シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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幾何学序論 | 2024 | 後期 | 火3 | 理工学部 | 髙倉 樹 | タカクラ タツル | 2年次配当 | 2 |
科目ナンバー
SE-AG2-1B05
履修条件・関連科目等
線形代数学1、2および基礎数学3などで学ぶ、線型代数や距離空間に関する基礎概念を理解していること。基礎数学1、2で学ぶ集合論などの数学の基礎的事項を理解していること。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
幾何学の基本的研究方法の一つとして、図形をその対称性によって特徴付ける方法が挙げられる。そして、対称性は「群」という概念によって記述される。この講義では、行列の成す群の作用を幾何学的に捉えることを学ぶ。正多角形や正多面体の対称性から始めて、2次元、3次元のユークリッド空間内の曲線、曲面などの対称性やそれを表現する行列のなす群へと進む。更に、行列のなす群がベクトル空間やその中の曲面などに作用する例を通して群作用の基礎理論を学ぶ。双曲幾何学や Lie 群と Lie 環の理論への導入としての側面もあるが、講義ではこれらの進んだ理論は表には出ない。
科目目的
群や群作用の基本概念と基本例を習得すること。
到達目標
群や群作用の基本概念と基本例を習得し、線型代数の基礎的事項を群作用、連続性等の幾何学的観点から認識すること。さらにそこに現れる2次曲面等の幾何学的対象に馴染むこと。それらを通して線形代数の実践的意義・機能を身につけること。
授業計画と内容
第1回 対称性と群についての導入:正多角形や正多面体の対称性
第2回 群の基本例:2面体群や正多面体群、集合の対称群、線型代数に現れる行列の成す群
第3回 線型代数の基礎(固有ベクトル等)についての群の観点からの復習
第4回 空間の変換群(群の作用)の基礎
第5回 内積と直交変換群、等方部分群、軌道
第6回 直交群の作用の軌道分解
第7回 不定値計量と変換群、SO(1,1) について
第8回 前半の総括
第9回 SO(2,1) 群作用の軌道分解と等方部分群について
第10回 群作用の一般論再説
第11回 SL(2;R) と sl(2;R) 及び行列の指数関数
第12回 SL(2;R) の色々な部分群と SL(2;R) の sl(2;R) への作用
第13回 SL(2;R) の sl(2;R) への作用の等方部分群と SO(2,1) との対応
第14回 SO(2,1) の等方部分群再論
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
新たに学んだ概念や定義など、前回までの授業の内容を丁寧に復習すること。特に、演習問題には時間をかけて取り組むこと。また必要に応じて、線形代数学や代数学で学習した内容を予め復習しておくこと。レポートの課題がある場合は、必ず期日までに提出すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 50 | 前半の内容について、諸概念や諸定理の理解度、計算力、応用力などをもとに評価する。 |
期末試験(到達度確認) | 50 | 後半の内容について、諸概念や諸定理の理解度、計算力、応用力などをもとに評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
上記の他、適宜平常点を加味して評価する。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
教科書:特に指定しない。以下の参考書から自分にあったものを選べばよい。
参考書:
志賀浩二「群論への30講」(朝倉書店)
平井武著「線型代数と群の表現 I、II」(朝倉書店)
原田耕一郎著「群の発見」(岩波書店)
長野正著「曲面の数学」(培風館)
E. G. Rees 著、三村護訳「幾何学講義」(共立出版)
V. V. ニクリン、I. R. シャファレヴィッチ著、根上生也訳「幾何学と群」(シュプリンガー・フェアラーク東京)
H. クネーラー著、金井省二・秋葉繁夫訳「幾何学(上・下)」(シュプリンガー・フェアラーク東京)
井ノ口 順一著「幾何学いろいろ―距離と合同からはじめる大学幾何学入門」(日本評論社)