シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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デジタル・ライブラリ | 2024 | 後期 | 水4 | 文学部 | 常川 真央 | ツネカワ マオ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-LI2-M406
履修条件・関連科目等
「図書館情報技術論」を履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
ウェブを通じて論文や本、古代の絵画など多種多様な資料を家に居ながらにして読むことは、ごく普通にできるようになった。このような、資料をデジタルコンテンツとして、いつでも、どこでもオンラインで入手できる情報システムのことを図書館情報学では「デジタル・ライブラリ」と呼び、これまで様々な技術や理論が提唱され、社会に実装されてきた。
現代では、公共図書館、大学図書館、美術館、博物館など様々な機関がデジタルアーカイブやリポジトリ、電子書籍貸出サービスなどの名称でデジタル・ライブラリを提供するようになっている。図書館員など、そうした機関で働く人間は、デジタル・ライブラリを構築する知識やスキルが求められつつある。また、利用者側もデジタル・ライブラリを駆使することは、自らの知的活動をより生産的にすることができる。
そこで、本科目では、デジタル・ライブラリの概要と、デジタル・ライブラリの中核技術の一つである「セマンティック・ウェブ」について学ぶことで、社会にデジタルコンテンツを流通させる力を身につける。
授業内容は、(1) デジタル・ライブラリの概観 (2) セマンティック・ウェブ (3) デジタル・ライブラリ各論 (4) デジタル・ライブラリの開発実習の4項目で構成されている。 (1)および(2)ではデジタル・ライブラリの基礎知識を習得し、(3)では今日のデジタル・ライブラリの具体的な姿を多角的に紹介する。併せて(4)では授業で取り扱った技術を活用して文化資源に関するメタデータの作成と公開を行い、これからのデジタル・ライブラリについて実践を通じて考えることを促す。
科目目的
本科目は学生が学位授与の方針で示す「専門的学識」を修得することを目的としている。専攻カリキュラムでは、「データサイエンス・情報システム学系統」における「情報システムを企画・設計できる能力」を身につけるための選択科目として位置づけている。特に、学術や文化を担う組織(大学、図書館、博物館、美術館等)がウェブ上で知識や文化遺産をウェブ上で提供するための専門的学識を修得することを目的とする。
また、図書館情報学コースの科目として、司書課程科目に加え、図書館員としての専門性を高める科目として位置づけている。具体的には、デジタル・ライブラリ提供業務を担うときの必須知識・スキルを修得することができる。図書館員を志望する図書館情報学コースの学生は履修することを推奨する。
そのほか、学生が学位授与の方針で示す「幅広い教養」を修得することも目的としている。具体的には、ウェブの現在と将来について技術的知識と社会動向を踏まえて論じるための教養を得ることを目指す。
到達目標
1. デジタル・ライブラリならびにセマンティック・ウェブの関連技術の基礎知識を説明できる
2. セマンティック・ウェブの諸技術が社会に与えている影響について論じることができる
3. デジタル・ライブラリを利用したサービスを企画し、試作することができる
授業計画と内容
第01回 <壁のない図書館>のこれまでとこれから: デジタル・ライブラリ概論
(デジタル・ライブラリ/セマンティックウェブ/オープンデータ)
第02回 リンクドデータ(1) ウェブでデータをつなげる方法
(グラフデータベース/RDF/Turtle/オントロジー)
第03回 リンクドデータ(2) 世界共通の「ことば」を学ぶ
(RDF語彙/Dublin Core/FOAF/Schema.org)
第04回 リンクドデータ(3) データセットの公開方法
(XML/JSON-LD/HTTP)
第05回 リンクドデータ(4) ウェブを知識のデータベースとして使う
(SPARQL)
第06回 各論(1) ボーンデジタル資料:
(電子書籍/ウェブアーカイブ/ソーシャルメディア)
第07回 各論(2) 学術情報流通:あらゆる人に開かれた学問を目指して
(オープンアクセス/リポジトリ/永続的識別子)
第08回 各論(3) デジタルアーカイブ:社会の記憶を保存する
(デジタルアーカイブ/デジタルミュージアム/IIIF)
第09回 開発実習(1) 文化資源を調べる
第10回 開発実習(2) 文化資源からデータを作る
第11回 開発実習(3) 文化資源のデータをつなげる
第12回 開発実習(4) 文化資源データを使う
第13回 開発実習(5) 文化資源データを公開する
第14回 まとめ
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 開発実習の取り組みを説明し、デジタル・ライブラリについて論じるレポート課題を課し、デジタル・ライブラリならびにセマンティック・ウェブの知識の理解度を評価する。レポート課題はManabaのレポート機能を通じて提示する。 |
平常点 | 40 | 授業への参加・貢献度、受講態度、授業後の課題提出状況を基準とする。授業への参加は授業中のResponまたは課題の提出状況によって評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
参加を確認できない授業が4回を超える者は成績評価の対象外とする。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/実習、フィールドワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
クリッカー/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
適宜Manabaにおける小テスト機能などを利用して理解度の確認を図る。
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
担当者は、2014年4月から2019年3月まで、日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所図書館において、図書館職員として、図書館サービス、情報組織化、電子情報資源の提供などの実務経験を有する。また、2019年4月から2021年3月まで、国立情報学研究所において研究データを主とする学術情報システムの研究開発に従事していた経験を有する。
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
デジタルライブラリを企画、構築、運営する際にどのような課題があるかを実務者の観点から適宜紹介する。
テキスト・参考文献等
(テキスト)
・兼岩憲. 『セマンティックWebとリンクトデータ』コロナ社, 2017年, 東京. ISBN:978-4-339-02869-0
(参考文献)
・加藤文彦, 川島秀一, 岡別府陽子, 山本㤗智, 片山俊明. 『SPARQL : オープンデータ時代の標準Web API』インプレスR&D, 2015年, 東京. ISBN:978-4-8020-9043-8.
・日本図書館情報学会研究委員会. 『メタデータとウェブサービス』勉誠出版, 2016年, 東京. わかる!図書館情報学シリーズ, 第3巻. ISBN:978-4-585-20503-6
・柳与志夫. 『入門デジタルアーカイブ : まなぶ・つくる・つかう』勉誠出版, 2017年, 東京. ISBN:978-4-585-20060-4