シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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情報サービス論 | 2024 | 前期 | 火2 | 文学部 | 小山 憲司 | コヤマ ケンジ | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-IM2-M301
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
図書館では、図書の閲覧や貸出といった資料提供サービスのほか、利用者から寄せられるさまざまな質問や相談に対して回答したり、情報や情報源を提供、紹介したりするなど、情報そのものを提供するサービスも展開している。これを情報サービスと呼ぶ。本科目では、図書館における情報サービスの意義を理解し、その具体的なサービスであるレファレンスサービスや情報検索サービスの基礎を中心に総合的に学習する。
科目目的
情報サービスを構成する各種サービス、それを実現するための基本的な知識や技術、考えかたなどを修得する。情報サービスを実践するには、カリキュラム履修上の「専門的学識」「幅広い教養」を必要とするほか、利用者の求めに応じた「複眼的思考」を身につけておくことが求められる。
到達目標
この科目では、具体的に次のことを目標とする。
①情報サービスに関する用語を理解し、説明できる。
②情報社会における図書館の役割とその現状について理解し、概説できる。
③図書館で提供されるサービスの内容を理解するとともに、その一つである情報サービスの種類と内容について理解を深め、説明できる。
④情報サービスの提供方法について理解し、説明できる。
⑤情報サービスのプロセスに関する基礎的知識を修得し、説明できる。
⑥情報サービスの運営に必要な活動や課題について理解し、説明できる。
授業計画と内容
第1回 ガイダンス
第2回 情報社会と図書館
第3回 情報サービスとは
第4回 情報サービスの種類
第5回 各種図書館の情報サービスとその類型
第6回 レファレンスプロセス(1):レファレンスプロセスの構造と内容
第7回 レファレンスプロセス(2):レファレンスインタビュー(含実習、ペアワーク)
第8回 情報検索サービスとその展開(1):情報検索の種類とその理論
第9回 情報検索サービスとその展開(2):データベースとその技法
第10回 情報サービスの管理と運営
第11回 発信型情報サービスの展開
第12回 情報の仲介者としての図書館および司書(1):課題の検討
第13回 情報の仲介者としての図書館および司書(2):ふりかえり(含グループワーク)
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
①事前課題として、テキストや配布資料の閲読、映像の視聴、宿題を課す(課さないこともある)。
②事後課題として、小テスト、ふりかえり(コメントペーパーの提出)、映像の視聴、宿題を課す(課さないこともある)。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 30 | 科目の目的、到達目標に記した内容を達成できているかどうかを期末レポートにより評価する。 |
平常点 | 70 | 授業中課題および宿題の提出状況および内容、授業への参加・貢献度を基準とする。 |
成績評価の方法・基準(備考)
評価の前提条件:参加率が7割に満たない場合は評価の対象外とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う/その他
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
①受講生からの質問はメール、manabaの掲示板などを用いて回答する。
②オフィスアワーを設ける。具体的な時間は、初回の授業で連絡する。
③授業で課した課題は授業内で取り上げ、解説する。
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
①授業で用いたスライド資料、配布資料等は、manabaに掲載する。
②授業中、あるいは授業後にresponを用いて、アンケートやふりかえりを行う。また、回答結果を受講生と共有する。
③事前課題、もしくは事後課題として、映像資料を配信する。
④宿題、および期末レポートは、manabaを用いて回収する。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当者は、1997年4月から2006年3月まで、東京大学附属図書館等において、図書館職員として図書館サービス、情報組織化、電子情報資源の提供などの実務経験を有する。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
図書館実務にかかる話題にも適宜触れながら、授業を展開する。
テキスト・参考文献等
(1) テキスト
・山崎久道, 原田智子編著.『情報サービス論』改訂. 樹村房, 2019. (現代図書館情報学シリーズ, 5) ISBN:978-4-88367-295-0
(2) 参考文献
次に掲げる図書のほか、授業で適宜紹介する。なお、これらは購入する必要はない。中央図書館、あるいは身近な公共図書館なども活用して、利用してほしい。
・まちの図書館でしらべる編集委員会編.『まちの図書館でしらべる』柏書房, 2002. ISBN:978-4-7601-2171-7
・高田高史著.『図書館のプロが教える<調べるコツ>』柏書房, 2006. ISBN:978-4-7601-2990-4
・高田高史著.『図書館が教えてくれた発想法』柏書房, 2007. ISBN:978-4-7601-3246-1
・井上真琴著.『図書館に訊け!』筑摩書房, 2004. (ちくま新書, 486). ISBN:978-4-480-06186-7
・小林昌樹著. 『調べる技術 : 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』皓星社, 2022. ISBN978-4-7744-0776-0
・入矢玲子著.『プロ司書の検索術 : 「本当に欲しかった情報」の見つけ方』日外アソシエーツ, 2020. (図書館サポートフォーラムシリーズ). ISBN:978-4-8169-2851-2
・山崎久道著.『情報貧国ニッポン : 課題と提言』日外アソシエーツ, 2015. (図書館サポートフォーラムシリーズ). ISBN:978-4-8169-2540-5
・村橋勝子著.『情報便利屋の日記 : 専門図書館への誘い』樹村房, 2016. ISBN:978-4-88367-265-3
・M.K.バックランド著, 高山正也, 桂啓壮訳.『図書館サービスの再構築 : 電子メディア時代へ向けての提言』勁草書房, 1994. ISBN:978-4-326-00013-5
・F.W.ランカスター著, 中村倫子, 三輪眞木子共訳.『図書館サービスの評価』丸善, 1991. ISBN:978-4-621-03640-2
・フィリップ・コトラー著, 月谷真紀訳.『コトラーのマーケティング・マネジメント』ピアソン・エデュケーション, 2002. ISBN:978-4-89471-658-2
・阿部佳著.『わたしはコンシェルジュ』講談社, 2010. (講談社文庫). ISBN:978-4-06-276646-3
・今まど子, 小山憲司編著.『図書館情報学基礎資料』第5版. 樹村房, 2024. ISBN:978-4-88367-386-5
・日本図書館協会用語委員会編.『図書館用語集』4訂版. 日本図書館協会, 2013. ISBN:978-4-8204-1311-0
・日本図書館情報学会用語辞典編集委員会編.『図書館情報学用語辞典』第5版. 丸善出版, 2020. ISBN:978-4-621-30534-8
・日本図書館情報学会編. 『図書館情報学事典』丸善出版, 2023. ISBN978-4-621-30820-2.
・日本図書館協会図書館ハンドブック編集委員会編.『図書館ハンドブック』第6版補訂2版. 日本図書館協会, 2016. ISBN:978-4-8204-1609-8
その他特記事項
授業で扱う内容は、現在の図書館活動そのものである。関連文献を提示したり、課題を課したりするので、それらを活用して復習することはもちろん、自らが図書館に積極的に足を運ぶことで、実際の活動を確認、検討することを期待する。