シラバス
| 授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 独占資本主義論 | 2026 | 後期複数 | 月2,木4 | 経済学部 | 佐藤 拓也 | サトウ タクヤ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
EC-TE3-05XX
履修条件・関連科目等
直接の基礎科目として「マルクス経済学」(EC205)を予めまたは平行して履修していることが望ましい。具体的な発展科目として「金融論I」(FF206I)、「財政学」(FF205)、「社会政策」(SL205)を、異なる経済理論を比較して学ぶという観点から「中級マクロ経済学」(EC201)、「中級ミクロ経済学」(EC202)を、それぞれ履修することを推奨する。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
<学位授与方針と当該授業科目の関連>
この科目は、現実把握力(経済学の専門知識及び社会・人文・自然科学の知識教養に裏付けられた広い視野に立った柔軟な知性に基づき、現実の経済現象を的確に把握することができる)の修得に関わる科目です。
<概要>
独占資本主義論は、マルクス経済学の方法に基づいて、現代の資本主義経済の仕組みを、理論的に理解するための科目です。マルクス経済学では、資本主義の一般理論について学びましたが、その対象として念頭に置かれていたのは、自由競争段階の資本主義です。これに対して独占資本主義論では、自由競争ではなく独占・寡占が支配する現代資本主義を対象とします。
具体的には、自由競争と比べた場合に独占資本主義の時代では、市場競争や価格、利潤、企業の形態、好不況、雇用・失業、財政・金融政策、対外関係、さらにはサービス経済化や金融化といった経済構造の変化、ITやAIといった技術変化に、どのような違いが生じていて、それは私たちの生活にどのような影響を及ぼすことになるのかといったことを念頭に、授業を進めていきます。その際、理論だけの説明にならないよう、具体的事例や現実の経済問題を適宜取り上げて、履修者にも討論に参加してもらう予定です。
科目目的
現代の資本主義において生じている諸問題、すなわち市場競争、価格や利潤の変動、企業活動、景気変動、雇用の動向、財政・金融、国際関係、産業構造の変化、技術革新といった具体的な経済問題について、マルクス経済学を基礎にして、理論的に捉え、その本質が何であるのかを理解できるようになることがこの科目の目的です。
到達目標
上記の目的の達成のために、具体的には以下の目標を設定します。
①自由競争段階資本主義と独占資本主義の、概念的および歴史的な違いが分かる。
②自由競争段階資本主義と独占資本主義における市場メカニズムの違いを説明できる。
③金融資本の概念を理解し、その具体的形態のうちのいくつかについて例示できる。
④帝国主義概念を理解し、戦後国際秩序の分析に際してこの概念の意義と限界を指摘できる。
⑤独占資本主義での景気循環と雇用の変容を理解し、現代の長期停滞の背景を理解できる。
⑥国家が資本主義経済に介入する際の国内および国際施策を有機的に関連させて理解できる。
授業計画と内容
授業計画
・この授業は、以下の授業回にて遠隔授業(オンデマンド型授業)にて実施します。
第2、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27回目
・授業は遠隔授業(オンデマンド:OD)で知識を得たうえで、面接授業(講義+アクティブラーニング:AL)でその知識を基礎にグループ単位で討論やピアラーニングを実施し、それに関連させて発展的な内容を講義することで、確実な修得を目指します。
オンデマンド回は、各回の動画視聴を基礎とし、必要に応じて質疑応答・意見交換・課題等を適切に組み合わせ、各回とも1回100分相当の学修となるよう設計します。
第1回:イントロダクション&序章 独占資本主義論の課題と対象[講義+AL]
[第Ⅰ部] マルクス経済学の基礎
第2回:資本主義(1):資本主義的生産[OD](1コマ100分)
第3回:資本主義(2):剰余価値、特別剰余価値[OD](1コマ110分)
第4回:資本主義(3):資本主義的生産、剰余価値、特別剰余価値と現代[講義+AL]
第5回:資本主義(4):価値、生産価格、市場価格、競争[OD](1コマ100分)
第6回:資本主義(5):価値、生産価格、市場価格、競争と現代[講義+AL]
[第Ⅱ部] 独占資本主義の理論
第7回:独占の成立(1):独占、独占価格・独占利潤[OD](1コマ100分)
第8回:独占の成立(2):独占、独占価格・独占利潤と現代の独占[講義+AL]
第9回:金融資本(1):株式会社、銀行、金融資本[OD](1コマ100分)
第10回:金融資本(2):株式会社、銀行、金融資本と現代の企業 [講義+AL]
第11回:資本輸出と帝国主義(1):資本輸出、WWI、WWII [OD](1コマ100分)
第12回:資本輸出と帝国主義(2):資本輸出、WWI、WWIIと現代の世界秩序[講義+AL]
第13回:独占資本主義における景気循環の変容(1):自由競争、独占資本主義と景気循環[OD](1コマ100分)
第14回:独占資本主義における景気循環の変容(2):現代の景気循環[講義+AL]
第15回:独占資本主義における雇用の変容(1):蓄積と労働需要、景気循環と雇用[OD](1コマ100分)
第16回:独占資本主義における雇用の変容(2):現代の雇用[講義+AL]
[第Ⅲ部] 国家独占資本主義の理論
第17回:独占資本主義における国家の役割(1):国家の経済過程への介入[OD](1コマ100分)
第18回:独占資本主義における国家の役割(2):現代の金融・財政政策[講義+AL]
第19回:独占資本主義における国家の役割(3):高雇用・高賃金政策[OD](1コマ100分)
第20回:独占資本主義における国家の役割(4):生産性と労働時間、賃金、労働力価値[講義+AL]
第21回:国家独占資本主義の国際体制(1):戦前のポンド体制から戦後のIMF-GATT体制へ[OD](1コマ100分)
第22回:国家独占資本主義の国際体制(4):IMF-GATT体制崩壊後の国際秩序[講義+AL]
[第Ⅳ部] 現代の独占資本主義
第23回:国家独占資本主義の変質(1):経済成長からスタグフレーション、新自由主義へ[OD](1コマ100分)
第24回:国家独占資本主義の変質(2):新自由主義と現代[講義+AL]
第25回:国家独占資本主義の変質(3):資本主義と利潤率の傾向的低落法則[OD](1コマ100分)
第26回:国家独占資本主義の変質(4):利潤率と現代の低成長[講義+AL]
第27回:独占資本主義の展望[OD](1コマ100分)
第28回:総括(到達度確認)[講義+AL]
※状況に応じて内容を一部変更する場合があります。あらかじめ了承ください。
※中間試験を実施する場合には、面接授業回のなかで実施する予定ですが、予め告知します。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・オンデマンド授業を視聴した後は、必ず課題を実施しmanabaに提出してください。
・テキストの指定個所(毎回のレジュメに範囲を明記します)を各自熟読し、講義の理解を深めて下さい。
・授業中に実施した課題(特に問題演習)は、中間試験や期末試験の予想問題にもなりますので、必ず復習しておいて下さい。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
| 種別 | 割合(%) | 評価基準 |
|---|---|---|
| 中間試験 | 10 | ※中間試験の実施は状況に応じて決定します。 ①資本主義の基本的な仕組み(価値、生産価格等)を説明できるか ②自由競争と独占段階の基本的な違いを説明できるか |
| 期末試験(到達度確認) | 40 | ※中間試験を実施しない場合は期末試験が50% ①自由競争段階資本主義と独占資本主義の概念的および歴史的な違いを説明できるか。 ②平均利潤と独占利潤の違いを、具体的なモデルを用いて説明できるか。 ③金融資本の概念を理解し、その具体的形態のうちいくつかについて例示することができるか。 ④帝国主義について理解し、その概念を第二次大戦後の国際関係の分析へ適用する場合の意義と限界が指摘できるか。 ⑤独占資本主義と自由競争段階の景気循環および雇用の変容について説明できるか。併せて現代の長期停滞について一定の見解を示せるか。 ⑥国家の介入の基本的な内容について理解し、また具体的な諸政策(国際政策、国内政策)のいくつかについて説明できるか。 |
| 平常点 | 50 | ①授業中のrespon等による課題提出 ②授業中のディスカッション等への参加 (詳細は、初回のガイダンスの際に説明します。) |
成績評価の方法・基準(備考)
上記の他に任意提出のレポートを実施予定(最大15点加点)
(詳細は、初回のガイダンスの際に説明します。)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
①responを通じて提出された意見や確認テストは、授業中にいくつか紹介したうえでリプライします。また解法についても授業中に説明します。
②中間試験は、実施後にポイントを解説します。
アクティブ・ラーニングの実施内容
反転授業(教室の中で行う授業学習と課題などの授業外学習を入れ替えた学習形式)/ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
①遠隔授業(オンデマンド:OD)を視聴した後、課題を実施しmanabaに提出してください。
②面接授業(講義+アクティブラーニング:AL)では、上記の①で実施した課題を、あらためてグループ単位でピアラーニングを通じて正答を導いたり、グループでの討論を通じて内容を深めます。その上で関連する発展的な内容を解説します。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manaba、responを活用します。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
<テキスト>
一井昭『ポリティカル・エコノミー 『資本論』から現代へ』桜井書店、2009年
・ただしテキストを授業中に逐一参照はしません。レジュメにテキスト該当ページを明記するので自学に用いてください。また、任意レポート課題図書の1つにもする予定です。
・他に講義用プリントまたはPPT資料等をmanabaにアップロードします。
<参考書・参考資料等>
・参考文献は下記の他、適宜紹介します。
北原勇・鶴田満彦・本間要一郎編『資本論体系 第10巻 現代資本主義』有斐閣,2001年.
北原勇『独占資本主義の理論』有斐閣,1977年.
本間要一郎『現代資本主義分析の基礎理論』岩波書店,1984年.
置塩信雄・鶴田満彦・米田康彦『経済学』大月書店,1988年.
置塩信雄『現代資本主義分析の課題』岩波書店、1980年.
増田壽男・沢田幸治編『現代経済と経済学』有斐閣,1997年.
井村喜代子『現代日本経済論[新版]』有斐閣,2000年.
井村喜代子『日本経済――混沌のただ中で』勁草書房,2005年.
新岡智・板木雅彦・増田正人編『国際経済政策論』有斐閣,2005年.
上川孝夫・藤田誠一・向壽一編『現代国際金融論[新版]』有斐閣,2003年.
一井昭・鳥居伸好編著『現代日本資本主義』中央大学出版部,2007年.
一井昭編『グローバル資本主義の構造分析』中央大学出版部,2010年.
鳥居伸好・佐藤拓也編著『グローバリゼーションと日本資本主義』中央大学出版部,2012年
宮本・八田・益永・佐藤・武田『攻略!日本経済』学文社,2010年.
八田幸二・佐藤拓也・武田勝『攻略!!日本経済 改訂二版』学文社、2019年
支えあう社会研究会編『資本主義を改革する経済政策』かもがわ出版、2021年
佐藤拓也・マリーE.G.スミス編著『21世紀資本主義の危機の構造』桜井書店、2026年予定
アンガス・マディソン著,金森久雄監訳,政治経済研究所訳『世界経済の成長史1820年~1992年』東洋経済新報社,2000年.
アンガス・マディソン著,金森久雄監訳,政治経済研究所訳『経済統計で見る世界経済2000年史』柏書房,2004年.
アンガス・マディソン[著]、政治経済研究所[訳]『世界経済史概観:紀元1年~2030年』岩波書店, 2015年
アンドルー・グリン著,横川信治・伊藤誠訳『狂奔する資本主義』ダイヤモンド社,2007年
デヴィッド・ハーヴェイ著, 森田成也 [ほか] 訳『新自由主義 : その歴史的展開と現在』作品社,2007年
ティム・ウー著,秋山勝訳『巨大企業の呪い――ビッグテックは世界をどう支配してきたか――』朝日新聞出版,2021年
富塚良三「独占段階の蓄積様式----資本と労働の体制的過剰傾向----」中央大学企業研究所『企業研究』第14号、2009年3月
John Bellamy Foster and Fred Magdoff, The Great Financial Crisis; Causes and Consequences, Monthly Review Press: New York, 2009.
John Bellamy Foster and Robert W. McChesney, The Endless Crisis: How Monopoly-Finance Capital Produces Stagnation and Upheaval from the USA to China, Monthly Review Press: New York, 2012.
Guiglelmo Carchedi and Michael Roberts (eds.), World in Crisis, Haymarket Books,2018.
Guiglelmo Carchedi and Michael Roberts. Capitalism in the Twenty-first Century: Through the Prism of Value, Pluto Press, 2023.
Luis Suarez-Villa, Technology and Oligopoly Capitalism, Routledge, 2023.
・中学校学習指導要領(平成29年3月告示 文部科学省)
・高等学校学習指導要領(平成30年3月告示 文部科学省)
・文部科学省(2017)『中学校学習指導要領解説 社会編』
・文部科学省(2018)『高等学校学習指導要領解説 公民編』
その他特記事項
・私語は他人の授業を受ける機会を妨げる不公正な行為なので、厳しく注意します。
・responを授業中に利用しますので、スマートフォンやノートPC、タブレットなどを持参して下さい。
・manabaを利用します。リマインダーを受け取れるように、emailアドレスを登録しておいて下さい。
・遠隔授業(オンデマンド型)のリンクもmanabaを通じて告知しますので、特に学期当初の履修登録前は、manabaの自己登録をするようお願いします。