる』新曜社 2002
ISBN:9784788507883
谷富夫・芦田徹郎 編著 『よくわかる質的社会調査 技法編』ミネルヴァ書房 2009 ISBN:9784623052738
谷富夫・山本務 編著 『よくわかる質的社会調査 プロセス編』ミネルヴァ書房 2010
ISBN:9784623058440
篠原清夫・清水強志・榎本環・大矢根淳 『社会調査の基礎―社会調査士A・B・C・D科目対応』2010
ISBN:9784335551338
門林道子 『生きる力の源に―がん闘病記の社会学』 青海社 2011 ISBN:978490224
上記のほか、授業中に適宜紹介する。