シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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学校教育概論 | 2024 | 後期 | 月2 | 文学部 | 香川 七海 | カガワ ナナミ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-LI2-M416
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業では、日本や海外の学校教育の諸相について検討します。教育学は人間の「教え」と「育ち」のプロセスを考察する学問です。一般的に、教育学は学校(教室)でのミクロな教育実践や教育方法のみを分析対象にする学問と思われがちですが、実際はそうではありません。人類の歴史において、学校教育が登場し、機能していた期間は、わずかなものに過ぎません。この授業では、教育学・社会学・歴史学・政治学の視座を手がかりに、人類史のなかの「教え」と「育ち」を多様な側面から分析します。そのうえで、今日の学校教育の理念や意義、可能性や不可能性について考察します。
科目目的
日本における学校教育の役割、社会的意義を学習します。また、歴史的文脈のもと、マクロな視点から、教育社会史、教育実践史、教育文化史について理解することを目的とします。
到達目標
今日の学校教育の諸課題、日本社会のあり方について、受講者がみずからの考えをみずからの言葉で表現できるようになることを講義の到達目標とします。
授業計画と内容
第1回:ガイダンス「〈教育〉とは何か?」
*教育学分野の諸領域について説明し、学校教育の位置づけを検討します。
第2回:「古代世界の〈教育〉① 聖書のなかの子育ての習俗」
*聖書に残された記述から古代世界の子育ての習俗について検討します。
第3回:「古代世界の〈教育〉② アレクサンドリア図書館と学問知」
*古代ギリシア世界の知識人と学問知の関係について検討します。
第4回:「中世の子育ての習俗とグリム童話」
*中世における大学の萌芽と子ども観について検討します。
第5回:「中世の子育ての習俗とヨーロッパにおける近代教育の誕生」
*中世における子育ての習俗の変遷と近代教育の萌芽について検討します。
第6回:「近代の家庭教育と委託される〈育ち〉 ガヴァネスとナニーのはざまで」
*近代教育の萌芽とともに、同時代の家庭教育について検討します。
第7回:「近代の家庭教育から現代の家庭教育へ ディズニー映画の表象の変遷」
*ディズニー映画の表象分析を通して、教育活動と家庭教育の変遷を検討します。
第8回:「日本における近世の子育てと明治維新後の近代教育」
*日本の近代教育の前史について学び、近代教育の成立と展開について検討します。
第9回:「アジア・太平洋戦争下の教育活動と戦後の教育改革」
*戦時下の学校教育について学び、戦後の「民主主義教育」の確立について検討します。
第10回:「戦後の学生文化と学生運動」
*戦後の学生文化と高校闘争について検討します。
第11回:「公教育とエリート層の変容」
*日本の大学闘争(e.g. 中央大学・専修大学・日本大学・東京大学)について検討します。
第12回:「〈病理〉としての学校教育史」
*1970年代の教育課題の性格について検討します。
第13回:「自由、管理・統制のせめぎあい」
*1980年代~1990年代の学校教育について検討します。
第14回:「「ゆとり教育」という混迷?」
*多様なバッシングを受けた「ゆとり教育」を通して現代の学校教育について検討します。
(※)受講生の人数に応じて順序が若干前後する可能性があります。
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 60 | 引用のみに依存せずに、自己の見解を記述できているかを重視します。ただし、感想文にならないように、自己の見解を相対化する必要があります。 |
平常点 | 40 | 授業内容を反映した感想(疑問や反論を含めて)を記述できているかを重視します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける/授業時間に限らず、manabaでフィードバックを行う
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
はい
【実務経験有の場合】実務経験の内容
実務経験:専門社会調査士
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
社会学分野の当事者研究や社会問題研究の視座から授業を組み立てます。
テキスト・参考文献等
使用しません。
(資料は、manabaを通じて配布するか、授業中に入手方法について指示します)