シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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代数学1 | 2024 | 後期複数 | 金3,金4 | 理工学部 | 原 隆 | ハラ タカシ | 2年次配当 | 4 |
科目ナンバー
SE-AG2-1B04
履修条件・関連科目等
「代数学1」の履修申請には「線形代数学1」「線形代数学2」「代数学序論」を履修していることが望ましい。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
線形代数学1,2および代数学序論で履修した内容を基礎として,群について学ぶ。群は代数学にとどまらず,現代数学一般および理論物理学において本質的な役割を果たす重要概念である。具体的な例としては,置換がなす群と正則行列からなる群が基本である。
群を通じて,一般化と抽象化によって本質を明らかにする代数学的方法の一端に触れてほしい。しかし一般的抽象的な命題を真に理解するためには,具体的な例を手を動かして計算してみることが欠かせない。そのような訓練として,講義の進行に応じて中間試験を行う。
科目目的
学位授与方針にある「論理に裏付けられた論証力」「整合性を感知できる感性」そして「基本を理解した上での応用力」を修得することを目的とする。
到達目標
代数学のみならず数学一般や物理学できわめて重要な概念である「群」の概念と基本事項を理解すること。具体的には,配付の演習問題あるいは参考書にある問題を自力で解けるようにすること。その上で,本講で取り扱った事項をその根拠を含めて他者にそらで説明できるようになること。
授業計画と内容
第1回 群の定義と基本的な例,群の位数
第2回 可換群と非可換群
第3回 部分群
第4回 巡回群と巡回部分群,元の位数
第5回 直積群
第6回 部分群による剰余類と剰余集合
第7回 部分群の指数と Lagrange の定理
第8回 正規部分群と剰余類の演算
第9回 既約剰余類群とEuler関数
第10回 置換の符号
第11回 準同型と同型の定義と例
第12回 準同型の核と像
第13回 準同型定理
第14回 第1回から第13回までの確認(中間試験)
第15回 準同型定理の応用など
第16回 有限アーベル群の構造
第17回 群の作用
第18回 軌道と固定群
第19回 共役類と類等式
第20回 対称群の共役類
第21回 自由な作用
第22回 Cauchy の補題
第23回 Sylow の定理
第24回 位数8の群,位数12の群
第25回 交換子群と可解群
第26回 対称式と交代式
第27回 代数方程式と群
第28回 第16回から第27回までのまとめ
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義で配付する練習問題に講義の進行に応じて各自で取り組むこと。講義の後でテキストの関連する項目を復習し、講義内容を確認すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 35 | 講義で学んだ基本事項の確認とそれらに関連する問題を問う。授業の内容を正しく理解しているか、学んだ内容をもとに解答を作成できるかで評価する。 |
期末試験(到達度確認) | 45 | 講義で学んだ基本事項の確認とそれらに関連する問題を問う。授業の内容を正しく理解しているか、学んだ内容をもとに解答を作成できるかで評価する。 |
レポート | 20 | 講義で学んだ基本事項の確認とそれらに関連する問題を問う。授業の内容を正しく理解しているか、学んだ内容をもとに解答を作成できるかで評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
レポートは毎回の授業で出題し,manaba にて提出してもらう予定である.詳細は初回授業時に説明する.
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書 (副読本) として
原 隆『手を動かしてまなぶ 群論』裳華房,2024年
を用いるが、基本的な群論のテキストであれば本講義で扱う内容は概ねカバーされるので、他のテキストを利用しても構わない。
以下、代表的な参考書をいくつか挙げておく。
雪江明彦『代数学1 群論入門 [第2版]』日本評論社,2023年,ISBN: 978-4-535-78997-5
桂利行『代数学I 群と環』東京大学出版会,2004年,ISBN: 978-4-130-62951-5
M. A. アームストロング (佐藤信哉訳)『対称性からの群論入門』丸善出版,2007年,ISBN: 978-4-621-06162-6
David Joyner (川辺治之訳)『群論の味わい ー置換群で解き明かすルービックキューブと15パズルー』共立出版,2010年,ISBN: 978-4-320-01941-6
その他特記事項
参考URL
授業用Webページ: https://edu.tsuda.ac.jp/~t-hara/Lectures/2024/algebra1.html
配布した資料やレポート,授業で扱った内容の概要などをアップロードする予定です.