シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
国文学基礎演習(1)B | 2024 | 後期 | 火4 | 文学部 | 鈴木 俊幸 | スズキ トシユキ | 1年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-JL1-A012
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
(A)にひき続き、上田秋成作『世間妾形気』を影印本で読みます。この教材を用いて、古典の読み方、しっかりした調査に基づく発表の仕方を学びます。
影印本とは、原本の写真版で、当時の読者が接していたものに近い形で文芸を体験できます。これによる授業は、近代的な先入観を切り捨てて、当時の読み方に近付く方法であるとともに、これによって変体仮名と基本的なくずし字の修得を目指します。
授業は演習形式で進めます。あらかじめ決められた担当箇所について、語句や事項についてとことん調べ上げた上で得られた解釈を報告し、教室全体でその報告について討議、解釈を確定していきながら、作品全体の理解を深めていきます。
ここでもっとも注意しなくてはいけないことは、「解釈」は現代語訳ではないということです。現代語に置き換えられれば解釈できたという錯覚から抜け出さなくてはなりません。なぜその言葉を用いたか、この表現は何を意図しているのか等々、表現の趣旨を理解、説明することがもっとも重要なことであって、筋を追うことは二の次のことなのです。
その理解のためには、徹底した準備が必要です。様々な辞書以外にも、多くの文献にあたる必要があります。工具書それぞれの特色を理解し、どのような作品にでも対応できる調査能力を培うこともこの授業の大きな目的です。
科目目的
変体仮名と簡単なくずし字に習熟することと、古典解釈に有用な工具書を使いこなすことも含めて調査能力を培い精度の高い解釈ができるようにすることを目的とします。
到達目標
原本、またそれに近い形のものを読みこなす能力を身に付け、さまざまな時代・分野の作品を読解できるようにすることを目標とします。
授業計画と内容
第1回 演習①『世間妾形気』巻二第二話、十二丁表~十二丁裏
第2回 演習②同、同十三丁表~十三丁裏
第3回 演習③同、同十四丁表~十四丁裏
第4回 演習④同、同十五丁表~十五丁裏、第二話総括
第5回 第二話レポート講評、演習⑤同第三話十五丁裏~十七丁裏
第6回 演習⑥同、十八丁表~十八丁裏
第7回 演習⑦同、同十九丁表~十九丁裏
第8回 演習⑧同、同二十丁表~二十丁裏
第9回 演習⑨同、同二十一丁表~二十一丁裏
第10回 演習⑩同、同二十二丁表、第三話総括
第11回 第三話総括、演習⑪巻三第一話、一丁表~一丁裏
第12回 第二話レポート講評、演習⑫同、二丁表~二丁裏
第13回 演習⑬同、同三丁表~三丁裏
第14回 演習⑭同、同四丁表~五丁裏、全体総括
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
---|---|---|
レポート | 50 | 各話読了後にその話についてのレポートを提出してもらい、それを理解度を測る評価材料とします。 |
平常点 | 50 | 出席、発表の事前準備と発表の精度、また演習事業への参加の積極性を評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
PBL(課題解決型学習)/ディスカッション、ディベート/グループワーク/プレゼンテーション
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキスト 木越治編『世間妾形気』(和泉書院)
『字典 かな』(笠間書院)