シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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代数学3 | 2024 | 後期複数 | 月2,火4 | 理工学部 | 山崎 隆雄 | ヤマザキ タカオ | 3年次配当 | 4 |
科目ナンバー
SE-AG3-1B15
履修条件・関連科目等
「代数学3」の履修申請には「線型代数学1」「線形代数学2」「代数学序論」「代数学1」「代数学2」を履修していることが望ましい。環の準同型定理をある程度理解していることを前提として講義を進める。
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
19世紀前半のAbelとGaloisによる代数方程式の可解性の研究は、可換体論とGalois理論を生み出した。これらは代数学にとどまらず、数学全体に大きな発展をもたらした。本講義ではまず、体の拡大の基礎理論について説明する。つづいてGalois理論の基本定理を解説する。最後にGaloisの主定理を用いて、Abel-Ruffiniの定理「五次以上の代数方程式が代数的な解の公式を持たない」の証明を与える。
なお、講義の進行に応じて中間試験を実施する。
科目目的
学位授与方針にある「論理に裏付けられた論証力」「整合性を感知できる感性」そして「基本を理解した上での応用力」を修得することを目的とする。
到達目標
多項式環から体を構成する方法を体得すること。ここでは環の準同型定理が重要な役割を持つ。また、Galois対応によって代数方程式の代数的可解性の問題がGalois群の可解性の問題に翻訳される仕組みを理解すること。
具体的には、配付の演習問題あるいは参考書にある問題を自力で解くこと。その上で、本講で取り扱った事項をその根拠を含めて他者にそらで説明できるようになること。
授業計画と内容
第1回 環と体の定義
第2回 体の標数
第3回 生成される部分体
第4回 有限次拡大
第5回 拡大次数
第6回 代数拡大と超越拡大
第7回 最小多項式
第8回 作図可能性への応用
第9回 代数閉体と代数閉包
第10回 体の埋め込みの個数と拡大次数
第11回 正規拡大の定義と例
第12回 正規拡大の性質
第13回 最小分解体
第14回 第1回から第13回までの確認
第15回 Frobenius写像
第16回 有限体
第17回 分離拡大の定義と例
第18回 分離拡大の性質
第19回 Galois拡大の定義と例
第20回 Artinの定理
第21回 Galois理論の基本定理
第22回 Galois対応の例
第23回 有限体のGalois理論
第24回 1のべき根による拡大
第25回 代数学の基本定理への応用
第26回 作図可能性とGalois理論
第27回 五次方程式の代数的解法の非存在
第28回 第15回から第27回までの確認
授業時間外の学修の内容
その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
講義で配付する練習問題に講義の進行に応じて各自で取り組むこと。講義の後でテキストの関連する項目を復習し、講義内容を確認すること。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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中間試験 | 40 | 授業の内容を理解しているかを評価する。 |
期末試験(到達度確認) | 60 | 授業の内容を理解しているかを評価する。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
実施しない
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
実施しない
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは指定しない。参考書として
雪江明彦「代数学2 環と体とガロア理論」(日本評論社)
松坂和夫「代数系入門」(岩波書店)
を挙げておく。