シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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国際比較教育学 | 2024 | 前期 | 金2 | 文学部 | 島埜内 恵 | シマノウチ メグミ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-ED2-N407
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
この授業の大きな目的は、「教育」、「学校」、「子ども」について考えることです。そしてそのための手法のひとつとして、「比較」を用います。
例えば「日本の学校について説明してください。」と求められたとき、何について、どのように説明するでしょうか。小学校は6年間であり中学校は3年間である、授業では教科書を使う、その教科書は自分のものである、時間割は教員が決める、自分で配膳して給食を食べる、掃除の時間がある、集団登校をする、学期の始まりに始業式がある等、説明するための要素がいくつか考えられるかもしれません。
これらは、日本で学校に通い、そこで教育を受けてきた人にとっては「当たり前」のものとして前提とされがちですが、諸外国・地域に目を向けてみると、これらのことは必ずしも「当たり前」とは限りません。このことを踏まえると、日本の「教育」、「学校」、「子ども」にまつわる事象を対象化して考えていくにあたって、諸外国・地域の「教育」、「学校」、「子ども」にまつわる事象を鏡にすることや、その中に日本の状況を位置づけて理解することは、有効な方法のひとつといえます。
本授業では、比較という手法を通して日本の状況や各自の教育経験、学校経験を相対化することで、受講生自身が「教育」、「学校」、「子ども」について考えるための視野を広げ、思考を深めることを目指します。
なお、各回の授業で課題(コメントシートの作成・提出)を課しますので、毎回作成・提出してください。
科目目的
①比較や比較教育に関する基本的な知識を学習し、それをもとに日本の状況や各自の教育経験、学校経験を相対化する。
②①をもとに、「教育」、「学校」、「子ども」に関するさまざまな事象について、社会の一構成員、あるいは教育に関わる当事者として自分の思考や意見を深めていく。
以上の目的は、文学部のディプロマポリシーの中でも、特に「人を読み解く力」、「複眼的に思考し、多様な社会に柔軟に対応することができる」、「相手の考えを理解することができる」との関連性の中に位置づくものといえます。
到達目標
①比較や比較教育に関する基本的な知識を身につけ、それをもとに日本の状況や自分の教育経験、学校経験を相対化できるようになる。
②①をもとに、「教育」、「学校」、「子ども」に関するさまざまな事象について、社会の一構成員、あるいは教育に関わる当事者として思考し、適切に表明できるようになる。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション(講義の進め方、到達目標、評価等の確認)
比較教育学を学ぶための前提
第2回 比較という手法
比較することの意義
比較の限界性
第3回 世界の学校類型
学校系統図と義務教育制度
第4回 フランスの教育制度や教育政策(1)共和国の理念、「共和国の学校」の「最高の使命」
第5回 フランスの教育制度や教育政策(2)教育内容、学校を構成するいくつかの要素
第6回 国際機関と日本
「PISA型学力」
「リテラシー」
「コンピテンシー」
第7回 PIAAC
TALIS
「教員の働き方」
第8回 国家と言語
外国につながる子どもの教育
第9回 複言語主義
外国語教育
第10回 「オルタナティブな教育」の場
第11回 「男女平等」
第12回 教育格差
貧困
第13回 これまでの学校とこれからの学校
比較し、相対化することの重要性
第14回 到達度の確認
総括
※必要に応じて順番を入れ替える可能性があります。
授業時間外の学修の内容
授業終了後の課題提出/その他
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
・配布資料等を読み込み、各回の学修事項について振り返ってください。
・授業時間外での課題作成が指示された場合は、指定された期日までに課題を作成の上、提出してください。
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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期末試験(到達度確認) | 50 | 授業での学修事項に関する理解度を中心に確認します。 |
平常点 | 50 | 毎回の授業で、原則としてその回のテーマに即した課題(コメントシートの作成・提出)を課します。その課題の提出状況と内容の適切さ(お題にきちんと応答して考察しているか等)を基準とします。 |
成績評価の方法・基準(備考)
毎回の課題に関する詳細や、受験資格を含めた試験の詳細については、初回授業にてお示しします。
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
その他
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
回によって、ペアやグループでの意見交換や議論、コメントシートの読み合いやコメント付けをしていただきます。
授業におけるICTの活用方法
その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
課題の提出や関連情報の提示等にかかり、manabaを使用して進める可能性があります。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは使用せず、授業担当者が作成する配布資料をもとに授業を進めます。
参考文献は以下の通りです。これ以外の資料等については、必要に応じて授業内でお示しします。
・国立教育政策研究所(2014)『教員環境の国際比較』、明石書店。
・ドミニック・グル―ほか(2011)『比較教育/比較教育に関する著作の草案と予備的見解』、文教大学出版事業部。
・二宮皓(2013)『新版 世界の学校―教育制度から日常の学校風景まで』、学事出版。
・マークブレイほか(2011)『比較教育研究―何をどう比較するか―』、上智大学出版。
・文部科学省『諸外国の教育動向』(各年度版)明石書店。
・ロバート・F. アーノブほか(2014)『21世紀の比較教育学―グローバルとローカルの弁証法―』福村出版。
・山田 肖子・森下 稔(2013)『比較教育学の地平を拓く』、東信堂。