シラバス
授業科目名 | 年度 | 学期 | 開講曜日・時限 | 学部・研究科など | 担当教員 | 教員カナ氏名 | 配当年次 | 単位数 |
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教育学特講(2) | 2024 | 前期 | 金2 | 文学部 | 森 一平 | モリ イッペイ | 2~4年次配当 | 2 |
科目ナンバー
LE-ED2-N409
履修条件・関連科目等
授業で使用する言語
日本語
授業で使用する言語(その他の言語)
授業の概要
近代社会において教育の中心は学校教育にあり、学校教育の中心は「授業」にある。したがって授業について知り、また改善していくことは、教育について知り、改善していくことと通底する。そしてその営みの中心はなんといっても、日本の優れた教師文化たる「授業研究」に存する。そしてまた授業研究は「人びとの実践の研究」に他ならないから、授業研究のありようを理解することは、私たちの身の回りにある様々な日常的実践を理解し、改善することとも根本的な部分でつながっている。
そこで本科目では「授業研究」をテーマとして取り上げ、大きく2つのパートによって講義を構成する。まず、①著名な授業研究の方法のいくつかを、それらをめぐる論争史にそくして複数取り上げることにより、授業研究のバリエーションを把握するとともに「授業を見て何事かコメントする」というだけの授業研究観を上書きし、「実践研究」の深みを知ってもらう。そのうえで次に、②エスノメソドロジー・会話分析という社会学上の立場から授業を観察してみることを通し、授業というコミュニケーションの構造を把握するとともに、授業という限られた実践のみならず様々な領域のコミュニケーションを分析的に観察する能力の基礎を養うことをめざす。
科目目的
日本の教員/教育学文化の「遺産」たる授業研究の中心に位置づくような立場を複数理解することを通して、日本の教育のありようの重要な一側面を知り、またエスノメソドロジー・会話分析の立場からの授業研究を体験的に学修することで、広くコミュニケーション現象一般の分析能力を養うことを目指します。
到達目標
①授業研究をめぐる複数の立場について、その概要・意義・限界をそれぞれ説明できる。
②①を踏まえたうえで、エスノメソドロジー・会話分析という立場からの授業研究の特殊性と意義を説明できる。
③エスノメソドロジー・会話分析の立場から、授業のコミュニケーション構造を読み解くことができる。
授業計画と内容
第1回 オリエンテーション:授業研究の全体像
第2回 斎藤喜博と島小の授業研究
第3回 出口論争(1):「ゆさぶり」と「正しさ」
第4回 出口論争(2):「名人芸」と「法則化」
第5回 ビデオを用いた授業研究(1):授業カンファレンス
第6回 ビデオを用いた授業研究(2):ストップモーション方式
第7回 コミュニケーションとしての授業(1):エスノメソドロジー・会話分析の視点
第8回 コミュニケーションとしての授業(2):発言の順番交替組織について
第9回 作業課題(1):発言の順番交替の視点から授業を読み解く
第10回 コミュニケーションとしての授業(3):行為連鎖の組織について
第11回 作業課題(2):行為連鎖の視点から授業を読み解く
第12回 コミュニケーションとしての授業(4):トラブルの修復・誤りの訂正の組織について
第13回 作業課題(3):修復・訂正の視点から授業を読み解く
第14回 おわりに:本講義における学習内容の振り返りとその応用可能性について
(注:上記計画は、受講者の学習状況や問題関心に応じて変更することがあります。)
授業時間外の学修の内容
指定したテキストやレジュメを事前に読み込むこと/授業終了後の課題提出
授業時間外の学修の内容(その他の内容等)
授業時間外の学修に必要な時間数/週
・毎週1回の授業が半期(前期または後期)または通年で完結するもの。1週間あたり4時間の学修を基本とします。
・毎週2回の授業が半期(前期または後期)で完結するもの。1週間あたり8時間の学修を基本とします。
成績評価の方法・基準
種別 | 割合(%) | 評価基準 |
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レポート | 50 | 実際の授業事例の分析レポートを最終課題として課し、講義の理解度や分析の妥当性といった観点で評価します。 |
平常点 | 50 | 毎回の講義を踏まえて取り組んでもらう課題の合計得点に基づき評価します。 |
成績評価の方法・基準(備考)
課題や試験のフィードバック方法
授業時間内で講評・解説の時間を設ける
課題や試験のフィードバック方法(その他の内容等)
アクティブ・ラーニングの実施内容
ディスカッション、ディベート/グループワーク
アクティブ・ラーニングの実施内容(その他の内容等)
授業におけるICTの活用方法
タブレット端末/その他
授業におけるICTの活用方法(その他の内容等)
manabaを通して、講義資料の配布や課題の提示を行います。
実務経験のある教員による授業
いいえ
【実務経験有の場合】実務経験の内容
【実務経験有の場合】実務経験に関連する授業内容
テキスト・参考文献等
テキストは特に指定しません。毎回の講義でレジュメや資料を配布し、また参考文献を提示します。